「これが、僕の過去。ここからおかしくなっちゃったんだよね」
そう言って苦笑いしていた。
「笑顔が好きだって、言ってくれたのになぁ」
ボソッと言うのを聞いて、なんと声を出せばいいのか分からなくなった。
「でも今はなのかちゃんの事しか考えてないからね」
そう言ってまた微笑んだ。その時、ドンッと音が鳴った。
「あーあ、来ちゃった。」
あおさんは動き、銃を取って私に向けた。
「あの、なぜ好きなのに殺すのですか…」
私はふと聞いた。これは時間稼ぎでもある。ずっと 音が鳴っている。きっと来てくれたんだろう。それを信じてる。
「僕、好きになった子は殺したいんだよね〜」
「殺しちゃったら、一緒にいれないじゃないですか。」
「一緒にいてくれるの?」
あおさんは、コテっと首を横に傾けた。私は黙っていた。私が居たいのは…あの人だけだから。
「ほら、いてくれないんでしょ?だから僕の手で殺して、手に入れるの。それか…一緒に死ぬ」
「…」
そう言ってあおさんは銃を私の頭に。何か時間を稼げる言葉はないのか…
「焦ってる?俺に殺されちゃうから」
え、?
「あの時言ってたもんねがくが、俺以外に殺されるなって」
「聞いてたの…」
うんっとニコッと笑う。
「二人の関係が…羨ましいわ」
そしてカチャッと音が鳴る。
正夢… この光景夢で見た気がする。いや、 そんな場合じゃない。殺されてしまう。 この先の光景、確かここで目が覚めたんだっけ。って事とは私死ぬの?
嫌だ嫌だ嫌だ…こんな奴に殺される為に生きてるんじゃない。がくさんに、人生を捧げたのに…
そんなこと考えてるうちに。
バンッ
と、音がした。
でも痛みはなかった。 目を開けるとそこにはがく さんが倒れていた。 体からは血が出ていた。私を庇ったの…?
「嫌…嫌…なんで、がくさん!!」
「お前、何してんだよ…」
しゅうさんはあおさんに胸ぐらを掴んでいた。他の人はがくさんの元に。 私は何度も名前を呼んだ。その時、名前を呼ばれた。
「がくさん…」
私の目は涙でいっぱいだった。
「お前、絶対殺されるな。俺が死んでも、な」
その瞬間、がくさんの息が途切れた。一応心臓は動いている。ちゃんと 生きている。 その瞬間、パトカーのサイレンが鳴った。
「やっべ」
そう言い、あおさんは逃げた。
「がくさん…起きてよ」
また、何度も呼ぶが反応はない。 だんだんサイレンは大きくなっていく。
「なのかちゃん!逃げよ!」
「でも!!がくさんが!!」
はるさんは私を抱っこし、その場を離れようとする。
「離して!私はがくさんと…!」
「ごめん」
その声がした途端、意識が遠くなった。
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