テラーノベル
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海月翠
そこら辺に落ちてるいちご
ロアメにしては珍しく甘めです
伏せ字をしているので読みづらいかもしれません
アメ→Ame
ロシ→Rus
煙草が出てきますが、作者は煙草に吸ったことや触れたことはありません
全て小説や漫画、ネットの知識で書きました
本作品に政治的意図は一切ありません
実在の国・人物・歴史とは関係のないフィクションです
全て作者の想像による創作です
特定の国や人物を貶める意図はありません
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Ame side
会社の休憩時間、俺はとある場所に向かう
そこは会社の中でも分かりにくい位置にあり、他国が来ない
何故、いつも誰かしらと一緒に居る俺がわざわざ1人になる場所に行くのか
その答えは単純、理不尽な目にあった
ただ、それだけだ
普通の俺であれば、他国に愚痴ったり、構ってもらったりするが、今回のはそうはいかない
何度反論しても、強引に押し通され、終いには俺の矜持も傷付けられた
もちろん、他国は心配してくれた
「大丈夫でしたか…?」「あれは我でも理不尽だと思うアルよ」「あれはないな、アメリカには何の非もないであろうに」
普段は憎まれ口を叩く国まで、そう言ってくれた
それは純粋に嬉しかった
嬉しかったが、それは俺の弱い部分を晒すを促す行為でもあった
だから、一言「心配してくれてありがとな、でも大丈夫だ!」と若干俺らしくなかったかもしれないが、そう伝えてここまで逃げてきた
薄暗い廊下を通り、目当ての場所に着く
そこには、“喫煙所”とだけ記されたすこし古ぼけた看板があった
俺は煙草を取り出しながら扉を開け、中に入る
すると、青い空が広がる
そう、此処は喫煙所でもあるが、外に繋がる屋上でもあった
風が吹き、俺を通り抜けたそのとき
Ame「っ!?」
煙草の匂いがした
それはすなわち、他の国が居ることを意味する
ドア付近から離れ、少し歩くと
Ame「…Rus」
そう、Rusが手すりにもたれかかりながら煙草を嗜んでいた
まさか、他の国が居るだなんて思わなかった
Rus「Ame…」
Ame「まさか、こんな所にお前が居るだなんて思わなかったぜ」
Ame「もしかして、迷ってここに辿り着いたりして」
Rus「なわけない、ただ一服しにしただけだ」
Rus「Ameこそ、珍しいな」
Rus「一人でこういう場に来るだなんて」
Ame「……ヒーローだって、休みたいときくらいあるもんさ」
まじで、痛いとこ突くなよな
そう思いながら煙草を箱から取り出し、ライターで火を付けようとするが…
Ame(上手く付かねぇな)
2、3回やっても火は現れない
ライターの燃料は補充したばっかだから、きれたなんてことはないはず
更にカチッカチッと、2回くらいやるが付かない
それを見兼ねたのか、Rusが急に近づいてきて
Rus「……これで火は付いただろ」
Rusが咥えていた煙草で、俺の煙草に火をつけた
俗に言う、シガーキスってやつ
Ame「……お前、そういうの気にしねぇーのかよ」
Rus「逆に、お前は距離感を気にしないのか」
Rus「よく他の国に、挨拶と称して抱きついたりしてるのとか」
Ame「俺はそういう文化だ」
Rus「ここは多様性の場だが?」
Ame「なら俺の意見も尊重されるはずだな」
Rus「あー、分かった、話にならねぇやつだ」
Ame「まぁ、火をくれたことには感謝してやる」
こいつに貸しができたと、心の中で舌打ちをする
そして、それ以降はしばらく無言で吸い続ける
その無言の時間が妙に心地よかったってのは、気のせいだよな
そして数分経って、俺が2本目、Rusが3本目の中盤辺りに差し掛かったとき
Rus「お前…何かあっただろ」
Ame「あ?何でだよ」
Rus「そのままの意味だ」
Rus「Ameらしくねぇって意味」
Ame「別に、何もねぇよ」
Rus「どうだか」
そうだった此奴……たまに怖いくらい鋭いときがあるんだった
くそっ、あのときRusは席を外していたから、大丈夫だと思ったのに…
Rus「なぁ、Ame」
Rus「俺はお前に火を与えた」
Rus「だから話すくらいは、してくれてもいいんじゃないのか」
なんて、愉しそうに笑うRus
……この策士野郎め
Ame「チッ……分かったよ」
そして、俺はさっきあったことを話した
最初はぽつりぽつりと話していたが、段々怒りが込み上げてきて、途中からは感情的に話していた
そして俺は……
Ame「もうっ……全て忘れたい…っ」
泣いていた
こんな醜態を晒す、しかも相手は因縁のRusだなんて
普段であれば、絶対にありえない
だが、一度話し始めたら止まらなくなり、そんなことはどうでも良くなった
あぁ、だめだ
明るいが取り柄の俺の像が、崩壊する音が聞こえてくる
よりによって、そんな姿を見られるのがライバルだなんてな
Rusは…何を言うのだろう
全てを話しきり、Rusの反応を伺う
すると、Rusは俺に近づき、抱きしめて
Rus「……よく、頑張ったな」
その一言だけ、俺に伝えた
肺が煙草の苦い匂いで満たされる
苦しいはずなのに、それが心地よくて嬉しかった
そして、Rusが俺から離れる
Rus「Ame」
俺の名前を呼び、煙草を吸う
吸った煙を、俺の前に吹きかける
あぁ、これは…
Rus「後悔は、絶対にさせない」
“今日のこと、忘れさせてやる”
Ame「……本当だな?」
Ame「出来なかったら、許さねぇからな」
すると、了承してもらえるとはおもっていなかったのか、Rusは驚いた表情をしていた
お前から誘ったくせに
そして、ふっと俺に向けるには相応しくない、優しい表情で
Rus「あぁ、絶対に」
嬉しそうに、そう応えた
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