忘れたくない。

緑 …で、なんで寝なかったの.ᐣ

黄 えっと…、寝たら記憶無くなっちゃうから寝なかったら良いのかな～って、

緑 …それで記憶はどうなの.ᐣ

黄 昨日からは無くなってない…かも

緑 じゃあほんとに寝たら忘れちゃうんだね。

この時のすっちーの目はどこか寂しそうだった。

黄 …そうみたい。

緑 でもね、だからって寝ないのはだめだよ.ᐣ体にもいろいろ影響出るし今日だって出てたし……

黄 でも俺、忘れるの怖い…

緑 …それは俺もだよ、 みこちゃんの記憶消えて欲しくない。

黄 ……

赤 なんか解決策ないのか….ᐣ

桃 流石に毎日寝ないのはまずいし、

水 どうこう言ってる間にもっと悪化しちゃっても怖いよね、

黄 ねぇっ、俺はどうしたらいいの….ᐣ

緑 みこちゃん……

紫 それは俺らも分からない。どうにかしてやりたい気持ちは山々なんだが…

黄 俺ｯ、もう毎日怖くて怖くて仕方がないんだよ…

涙が流れそうになるのをぐっと堪える。

黄 このままみんなの事綺麗さっぱり忘れちゃうんじゃないかって、その内みんなに捨てられるんじゃ ないかって……

桃 そんなこと絶対にしない、約束するからｯ

ｷﾞｭｯ

黄 この約束…いつまで覚えてられるのかなぁ…笑

いつまでもずっと胸に刻んときたいなぁ…

堪えていたものを流す。

黄 俺ｯ、こんなに大事にしてくれて、こんな大切な人のこと…忘れたくないよ……ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

赤 俺もお前に忘れて欲しくない…

紫 ……

こんなみことの姿、可哀想で仕方がなかった。何も出来なかった。ただただ立ち尽くしていた。

本人に聞いてもだめ。病院に行ってもだめ。話し合ってもだめ。正直手の施しようがない。

---

その後みことは寝ていないこともありそのまま眠った。ここには静寂だけが残された。

何もしてあげられなくて、俺たちの心は複雑で複雑でどうしようも無い。

俺だって落ち着きたい。俺だって落ち着かせてあげたい。でも出来ない。

もどかしさを感じる。

俺は冷たい手をみことの頬に乗せ、優しく撫でる。

紫 ……ごめんなぁ、

俺はただただ謝ることしか出来なかった。

この世に神様なんて存在しないのだろうか。

こんなに心が綺麗で純粋で、誰にでも優しくできて愛されていて、幸せな彼にこんな事が起きるなんて。

誰も想像してなかったよ。本当に。

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