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― スタジオに向かう朝 ―
朝から体がだるくて、視界も少しぼやけている気がした。
でも、今日は大切な日。
なぜなら 新曲のレコーディングがある。
そんな日に休めるわけがなかった。
〇〇(大丈夫。少しくらい…耐えられる)
― スタジオ到着 ―
藤澤「お〜、〇〇来た〜!」
大森「おはよう!…って、ちょっと顔色悪くない?」
〇〇「えっ…そんなこと…ないよ…?」
若井「……なんか、息…荒くないか? ほんとに大丈夫か?」
〇〇「うん…大丈夫……!」
(ごまかすように笑ってみせると、3人は少し気まずそうに目を合わせた)
大森「……まぁ、無理はしないでね。レコーディング長いし」
藤澤「何かあったらすぐ言って。俺ら遠慮とかいらないからさ?」
若井「マジで。強がるなよ」
〇〇「…うん!…ありがとう…!!」
― レコーディング中 ―
スタジオのモニター越しに、3人の圧倒的なパフォーマンスが響く。
その音に引き込まれながらも、体はどんどん熱を持ち始めていた。
〇〇(……喉が焼けるみたい…息が苦しい…)
視界がにじむ。足元がふらつく。
音が遠くなっていく――
― 数時間後、レコーディング終了 ―
大森「ふぅ〜〜!!今日のやつ、かなり良かったよね!」
藤澤「ね!最高のだった〜!」
若井「よし、〇〇のとこ戻るか。休憩中って言ってたけど…」
(3人がスタジオのロビーに戻ると、そこには――)
大森「……えっ、〇〇……?」
ロビーには散らばった3つのペットボトル。それと、
〇〇が、床に倒れていた。
藤澤「ちょっ…!嘘だろ!?〇〇!?おい、〇〇!」
若井「……!! 額、めちゃくちゃ熱い…!!ヤバい!高熱だこれ!」
大森「救急車…!?でもこの時間すぐ来るかわかんない…!」
若井「…もういい、抱っこする!」
(そう言って、若井が迷いもせず、〇〇の体を抱き上げた)
大森「お、お姫様抱っこ!? お前、ガチすぎて惚れるわ」
若井「てか〇〇軽すぎ…もっと食べなきゃダメだぞ、ほんと」
藤澤「いいからドア開けろ!車出すぞ!」
― シェアハウス到着 ―
若井「よし、ここで寝かせる…ベッド借りるぞ!」
(優しくベッドに寝かせ、額に濡れタオルを乗せる)
大森「氷枕とポカリ持ってきた!あと、冷えピタ!」
藤澤「おかゆ作った!10分で仕上げたけど、めっちゃうまい!」
若井「食べられる状態じゃないだろ。…〇〇、わかるか?聞こえる?」
〇〇「……わか…る……ごめ…ん……」
若井「バカか…!なんで無理したんだよ……」
藤澤「レコーディング、大事に思ってくれてたのはわかるけど…体はもっと大事にしなきゃ」
大森「ほんとそれ。倒れたら全部できなくなっちゃうよ?」
〇〇「……でも……みんなに…迷惑…かけたくなくて……」
若井「迷惑とかじゃねぇよ……〇〇が辛いのが一番ヤバいんだって」
(そっと手を握ってくる若井の手は、驚くほどあたたかかった)
― 数時間後 ―
(夜。静かな部屋。〇〇が目を覚ます)
〇〇「……ここは……?」
若井「気づいたか」
(ベッドの端っこに座っていた若井が、安堵の顔で近づいてくる)
若井「熱、少し下がったな。焦ったんだぞ…お前、顔真っ赤でさ」
〇〇「……ごめん……」
若井「もうそれ何回目だよ。謝らなくていい。心配しただけ」
(そのとき、ふと頬に触れる若井の指先)
若井「……俺、本気で怖かった。〇〇が倒れた瞬間、頭ん中真っ白になった」
〇〇「……滉斗……」
若井「だから……これからはさ。辛いときは、ちゃんと言ってくれよ」
〇〇「……うん……っ」
若井「俺、いつでもお姫様抱っこしてやっから」
〇〇「な……!」
藤澤(ドアの隙間から)「あー!」
大森「録音したかったわ〜〜!」
若井「お前らいつからそこにいんだよ!!」
(みんなが笑う、なんだか胸があったかくなった)