テラーノベル
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私 「おい、こんな所で何をしている?」
アルテマ 「あっ、ゾディアークさん。いえいえ、特には…」
私 「そうか…」
アルテマは私と似ている存在だ。
記憶を失っているが、哀しみを背負っているのなら間違いない。
アルテマ 「ゾディアークさん、貴方の過去を聞きました。辛く哀しい物ですね。
貴方が人の命を奪うのは憎しみからでは無く、大切なものを奪われる恐怖からでしょう」
私 「私が?何故恐怖に怯える必要があるんだ?」
そうは言ったが、本当にそうだと思う。私はいつも何かに怯えている。
あの時から人が怖くて、関わってきた佐藤も高橋も怖かった。優しい人間なのに…
アルテマ 「私は貴方の苦しみを知りません。でも、そばに居ることは出来ます」
私 「…何が言いたい…」
アルテマ 「ゾディアークさん、貴方は…
私 「…!?」
私はその一言で、胸が締め付けられた。もう分からないんだ。心を閉ざした私には、
人の気持ちも、自分の心も分からない。
それすら知らないで話すその無神経さに私は怒りを覚えた。
私 「ふざけるな!お前に…お前に何が分かる!?
お前のような無神経な奴が一番嫌いなんだよ!お前みたいな記憶も無い世間も知らないガキに言われるなんて冗談じゃ無いんだよ!!…はぁ…はぁ…」
アルテマ 「…」
つい怒鳴ってしまった…私の悪い癖だ。すぐに人に怒りをぶつけてしまう。
アルテマ 「それじゃあ…ゾディアークさんが困ったら、私が手を差し伸べますね!」
私 「は?」
何で、怒鳴った私に手を差し伸べようとするんだ。普通、嫌ったり怒ったりするだろ?
分からない。優しすぎる…お前も…私のせいで自殺した佐藤も…最後まで関わって来た高橋も
馬鹿だよ…
私 「どうでもいい、じゃあな」
優しいアルテマは…私に笑顔を向けて来る。
お前の笑顔を見ると母親を思い出して辛くなってしまう。
本当によく似ていたよ。だから何も言わずに関わっていた。
でも、私は自分自身で…
コメント
2件
アナザーストーリーの一部をオリジナルで詳しく表現するとは・・・!凄すぎる😭やはりゾディアークさんも気にしてるんですね。