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#命の選択
ぷち
915
カナ
49
いつも通りだったはずなんだ。
いつも通り恋人の彼と一緒にベッドに入って甘い時間を過ごして眠りに就いた。
目覚めたらきっといつも通りの部屋で、いつも通りの少し湿ったシーツに包まっていて、隣で愛しい彼がおはようと言ってくれるはずだったのに。
しかし、現実は細やかな幸せさえも許してくれなかったらしい。
知らない真っ白な部屋で糊の効いたシーツに挟まれた状態で目が覚めた。
隣を見ると恋人が寝息を立てているのが唯一いつも通りのところ。
私はとりあえず彼を起こしてこの部屋がどこなのか、どうしたら出られるかを探ることにした。
『起きて、フルーレ。なんかよくわからない部屋に飛ばされちゃってるの!』
「ふぁ…主様…?よくわからない部屋って…よくわからない部屋ですね…」
フルーレは眠たそうに目を擦りながら起き上がり、よくわからない部屋に居ることを認識した。
この部屋にあるのは今寝ているベッドと、壁際に設置されている手すりのようなものと、唯一外に繋がっていそうなドアだけ。
「全く、どうしてこんなことに…。他の執事達は何をしていたんでしょう?」
『うーん…こういう部屋って多分誰にも気づかれないように連れてこられることが多いだろうから…』
「主様はこういう部屋をご存じなんですか?」
『ネットとか小説でよくある部屋だからね…多分』
お互い寝間着のまま固くて寝心地の悪いベッドを抜け出し、ドアに近づく。
しかし、ドアは施錠されているらしくドアノブは全く動かなかった。
『…こういう部屋って条件を満たさないと出られないやつだったりするのかな…?』
「主様がご存じの部屋だったらそうなんでしょうけど…その条件ってどこにも書かれてませんよね?条件を探ることからしないといけないのでしょうか?」
『うーん…大体どこかに条件が書いてある紙とか電光掲示板とかがあるはずなんだけどなぁ…』
そんな会話をしているとドアの隙間から手紙が差し込まれてひらりと床に落ちた。
フルーレが手紙を拾い、糊付けもされていない封筒を開いて中の紙を取り出す。
私もフルーレの手元を覗き込んだ。
【立ちバックでセックスして体外式ポルチオで絶頂しないと出られない】
「えっ…え?こんなことあるんですか!?」
『いやー…ここまですごいのは見たことないなぁ…』
「他人事じゃないんですよ!?だって…あー…だからあの手すりみたいなのがあるんですね…」
『親切なのに不親切だね…』
とりあえず立ちバックでセックスするためだけに設置されたであろう手すりの端っこにぶら下がっていた説明書を開いてみる。
『昇降式なんだって』
「昇降式?リモコン?って何ですか?」
『この丸っこいやつ。矢印のマークを押してみて』
フルーレにリモコンを渡して昇降式とはどういうことか教えてみた。
「うわ!上がった!えっ、これで好きな高さにできるってことですか!?」
私が頷くと、フルーレは真剣な様子で自分の身長に合った高さに調節し始める。
「これだとちょっと高いかな?このくらい…いや、もうちょっと高く…?」
男の子はどの世界でもこういうメカとか好きなんだなぁと思っていると、丁度よい高さを見つけたらしいフルーレがにこやかに手を差し出してきたのでその手を取って立ち上がる。
「主様!丁度いい高さになりました!…えっと、でも…立ちバックでって…嫌じゃないですか?」
丁度いい高さを見つけたのはいいものの、今まで考えたこともない体位でセックスすることに対して若干の抵抗感は拭えないらしい。
『大丈夫。フルーレだから嫌じゃないよ』
そう言うとフルーレはあからさまにホッとした笑顔を浮かべた。
甘えるようにフルーレの背中に腕を回すとぎゅっと抱きしめ返してくれる。
