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大嫌い女が死んだ
久しぶりに親友Aから一通のメールが来た。
「渡したい物がある。」
その日は日曜日だったから予定も空いていたし、Aにも久しぶりに話したいと思っていた。
そして学生時代にいつも行っていた店で合流することにした。
「久しぶり」
そんな挨拶を交わした後、雑談をした。
少し時間が経ったあと、
「それで、渡したい物を渡す前に少し話すね。」
私の大嫌いだった女が死んだ
そんな情報を親友Aに聞いた。
その女は無口で凛とした女だった。
それを聞いた時あまり悲しくはなかった。
その女は3年前に死んだそうだ。
「手紙を預かってるの。それを渡しに来た。」
わざわざあの女からの手紙。今すぐにでも破り捨てたいくらいだった。
「もちろんあんたがそいつのこと嫌いだってことは知ってる。当時好きだった男取られちゃったもんね。」
そうだ。その女に、私の大好きだった男を取られたんだ。だから大嫌いだった。
「私そろそろ帰るね。」
そしてAとはその日解散した。
その夜あの女の手紙を読むことにした。
どんな最低なことが書かれていても、構わないと思いその手紙を読んだ。
「〇〇へ
まずはごめんなさい。
でも誤解です。私は、あなたの好きな人Yを奪ったりなどしていません。
この話はあなたを不快にさせてしまうかもしれません。それでも良いならこの先を読んでください。
私は、Yと同じ中学校でした。その時Yは私のことが好きで、私に告白をしました。私はYからの告白を断りました。
そこからYが私に対する態度が変わったのです。
振った翌日、Yにいじめられました。学校でみんなの前で惨めな姿を見せてしまいました。当時好きだった彼に「もう関わらないでほしい。」と言われ失恋してしまいました。学校外でも、殴られたり無理やりされたりしました。力が強く抵抗なんてできませんでした。それが高校に行っても変わりませんでした。Yは私に同じ高校に行くように言い同じ高校に行きました。でもそのおかげであなたに会えました。
そしてあなたがYのことが好きだと知った時少し悲しかったけど、 Yにあなたのことを好きになってもらえるよう必死に頑張りました。でもYは私がもっと頑張ったら考えてやると言ってくれました。
あなたは私に唯一優しくしてくれたと言っても過言では無いのです。そんなあなたが大好きでした。
だからあなたのためにYの命令を頑張って聞きました。
すごいってあなたに褒めて欲しかった。
私頑張ったんだよ?すごいって褒めてよ。お願い。でもそんな願いは届かないよね。
あなたが好きになった人を最低とは思えませんでした。だから頑張れた。
全てはあなたのためなのです。って言われても分からないよね。
分からなくても大丈夫です。多分あなたが私を嫌っても、私はあなたを好きでい続けると思います。ごめんなさい。
多分この手紙をあなたに渡さないと思います。こんな私を知って欲しくないからです。
あなたの大嫌いな人より。」
涙が出ていた。
「ごめん………。本当にごめん。私も大好きだよ。」
こんな言葉を言ってももう届かない。でも言いたかった。
彼女に貰った物全ていつも使ってない家の物置きにぐちゃぐちゃにして入れていた。
すぐに家の物置きに向かった。
彼女から貰った今までの物に愛を感じた。
その中に彼女との写真が入っていた。その写真はビリビリに破かれていた。
「ごめんね…ごめんね…」
と言いながらその写真を修復しようとした。
でも修復は出来ず彼女の顔だけが無かった。
「もう顔見れないんだね。もう一度だけ…もう一度だけ顔が見たいよ。お願い会いに来て。」
と、顔のない彼女の写真に呼びかけた。