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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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昔々、あるところにシンデレラとその両親が幸せに暮らしていました。

しかし、シンデレラの母は病気で死んでしまい、可哀想だと思った父は、継母とその姉たちを連れてきました。

けれどもその継母と姉たちはシンデレラに意地悪をしてきます。

さらには父も亡くなり、シンデレラはとても辛い日々を送ることになってしまいました。

ある日のこと、シンデレラはいつものように両親の死を嘆いていました。

「お母様……なんで私を置いていってしまったの……?お父様……寂しいわ……」

そこへ意地悪な継母がやって来て言いました。

「シンデレラ、何をしているの?早く家事をしなさい!それと、この靴下とこの洋服も洗っといてちょうだい!」

こんなに悲しい思いをしているのに、継母は構わず命令ばかり。シンデレラの中で何かがプッツリと切れました。

「自分でやれやこのババア!こっちは親亡くして泣いてんだ!」

「え、?え?!?し、シンデレラ……?!」

今までと別人のように怒鳴るシンデレラに、さすがの継母も衝撃が隠せません。

「いたわれこのババア共!」

けれども継母とて黙ってはいられません。親としての威厳を保とうと必死に怒鳴り返します。

「どうしたのよ?!というか私に対してなんて態度なの?!信じられないわ!」

「はー……なんでもかんでもお前らの言う通りになると思うなよ!」

「何よ……シンデレラのくせに生意気ね!!こんなに態度が悪いなら、舞踏会には絶対に行かせないわよ!」

「は?お前ら私が居ないとなんの準備も出来ないくせに何威張ってんの?逆だよぎゃーく。私がお前らを行かせてや・る・の!感謝してひれ伏せよ」

「な、なんですってぇ!?私が母よ?!子供は母の言うことに従うのが当たり前なの!」

継母が言うと、シンデレラは鼻で笑って言い返しました。

「お前と私血繋がってねえから」

「なっ……!」

それでも継母は負けじと言葉を返します。

「でもアンタの父が私を連れてきたのよ?なら母親の権利は私にあるの、早く家事をしなさい!」

「権利?私立派な大人ですが?もうお前らに従う意味無いんだよ」

「わっ、私よりは年下じゃない!なんてわがままな子!信じられないわ!」

「精神はお前らより上だよ。赤ん坊みてぇにギャーギャー騒ぎやがって、親の腹からやり直せクズが」

「は、はぁ!?こんなこと言って許されるとでも?!」

「逆に許されないとでも?」

「私に逆らっている時点で許されるわけないじゃない!」

「誰に許されないって?お前らに許されても何も意味ねえからいらねえよ?」

「アンタ……良い加減にしなさいよ!!私には娘もいるのよ?こんなこと言って、娘たちも許すと思ってるの?」

「だからババアは耳遠いな。お前らの許しなんて無意味って言ってんだよ」

「耳は良いわよ!だいたい母に向かってその口は何よ?!躾をしないといけないようね」

「じゃあちょうど針と糸あるし、お前らの口縫い付けとくわ」

「なんて恐ろしい!!サイコパスすぎるわ!」

「嫌なら黙れクズが」

「こうなったら仕方ないわね!いでよ、娘たちよ!」

「はいお母様!」

継母が呼ぶと、彼女の娘たちが部屋に入って来ました。

「うわ、あのブサイクなおばさん達だ」

「なっ、アンタなんなの!?」

「姉に対して口が悪いわよ!」

怒りで顔を真っ赤にしている娘たちに向かって、継母は命令します。

「いい?あなた達、このシンデレラの態度が気に食わないから、大人しくなるまで躾なさい!」

「「分かりましたわお母様!」」

「ちょっとお前らは口出すなよ。針と糸で目と口縫うぞ」

「やれるものならやってみなさい!」

「流石は私の娘ね!」

これで形勢逆転かと思いきや、シンデレラは無言で針に糸を通しました。継母が怯えたように叫びます。

「ほっ、本当にやる気だわ、このグレデレラ!!!」

「そんなわけないじゃない!」

「アンタいい加減にしなさいよね!」

「こっちからにしよっと」

シンデレラは一切物怖じせず、拳を振り上げた二番目の娘の肩を掴みました。

「えっ?」

「チクチクチクチク――はい完了」

「んーっ!!」

「いやちょっと、何してんのよ!?」

「見ての通りだけど?」

「アンタねぇ――」

「おいババア、お前もやられたいか?」

「ハイ、スミマセンデシタ」

シンデレラがしたことに完全に恐怖を抱いた継母は片言でそう言うのがやっとでした。

「え?ちょっと??」

「ナンデモナイデス。イイナリニナリマスノデユルシテクダサイ」

「え??」

一番目の娘は母の手のひら返しに驚くことしかできません。それに構わずシンデレラは続けました。

「私縁切るから。じゃーなババア共」

「サヨウナラ」

「金輪際私に近づくな」

「ワカリマシタ」

シンデレラが部屋を出ていくと、一番目の娘は緊張の糸が切れたようにその場に崩れ落ちました。

「シンデレラ、なんて恐ろしい子なの……!」

「……私が、最初からあの娘の本性に気づいていれば良かったんだ」

継母が恐怖と絶望に満ちた表情で呟きます。

「お母様は悪くないわよ。私達だってあの娘に反抗されるとは思わなかったもの……」

「んーっ……」

「……そうだね」

継母はシンデレラに洗わせるつもりでいた洋服を床から拾い上げました。

「さぁまずは、洗濯の仕方からアンタたちに教えないとね」

「はい、お母様」

こうして継母達は今回の件を機に人が変わったように家事をするようになったそうです。

Crazy tales 〜ノベライズ版〜

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