テラーノベル
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暗い世界でひとりぼっちの貴方はどうしますか?
暗い空間に一つ、木製のイスがポツリと居座り、貴方を待ち構えていたら?
そのイスに座り、途方もない時間を過ごしますか?
それとも、別の道を探しますか?
ですがまあ、叶いませんが
なぜかって?
貴方は招かれてるからですよ
イスに座らなきゃ物語は始まらない
さあ、座って
目を閉じて
ーーーー
茶色い木製のイスに座り、目を閉じた
数十秒経って、光が視界をおおい、眩しくなり目を開けた
公園のベンチに腰掛けていた
目蓋が重い
何時の間にか寝ていたらしい
目の前には子供が遊具で遊び、親は談笑している
嗚呼、そうだ
葬式、明日か
爺ちゃんが死んだと母から電話で知らされた
聞いたときは何も感じなかったが、こうやって時間が経つと、改めて悲しみが溢れる
だがまあ、考えてもしょうが無いか
くよくよしてもしょうが無い
「どうする?」
隣で声が聞こえた
「葬式の事。明日、葬式なんでしょ?」
女友達と男友達が訪ねる
「聞こうとしたときに寝ちゃったから、起きるの待ってたんだよ。で、どうするの?出るの?」
なにいってんだこいつら…出るに決まってる
「出るさ。そりゃあ」
そう返したが、相手の口から答えは出ない
「じゃあさ。何で無表情なわけ?」
女友達の一人が訪ねる
「無表情って…そりゃあ…その、まだ実感がないんだよ。今悲しいけど、初めて聞いたときは何も感じなかったしさ?」
「へえ」
素っ気ない返事に少し腹が立つ
「じゃあ、でなくて良い物なのか?悲しまなくて良い奴なのか?」
友人は答えた
「自分で考えれば?」
ーー後日ーー
葬式が終わった
何も感じない
虚無感がただ心を貪っていくのを感じる
葬式の時に着た服をベッドに放り投げる
「自分で考えれば?…ねえ…」
昨日の友人の言葉を頭の中で復唱しても、答えは出ない
死ってなんだろうか
生物学上は、心臓や脳が働かなくなり、呼吸ができなくなり、全ての臓器の活動が停止してやっと死んだと言えるらしい
薄情なものだ
何故、概念ではなく生物学で「死」と定義するのか
そもそも、完全な「死」って解釈は違うはずだ
なら、おじいちゃんは本当に死んだと言えるのか?
ーーーー
癒えない傷は瘡蓋のように残り、いずれ消える
消えない瘡蓋もあるが
例を挙げるなら、二次大戦の独逸の独裁者のように
瘡蓋を作る者は、世界や人の心に刻んでいく
そして、俺の心にもだ
相変わらずわからない
しかし、コレだけはわかった
「死」は存在しないと
ーーENDーー
作:ねこむすび
※:創作
コメント
15件
生物学に於ける死 ・生命を維持する臓器の不可逆的な機能停止。 哲学に於ける死 ・意識や存在の不可逆的な喪失。 仏教に於ける死 ・肉体を捨てること。 死ってやっぱムズいわ
そもそも死の概念や死の行き先って宗教によって違うよね。 天国や地獄に行ったり、終わりだったり、生まれ変わりの始まりだったり… 死という概念が固定化されたら其れこそ人間の終わりだったり?