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昼食の後。ミンドリー、ぺいん、さぶ郎の3人はさぶ郎が行きたかった海辺の遊園地にやって来た。
幼い子供のようにあちこち見て興奮するさぶ郎と、こういう時は「お母さん」ではなく一緒にはしゃぐぺいん、そんな2人を見守リながら面白そうなものを探すミンドリーというのが、遊ぶことを楽しんでいる時のいつもの様子である。
「最初は観覧車じゃない?」
ぺいんの声がけで3人は観覧車に乗り込んだ。
ゆっくりと観覧車が上昇し、一番上に付く時には街中の高層ビル群が見えた。
「工事中の建物もあるけど、こうして見ると高い建物多いよね」
「お母さん、海も遠くまで見えるよ!」
「どれどれ〜」
「あ!サメがいた!」
「怖っ」
「さぶ郎。次はこれ乗らない?」
「いいですよぉ」
3人は次にジェットコースターに乗り込んだ。一番先頭にぺいんとさぶ郎が並んで乗り、その後ろの席にミンドリーが乗った。
「結構速くね?」
「あははははは」
「お母さん!屋台あるよ!」
乗り物を一通り楽しんだ3人は屋台や売店があるエリアにやってきた。
「へぇ、食べ物以外にもいろいろあるなぁ」
「お母さん、アイスクリーム食べよぉ」
「うまっ!ミンドリーも食べる?」
「じゃぁ、これにしようかなぁ」
3人はベンチに並んで座ってアイスクリームを食べ始めた。この街だからなのか、遠くでサイレンの音が聞こえていた。
「この街もなかなかに騒がしいねぇ」
アイスクリームを食べ終わったぺいんは空を見上げながらつぶやいた。
「昼間から、こんなにゆっくりしていていいのかね?」
次に食べ終わったミンドリーがその問いに答える。
「ん〜。良いんじゃないの?ゆっくりするためにこの街に来たんだし」
「それもそうか」
さぶ郎も食べ終わり、3人は他の屋台も見て回った。
「ぬいぐるみとかもあるんだ」
「お母さん、指輪もあるんだけど!」
「高っ!屋台で売るなよ!」
「ぺいん君、占いだって。やってみたら?」
「僕、占いとか結果を気にし過ぎちゃうから、やりたくないなぁ」
「さぶ郎、やってみるぅ」
占いはやってみたが、結果が英語で誰も分からなかった。
遊園地を楽しんだ後、3人は近くの卓球場にやってきた。
「さぶ郎、勝負しようぜ!」
「お母さんには負けないっ!」
二人はなかなか良い勝負をした。
「サーッ!」
さぶ郎のスマッシュが決まるとぺいんは悔しがった。
「さぶ郎の勝ちぃぃ」
「んぐっ!さぶ郎、上手くね?」
「速いのの後に、遅いのにすると、良いんだよ」
「どうやるんだよぉぉ」
「さぶ郎、次は俺とやろう?」
「あい!」
次はさぶ郎とミンドリーの試合になった。
ミンドリーはスマッシュを狙うが、さぶ郎の緩急をつけた返しに苦戦した。
「さぶ郎、うまっ」
「勝ったー!」
「ミンドリーってなんでもできそうだけど、こういうの苦手?」
「うーん。球技はバスケはやれるけど、卓球ってあんまりやった事ないんだよねぇ」
「んじゃ、負けた者同士、最弱決めようぜ」
最後にミンドリーとぺいんが試合をした。
接戦になり、わずかの差でミンドリーが勝った。
「やった事ないって嘘やん」
「本当だよぉ」
「負けたお母さんは、皆んなに飲み物奢ってください」
「それはいいけどさぁ」
ぺいんはまだ「納得いかん」とこぼしながらも屋台に飲み物を買いに行き、レモネードを手にして帰ってきた。
時間も夕方に差し掛かってきた。そろそろ街に人が増える時間だ。
3人は海に沈む夕日を眺め、レモネードを飲みながら、店への帰路についた