テラーノベル
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蒼玉の瞳が開いた。
ベッドから体を起こし、周りを見回す。
横を見ると燃え尽きたようにちょこんと椅子に座る花魁坂がいた。
「いやー…さすがに疲れたよ…」
心なしか痩せたように見える花魁坂に心配の声をかけると隣のベッドから眠そうな声で「うるさぁ…」と聞こえた。
声の主を見てみると守がいる。
反対を見ると矢颪がいた。
「おぁよ…しきく…ふあぁ…」
「ずっと寝てたのかよこの先公は」
「まあねぇ」
ベッドに広がる黒髪をそのままにがしがしと後頭部を掻きながら欠伸をする守に辛辣な言葉を投げつける矢颪。
(二人、元気そうだ)
この部屋にいるということは大怪我をしたということなのだろうが、二人には傷がもう見当たらない。
息を吐くと、ドアが開いたと同時にクラスメイトがなだれ込んで来た。
桃華が四季に飛び付くように抱きつき、捲し立てる様に問う。
「しきくん、おねえちゃん、いかりくん、けがない!?だいじょーぶ!?」
ぺたぺたと小さな手の平で怪我の有無を確認すると「よし!」と満足そうにベッドから降りていく。
こんなことがあったら海が桃華を窘めそうだが、海の声が聞こえなかった。
守が顔を青くして無陀野に問うた。
「もしかして、海は…もう」
「死んでない…。寝てただけなのに人聞きの悪い…」
割り込むように反論しながら海が部屋に入ってきた。
眠そうな目を擦り、「おはよう…」とゆっくり歩いてくる姿は姉である守とよく似ている。
それを見て花魁坂は「じゃ、話を始めよっか」と手を叩いた。
守が首を傾げる。
「話って…もしかしてアレ?」
「『鬼神の子』について。…あぁ、込み入った話だし、ここは五人で話そっか」
それを聞き、皇后崎が「聞きたい」と前に出た。
四季と海が頷くと、皆で話を聞くことになった。
花魁坂が明るく、けれどいつもより落ち着いて話し出す。
「まずは『鬼神の血』について、改めて話そうか」
鬼神とは鬼の頂点にして始祖。
鬼とは鬼神がばら蒔いた子種が元のため、鬼の血を引く者は全て、辿れば鬼神へ辿り着く。
その中で鬼神の血を多く継いだ存在が、『鬼神の子』である。
「それが、この場では海と四季君」
鬼神の子は九つの属性を持ち、各々海は【水】、四季は【炎】の属性を持っている。
そして鬼神の子は暴走状態と同等か、それ以上の戦闘能力を持つという。
四季が手を挙げた。
何でも、「暴走したときの方が強かった」と言うのだ。
守が茶化した。
「だって、四季君1割いけてたら良い方だよ?鬼神の力の使いこなせ具合」
今度は海が「はい」と手を挙げた。
「では、私はどうだったんだ?目覚めさせたばかりだったし、使いこなせてはいないと思う…」
花魁坂が「何言ってるの」とでも言いたげに答えた。
「使えてなきゃ、時間稼ぎのアレなんかできないでしょ」
それを聞いて海の顔が一瞬でリンゴのような赤に変わった。
あわあわと行き場のない視線を動かし続け、終いには両手で顔を覆う。
四季がぎょっと目を丸くした。
「神示!?」
「すまない…私は何てことを…。…どうか殴ってくれ!力一杯!」
「やらねーよ!?」
何があったのか分からない守や桃華などの『支部に残っていた組』は花魁坂に事の顛末を尋ねる。
聞くところによると、「危篤状態になった四季の命を繋ぐため、鬼神の力を使って少し猶予を作った」とのこと。そのためにした行動が『口移し』、つまり『キス』であった。
「あー…ね」
「うみねえ、だいたーん!」
守が納得し、桃華が頬を紅潮させて興奮する。
クラスメイトも納得していたり、顔を赤くしてキャパオーバーしていたり、悔しそうに唇を噛み締めていたり、反応は様々である。
四季はというと、固まっていた。
顔を海同様赤くし、石のように固まっている。
海がそれを見てまた慌て始めた。
「きっとファーストキスは好きな人としたかっただろうに、私はどう償えば…っ。…はっ!腹を切るか!?」
短刀を造り構えだした海を取り押さえ、落ち着かせる。
花魁坂は息を吐くと「…でね」と重々しく口を開いた。
「鬼神の子は、その強さゆえに皆若くして死ぬ」
守が俯き、「強さを命で前借り、か」と呟いた。
重々しい空気が場を支配する。
桃華ですらも皇后崎の服の裾を握り、震えていた。
その時だった。
「あのさ」
四季が口を開いた。
四季の顔は顔面蒼白で、「俺…」と震えながら口を開く。
皆が耳を傾けると、四季は唇を動かした。
「俺さ、全裸で運ばれて来たじゃん…?つまり…皆にち◯ち◯見られてんじゃん…?」
先程とは違う沈黙が場を支配した。
真澄は口の端を吊り上げて「まさか、お前が『生えて』ねえとはな」とからかう。
海が「私が運んだから…」と意味のないフォローをしたが、効果はない。
四季は「お嫁にいけない」と意味のわからないことを言いながら部屋から出ていった。
ふと、守が口を開いた。
「かっわいそー…。まぁ、見られたくはないわな…」
こんにちは、作者です。
最近マジで寒くなりましたね。寒すぎて早朝に腹壊しまくりました。でも、雪虫がもう出てこないと思うと清々します。
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#アニメ
すずめ
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@ う み .
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コメント
3件
今回も神がかってる✨海ちゃんぎゃんかわです...! そうですよね、最近温度差すごいですよね 体調気をつけてくださいね!
四季くんの「全裸で運ばれた」ネタ、これまでの重い展開から一気に空気が変わって思わず笑っちゃいました😂 海さんがあわあわしながら短刀取り出すシーンもツボです。でも「鬼神の子は若くして死ぬ」という花魁坂さんの言葉がすごく気になります…。四季くんと海さんの関係がこれからどうなっていくのか、続きがすごく待ち遠しいです!