雨傘に沢山の雨が当たる。
最近、雨降ること多いな、なんて思ってもないこと呟きながら俺は足を彼の元へ運んだ。
向かっている最中にふぁっと雲が流され、一気に晴れへと繋がった。
ふと、空を見上げた。
Sha「きんときは今、嬉しいのかな。」
そう呟いて、また目の前を見て歩き始めた
今日も今日とて、大好きな君の元へ来た
Sha「……きんとき、あのね」
「今日はきんときにプレゼントを持ってきたんだ。」
「今日はさ、俺たち付き合って10年目…だよね。だからこれ、俺からのプレゼント。それと、今日は俺の手作りパンケーキ作ったよ。Nakamuに少し教えて貰いながら頑張ったから是非食べて欲しいな。」
「じゃあまたね、」
そう言って俺はきんときの元を去った
『ピチャ、ピチャ』
雨上がりだからなのだろうか、
帰り道には沢山の水たまりがあちらこちらにあった。
Sha「……。」
水溜まりに写った俺は隈が酷かった
可笑しいな。ちゃんもいつも通り睡眠を取っているはずなのに。
今日も、きんときとの写真を見返していた。
どの写真に写る君はにっこりと爽やかな笑顔で笑っていた。
水遊びでずぶ濡れになった君も、体育祭で転んでビリだった君も、アイスを路上に落とした君も全て…。
Sha「あぁ…、あの頃に戻れたらな…ポロポロ」
届きもしない。この想い。彼の元になんて。
分かっているのに、
知っているのに、
どうして涙は溢れてくるのだろう。
Sha「グスッ、(´•̥ω•̥`)」
ただひたすら俺は、ソファでしょっぱい水を零した
隣に、背中を優しくさすってくれる君が居る気がしたから、
ずっと……ずっと語りかけた。
君に、届いて欲しくて……
君に、届けたくて……
Sha「きんときポロポロ」