「主様には絶対に嫌な思いはさせませんから!だから俺のこと信じてくれますか?」
『うん、信じるよ。フルーレは私に嫌なことしないって知ってるから』
そう言うとフルーレは一層強く私を抱きしめてから頬にキスをしてくれた。
それを合図にフルーレの手がネグリジェを捲り上げて繊細な指が私の肌を撫でていく。
「このナイトブラ、着け心地はどうでしたか?」
『え?えっと、着けてるの忘れてた…』
「そうですか!それくらい着け心地が良かったんですね!嬉しいです!…でも今からセックスするなら邪魔になるので脱いじゃいましょうね」
フルーレの手が一度ナイトブラから離れて首元のリボンを摘まんだ。
しゅるりと衣擦れの音が響いてリボンが解けると襟が緩んで肩からネグリジェが落ちていく。フルーレの手が床に落ちる前にネグリジェを受け止めて頭から脱がしてベッドに放る。
「ここから出た時に着る物がないと困るかもしれませんからね。汚さないようにしましょう」
『そうだね…。どこに飛ばされるか分からないのは不安だしね』
「…えっと、俺も脱いだほうが良いですよね。主様だけ脱がすのは不公平ですし…」
フルーレは目の前で寝間着の黒いシャツとズボンを脱いで下着一枚になる。
服をベッドに放ると、フルーレはちょっと恥ずかしそうに私のナイトブラに手をかける。
「…主様、万歳してください」
『うん…』
肌への刺激を出来るだけ軽減したいからとホックにせずにゴムで私の体にぴったりとフィットするように作ってくれたナイトブラは着脱の時にちょっぴり手間がかかる。それでも身体を重ねた後は私が眠ってしまっていてもフルーレは毎回私にナイトブラを着けさせて寝かせてくれていた。毎回身体を拭きあげて服も着せてくれるフルーレのそんなところに愛情を感じて胸がこそばゆくなる。
お揃いで作ってくれたショーツも脱がされてベッドの上には脱ぎ散らかされた服が積みあがった。
いよいよセックスするんだという時になってフルーレは言いづらそうに私を後ろから抱きしめながら囁く。
「あの…体外式ポルチオって、お腹を押し上げて快感を得られるっていうプレイで合ってますよね?」
『え?うん、そうだけど…』
「俺、あんまり詳しくなくて…主様を気持ちよくしてあげられるか不安で…」
『私もそんなに詳しいわけじゃないけど、フルーレなら大丈夫だよ。きっと達成できるよ!』
「そ、そうでしょうか…自信は無いですけど、俺、頑張りますね!」
フルーレは胸とお腹に回していた両手を動かして胸の膨らみを優しく揉んでいく。
自分の手よりも一回り大きな手で胸を揉まれるとフルーレも男の子なんだな、と感じる。私よりもよっぽど綺麗な手をしているのに内側は剣ダコができていたり、針や鋏を使う時にできたのであろう皮膚が固くなった部分があったりして、働き者の手だと感じる。そんな繊細で強い手が私の肌を優しく撫でていくのが心地よくて、いつもフルーレに触れられている時間が大好きなのだ。
立ったまま、後ろから、という状況に興奮してくれているのかフルーレの手つきはいつもより少しだけ荒っぽくて、固くなった乳首を細い指先で押しつぶしてくる。いつもなら焦らして焦らして乳首を触るのは私が強請るか胸だけでイキそうな時だけなのに、今日は私が強請らなくても触ってくれる。フルーレもなんだかんだ言ってこの状況に興奮してくれてるんだなと思うとこんな部屋に閉じ込められたのも悪くない気がしてきた。
手すりを掴んではしたなく喘ぐ私の足元には秘部から垂れた愛液が水たまりを作っている。
早くもっと気持ちよくなりたい、そんな私の腰にフルーレの熱が押し付けられてフルーレもまた興奮してくれているんだと認識して腹の奥がきゅんと疼く。ついでに舌の口から垂らす涎も増えていく。
フルーレの右手が私の秘部に触れると、ぐちゃりと湿った音が響いて恥ずかしくなる。胸だけでこんなに濡らしてはしたないって思われないだろうか?
