「あああああああああ! また!」
日和は勢いよく身体を起こし乱れた髪を抑え込むように両手で頭を抱えた。
また夢であの男にイかされた! 夢なのにこんなにハッキリ覚えているなんて。ショーツが冷たい。濡れてる……
(夢の妄想で下着濡らしてるとかもう私変態じゃない……三十歳でこれって……)
「ヤバすぎる!!!」
ガバッと勢いよく布団から抜け出しスマートフォンで検索ページを開いた。
【東京 結婚相談所】
ズラリと出てくる検索ページに目が霞む。
(お、多すぎでしょぉおおお!!!)
とにかく今日営業しててなるべく入会金が安いところを探した。
三十歳でたった三ヶ月しか付き合ってない彼氏に振られ、そのうえセックスしても痛いだけの不感症。だけど夢の中のエッチでは気持ちよくてイッちゃいます! なーんて我ながらやばい女としか思えない。
不感症でセックスはしたくないけど結婚もしたいし、子供だっていつかは産めるのであれば、産みたい。産みたいけれど高齢出産までのカウントダウンはもう始まった。のんきに振られてリアルでセックスしなくていいや~って喜んで、夢でしか知らない男にイかされてる場合じゃない! 子供はリアルな現実でセックスしないと出来ないのに!
「もうここに決めた!」
【ハピフルコネクトライフ】あなたの幸せの援助をします。
迷うことなく日和は当日予約のボタンを押し、急いで身支度を整えた。
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