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「帰ってきたぁ!ん〜ッ!はぁ!なんか…疲れたね…」
わざとらしく伸びをする砂鉄
荷物を床に置いて、ダイニングチェアに腰をかけた。
これからどうしようか。
「チョモ。明日は検診だから、病院ね 」
「あー、そーいやーそうだったね」
なんだか意識が遠さがる気がするのは気のせいだろうか。
椅子に座って天井を眺める。
天井が歪んで、黒い靄のような模様がみえる。
おかしいな、
じわじわと横腹が痛んで、痛みが増す毎に意識が遠さがる。
(砂鉄なんの話ししてんだろ)
身体中の力が抜けて、ついに意識を手放した。
砂鉄side
「明日の検診は長引くだろうね〜、1回検診すっぽかしたし、めっちゃ怒られそうじゃない?笑笑、あの薬、効いてるといいけど。
どうだろうねぇ、……チョモ?」
人気がなくなった気がして、チョモが座ってるダイニングテーブルの方を見た。
天井の方を向いて、目を閉じている。
(疲れてるのかな?)
無理は無い。
「チョモ、寝るならベッドで寝れ……ッ!チョモ?」
状況が分からない。
いつも以上にチョモの肌が白い。
唇の色がほとんどない。白に近い。
手の爪の色が紫だ。ノイローゼ?
なんで、こんなに冷たいんだ?
「ッ!!!!!」
とりあえず救急車だ。いや、まて、あれだけネットを騒がせて、バレないか?
いや、そんなことを考えてる暇は無い。
一刻を争う。
すかさず携帯をポケットから取り出し、救急車を呼んだ。
こんな時にネットが頭をよぎるのが腹立たしい、
ツケが回ってきたとしか言いようがない。
チョモside
「ごめんね…チョモ、」
謝罪する母の声。
「なんでこんなこしたんだよッ!!!!!」
「金稼ぎに使うためにッ!産んだって言うのか!!!!!」
「違うのッ!」
「何が違うんだよッ!!!!!」
「ご丁寧に高画質カメラまで買って!」
母に激怒する自分の声。
そんなに怒ったって、意味ないのに。辞めやしないのに。馬鹿は変わらず馬鹿なままなのに。
そんなに怒ったって、感情の無駄遣いだよ。
そんなバカにお前の感情使わなくていい。
どうせもう、全部壊れたんだ。
実の母の傲慢さ、浅はかさには心底うんざりした。絶望した。出来れば早めに死んで欲しいと願う程だった。
その願いはまもなくして叶った。
あんなの、この世にいていいわけない。
かと言って、あの世にいていい訳でもない。
行くあてもなく彷徨い続けて欲しい。
僕らと同じく苦しみを抱いて、どこにも行けずに。
「チョモッ、」
声が聞こえる。
ピッピッピッピッピッピッピッ
不協和音を奏でる電子音。
口の周りに違和感があった。
(病…院?)
「チョモ!起きた?わかる?砂鉄!聞こえる?」
慌てている砂鉄の声だ。
声を出そうとするが上手く出ない。
今さっきの母の声は、夢だったんだ、
やっと気付いた。
「さ…てつ…、 」
自分のくぐもった声が病室に響く。どうやら酸素マスクをつけているみたいだ。
体はこんなにも重たいのに、頭はいつも以上にスッキリしていた。
「…起きられましたか?」
担当医の姿が見えた。
コクっと頷くと、
「定期検診に来られないからこんなことになったんですよ」
ニコニコ笑顔で怒りの感情を丸出しにするので、何も言えない。
「すみません…っ」
砂鉄か代わりに謝ってくれた。
「まぁ、復讐、果たせて良かったですね。1年前からどこかで見たことあるなと思っていたんです。貴方だったんですか。鈴木さん。敢えて名前は伏せますが、今まで本当に災難でしたね」
デジタルタトゥーは拭えない。いつまでも残り続ける。
僕は僕の意思じゃないところでタトゥーを彫っていたって言うわけだ。
担当医の同情も今は頭に入らない。
余命宣告を受けてから、朝目が覚めると、あの頃に戻りたいと思うようになった。
何も知らずに、ただただ楽しく毎日を過ごせればそれで良かった、あの頃の僕たちにそれ以上の幸せなんてなかった。
復讐ってほんとにあれで良かったんだっけ、
凛子はルーに殺されて、僕と砂鉄の人生は狂って、
アイツさえいなければ、フツウにシアワセだった筈なのに。
ルーは懲役10年らしい。
10年後、僕は確実に死んでる。
本当の復讐を果たせないまま僕は死ぬ。
ルーにこの苦しさを味わわせるにはどうすればいい?
10年籠に閉じこもるだけじゃ足りない。
もっと痛みつけて、締め付けないと気が済まない。殺してもいいくらいだ。
……
あ、そうか、もういっそのこと、
文章力皆無すぎ。
読みづらいですよねごめんなさい。