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できなくなってしまい
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投稿していきます🙇♀️😭
なつには恋人がいる。
いや、「いる」というより、
“いつも誰かが隣にいる”と言った方が
正しい。
女の子の手を握って笑う日もあれば、
男と肩を組んで帰る日もある。
でも半年続く相手なんていない
なつ自身も理由がわかっていない。
「……愛って、なんなんだろうな」
ある夜、なつがぽつりと呟いた。
消えかけた街灯の下、
白い息がふわっと揺れる。
「またそんな顔して。…また別れたの?」
隣に立ついるまは、
いつもと同じ落ち着いた声で尋ねる。
幼い頃からの相棒。
なつが転んだら膝を拭いて、
泣いたら黙って隣に座ってくれた人。
「わかんなくてさ。好きって言われても、
胸がぎゅってなんないし…
逆に俺が『好きかも』って思っても、
次の日には冷めてるし」
「……なつはさ、無理して“わからなきゃ”
って思いすぎなんだよ」
いるまはそう言いながら、
なつのフードを直してやる。
「でも俺、知りたいんだよ。
“愛してる”の意味。
俺にも、誰かに向ける愛情が
あるのかどうか」
なつの声は少し震えていて、
いつもより弱い。
いるまは喉の奥がきつくなる。
本当は言いたい。
──なつの「わからない」は、
全部俺に向けてくれればいいのに。
だけど口にはできない。
なつには恋人がいる。
なつは自分が選んだ人たちと関係を
築こうとしている。
だからいるまは“相棒”として
横にいるしかない。
「なつが迷うなら、俺が隣で一緒に
考えればいいんじゃね?
相談ならいくらでも乗るし」
「いるまはさ、なんでそこまで…」
「相棒だろ?」
たったそれだけ。
けれど、いるまの胸は苦しいほど
痛んでいる。
なつは知らない。
いるまの“相棒”という言葉に、
どれだけの想いが詰まっているのか。
なつは知らない。
誰と付き合おうと、最後は自分のところへ
戻ってきてしまう理由を。
いるまが自分に触れられないように、
必死で距離を守っていることを。
だって──
いるまが手を伸ばせば、
なつが壊れてしまう気がするから。
だけどそれ以上に、
手を伸ばしたら自分が壊れてしまうのを、
いるま自身が一番よく知っていた。
ー
「……なんで俺じゃ、ダメなんだろ」
ぽつ…と涙が落ちる寸前の声だった。
なつは街灯の下で立ち止まり、
手の甲で目元をぐしぐしこする。
泣くのは嫌だ。
でも、涙腺は言うことを聞かない。
その横で、いるまはほんの一秒だけ
息を吸い込み…ゆっくり、迷いながら
手を伸ばした。
「なつ」
呼ぶ声がいつもより低い。
指先が、なつのこめかみから髪へ、
そっと触れた。掴まず、撫でるだけ。
触れられているのか迷うほど優しく。
なつはビクッとして顔を上げる。
「っ……なんで、ッ…」
声は震えていた。
涙もこぼれそうで、頬の熱が夜に溶ける。
「…お前のことならなんでも
お見通しだっつーの」
いるまの言い方はすごく簡単で、
すごく真剣で。
その指先は、涙の出る少し上の場所を
ゆっくり撫で続ける。
なつは泣きたくないのに、
その優しさで逆に胸がいっぱいになって、
涙がにじむ。
「……いるま、さぁ。
なんでそんな、優しくするの……?」
「こうでもしないと
すぐ壊れそうだから?かな」
ポロッと涙が落ちた瞬間、
いるまの手が髪から頬の横に滑り、
親指でそっと涙を拭う。
「泣いていいよ。
俺しかいないから、」
なつは涙を止められないまま、
いるまの胸に額を寄せる。
寄せてしまう。
本当は寄せちゃいけないのに。
いるまは抱きしめない。
抱きしめたら終わると知ってるから。
ただ、髪を撫でる手だけは離さずにいた。
「……なつ」
名前を呼ぶ声は、
泣き声よりも切なかった。
ー
なつは弱い。
そして誰よりも、誰よりも…
愛に飢えてる。
わかってた。
昔、俺となつが付き合ったときに、
嫌というほど。
俺が少し返事を返すのが遅いだけで、
“嫌われた?”って怯えて震える。
デートの予定がズレるだけで、
声がガラガラになるまで泣く。
「俺のこと、もう愛してないの?」
その一言を聞くたびに、胸がちぎれた。
たぶん、あの頃のなつは俺に完全に
依存してた。
俺が連絡を返さないと息が乱れて、
俺が隣にいないと不安で倒れそうに
なって。
そして——
俺が“逃げ道”を知ってるから、余計に。
初めて誰かに奪われそうになって
泣いたなつを、俺が抱きしめてしまった。
初めての安心も、優しさも、温もりも、
俺が与えてしまった。
だからなつは“愛”を全部俺基準で
測るようになったんだ。
・返事はすぐに
・メンタルケアを怠らない
・触れてないと涙が出る
・「好きだよ」って聞かないと眠れない
その全部に応えようとして、
でも、“すぐに”だけはできなくて。
飲食店の忙しい夜はスマホを
見る暇もない。
皿洗いで手がふさがって、
なつの不在着信に
気づけなかった日も あった。
その度に、なつは壊れていく。
俺のせいで。
だから、あれは…
“振られた”んじゃない。
“俺が振った”んだよ。
なつを苦しめたくなかった。
なつの首を締めていたのは、
まぎれもなく俺だったから。
でも——
手放せなかった。
完全には。
別れたあとも、
俺は連絡を絶ったりしなかった。
できなかった。
なつはひとりじゃ立てない。
ひとりにすると消えてしまいそうで。
なつが別の誰かに「好きかも」
って言う日も、
その誰かに寄りかかってる瞬間も、
全部見てきた。
苦しいのに。悔しいのに。
それでも側にいたのは、
俺がいないと“あの頃のなつに戻る”って
知ってるからだ。
だから役割を変えた。
恋人じゃなくて、相棒。
抱きしめる男じゃなくて、頼られる友達。
愛を求められたら、
静かに受け止めるだけの存在。
自分の気持ちに嘘をつき続けて、
なつの隣に立つことを選んだ。
──本当は今でも、
なつの初めてを奪ったのも
なつを泣かせたのも
なつを一番知ってるのも
全部“俺”であってほしいのに。
なつは涙目で笑う。
「いるま、いつもありがと」
そんな顔されたら、また胸が痛くなる。
それでも俺は言うしかない。
「ん、当たり前」
本当は、
また抱きしめたいと思ってるのに。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
X凍結されてしまってアカウント消しちゃったからログインできなくなったの
ほんまにうつ。
コメント
4件
えぇえ!!!まじですか😢😢 頑張ってください😖🔥
それは災難ですね、また見ます!