昇降口を通り過ぎ、渡り廊下についた。
登校時間に、ここを通る人は少ない。
「あの、 音井(おとい)さん? 話って……」
「…………」
振り返った音井さんの眼光は鋭かった。
イヤ……。
この感じ、ダメ……。
「もう学(まなぶ)と一緒にいるの、やめて」
「ど、どうして……?」
「学が不幸になる」
「あんたは、未来のことを考えた?」
「考えて、学も一緒にいろんなことをしようって……」
怖いけど、力を振り絞って返す。
「考えてない。自分が死んだ未来のことを考えてない」
「えっ……?」
どうして、そのこと……
「一緒にいた分だけ、学が苦しむ」
「思い出ができただけ、学は傷つく」
「…………」
「偶然、学と話しているの聞いたのは悪いと思ってる」
「でも、もう学と一緒にいないで」
「学のこと……」
「不幸にしたら怒るから」
音井さんは、私のわきを通り抜け*************
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