私が心配になってフルーレを振り返ると、フルーレは左手で私の顎を掴んで固定し唇を重ねてくる。
『んぅ!?』
いきなりのキスに驚いて口を開けるとフルーレの舌が私の舌に絡みついて秘部を弄る手と同じくらいの水音を立てて濃厚に口づけられる。
「はぁ…すみません、主様…俺もう我慢できそうにありません…」
唇を離してそう囁くフルーレの赤い顔のなんと色っぽいこと。私はそんなフルーレの蕩けた瞳を見て自ら唇を重ねた。
『フルーレ…欲しいの、お願い…』
「主様っ…挿れますからね、強請ったのは主様なんですからね!」
フルーレはそう言うと私の腰を持ち上げて、はしたなく涎を垂らす下の口にペニスがねじ込まれる。一応指で慣らされたナカはフルーレのペニスを歓迎してむしゃぶりつくように奥へ奥へと誘った。
身長差で足がぎりぎりつかない状態で貫かれて、自重でいつもよりフルーレのペニスが奥に届いている気がする。
他の執事と比べたら細くて華奢に見えるフルーレであるが、私の体重の殆どを細腕で受け止めて揺さぶってくる。奥をぐりぐりと抉るように動かれて私はあっけなく達してフルーレを締め付ける。しかし、フルーレは止まる気配を見せず、イって敏感になってきつく締まる膣内を強引に往来し、私を絶頂から降りてこられないようにするかのように犯した。
イキすぎて泣きながら喃語の様な母音しか紡げなくなった私の口に舌をねじ込んでフルーレが私の腰を固定して奥にどくどくと射精した。
「はぁ…はぁ…すみません、体外式ポルチオするの忘れてました…」
『はぁ…そういえば…そっか…もう一回する?』
「すみません…もう一回しましょう」
両手で腰を掴んでいた手が離れて、右腕で腰を抱えて左手でポルチオを押し上げるようになる。
細い片腕だけで私の体重を支えられるか少し不安になったが、ナカと外からポルチオを押し上げられてそんな心配も霧散してしまう。私は何度も絶頂を繰り返してフルーレを締め付けた。そして、フルーレも何度か私のナカに射精した。汗だくになりながらセックスに耽っていると、私が絶頂したタイミングで鍵の開く音がした。
がちゃん
『…っん、もう…終わり…?』
「はぁ…はぁ…そう、ですね…腕も疲れてきましたし、ちょうどよかったかも…」
フルーレはそう言っているが私のナカから出て行く気配を見せない。
『…フルーレ?もう出られるんだよね?』
なかなか下ろしてくれないフルーレを振り返って見ると、荒い息を吐きながら完全に理性を失った瞳と視線がかち合う。そこでフルーレがまだ私を離すつもりが無いことを悟った。
『…フルーレ…?』
「立ちバックなら屋敷のどこでもできますね。主様の乱れた姿を誰かに見せるのは嫌ですけど、見られるかもしれないっていう背徳感は悪くないでしょう?いつでもセックスできるように脱がしやすい下着を作りますから、またしましょう」
フルーレはいたく立ちバックでセックスするのを気に入ったらしい。
あと一回だけ、そう言いながら再度揺さぶられ始めて私はあとどのくらいしたら出られるのかな、とぼんやり考えるのだった。
コメント
3件
うわっ、最後まで一気に読んじゃいました…!(笑) フルーレ、最初は戸惑ってたのに、立ちバックの高さ調節で目を輝かせるところ、めっちゃ可愛かったです。でもその後のギャップがもう…「主様の乱れた姿を誰かに見せるのは嫌」からの「屋敷のどこでもできる」発想、フルーレの執着心が滲み出ててドキドキしました。 あと、ナイトブラを「着けてるの忘れた」って言うヒロインに対して「嬉しいです!」って喜ぶところ、フルーレの健気さと匠の自負が混ざっててすごく良かったです。鍵が開いた後の「もう一回」の流れも、自然で納得の展開でした🌙