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#山中柔太朗
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𝕔𝕠𝕔𝕠
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227
夏休みまで、あと一週間。蝉の声が響く午後の教室で、佐野勇斗は机に突っ伏していた。
🩷「暑すぎん?」
💛「それ、今日何回目?」
仁人が呆れたように笑う。
🩷「いや、だって暑いやん。なあ、柔太朗」
窓際の席に座っていた柔太朗は、手元のスマホから顔を上げた。
🤍「うん、暑いね」
💛「でも勇斗、さっきからずっとそれしか言ってないよ」
🩷「二人とも冷たくない?」
仁人が小さく笑う。
そんなやり取りも、もう何年続いているだろう。
家が近くて、小学校も中学校も同じだった。
気づけば高校まで一緒になっていた。
三人でいることに、特別な理由なんてなかった。
それが当たり前だったから。
🩷「今日、帰りどうする?」
昇降口で靴を履き替えながら、柔太朗が尋ねた。
💛「俺、ちょっと図書室寄る」
🩷「じゃあ待ってるわ」
💛「いいよ、先帰ってて」
🤍「じゃあ俺も待ってようかな」
🩷「ほら、柔太朗もそう言ってるし」
💛「ほんと、二人とも暇だね」
仁人は少し困ったように笑った。
🩷「仁人待ちなんで」
何気なく言ったその言葉に、仁人の手が一瞬止まる。
💛「……そういうこと、普通に言うよね」
🩷「え? 何が?」
💛「別に」
仁人はそれ以上何も言わず、図書室へ向かった。
勇斗は不思議そうに首を傾げる。
その様子を、柔太朗は黙って見ていた。
帰り道。
いつもの三人で、いつもの道を歩く。
勇斗が学校であったことを話して、仁人がそれに突っ込みを入れる。柔太朗は二人の会話を聞きながら、ときどき笑っていた。
💛「そういえばさ、夏休みどっか行かない?」
🩷「行く!」
💛「まだ何も決まってないよ」
🩷「海とか?」
💛「去年も行ったじゃん」
🤍「いいんじゃない? 三人で行けるなら」
🩷「じゃあ今年も海で決まりな!」
勇斗が嬉しそうに言う。
仁人も笑って頷いた。
その横顔を見て、勇斗は少しだけ目を細める。
好きだ。
何度そう思ったか分からない。
でも、口にすることはできなかった。
今の関係が壊れるくらいなら、何も言わない方がいい。
そんなことを考えているうちに、仁人がこちらを向いた。
💛「勇斗?」
🩷「ん?」
💛「聞いてた?」
🩷「聞いてた聞いてた!」
💛「絶対聞いてないじゃん」
笑い声が重なる。
少し後ろを歩いていた柔太朗は、その二人を見つめていた。
仁人が勇斗を見るときの表情。
勇斗が仁人を見るときの目。
自分には、よく分かっていた。
たぶん、二人はまだ気づいていない。
お互いの気持ちにも。
そして、自分の気持ちにも。
💛「柔太朗、どうした?」
振り返った仁人と目が合う。
🤍「ううん。なんでもない」
柔太朗はいつものように笑った。
🤍「早く帰ろ」
そう言って、二人の隣に並ぶ。
三人で歩く帰り道。
この時間が、ずっと続けばいいと思っていた。
けれど、夏はいつだって短い。
そして、この夏が終わる頃には。
きっと、今までと同じではいられなくなる。
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コメント
4件
これは…! ドキドキ♡
うわあああっこれめちゃくちゃエモいやつだ!!😭💕 三人の空気感がもう、何年も積み重ねた「当たり前」って感じでめっちゃ好き。仁人が勇斗の「待ってる」に一瞬止まるところとか、勇斗の片想いにじわじわ気づく切なさ…。そして柔太朗、君も何か隠してるでしょ〜!?「早く帰ろ」の笑顔がもう全部悟ってる感じで心臓ぎゅってなった。 夏の終わりに何が起きるの、続きが気になりすぎるっ🍧💦