テラーノベル
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室長達が私を囲んで話し合っていると、ドアがノックされて元気な声が聞こえてきた。
「ベリアンさん!夕飯の支度終わったんですけど、食べられますか?」
「ロノ君!もうそんな時間なのですね。昼食の時間にはどんなに声を掛けても反応が無くて諦めましたが夕食は食べてもらわないと流石に良くありませんよね。主様、起きられますか?」
私は慌てて涙を拭いて起き上がる。ベリアンは私にスリッパを持ってきて履かせると、まだ顔を合わせていない室長達に挨拶をするように言った。
「ルカス・トンプシーと申します。医療係と交渉係をしております」
「ベレン・クライアンだよ。これからよろしくね」
「カワカミ・ハナマルだ。執事らしくはないけど頼りにしてくれよ」
3人に頭を下げられて私も名乗って頭を下げた。
『黒妓と申します。…えっと、ご迷惑ばかりかけてすみません…』
「その件についてお話ししたいことがございます。夕飯を食べながら聞いていただけますか?」
ベリアンがそう言って私を部屋から連れ出した。室長の皆も私の後に続いて食堂に向かう。何か重大なことを話されるのだろうか?もしかして、力の開放に倒れる以上のデメリットがあったりしたのか?私が色々考えながら食事が用意された席に座ると、室長達は私をテーブルを挟んで見下ろしてくる。いい雰囲気とは言えなくて、気まずい。
「…本当はこんなことは言いたくないんだけど、どうしても伝えなくてはいけないことだから…ちゃんと聞いてほしい。いいかな?」
ミヤジが最初に口を開いて、言いにくいことを伝えられることは察した。
「簡潔に申し上げますと…主様は、主様として相応しくありませんでした、ということになります」
ルカスが続けて言葉を並べる。主様として相応しくない…?それはどういうことだろうか?
「その…つまり…主様は力の開放すらできませんでした。開放してもらった時の力がみなぎる感覚がしませんでしたから、本を光らせる力程度しか主様にはないということです」
今朝の練習で力を開放したはずのハウレスから、一人の力も開放できなかったことを告げられた。…なにそれ、私何の役にも立ててないじゃん。
「こんなこと初めてなんだよな。こんな役立たずで元の世界にも戻れない主様なんてさ」
ハナマルが言う通りだ。誰の力も開放できなくて、主様としての仕事が何一つできない私なんてお荷物でしかない。私は…どっちの世界でも居場所がないんだな。
「ベリアンから聞いたけど、主様は元の世界で弟妹を育てるためのお金を身体で稼いでたんだよね?それならこれからの生活も元の世界と変わらないから、主様なら大丈夫だよね?」
そう、ベレンの言う通り、ベリアンは私は慰み者になるくらいしか使い道がないと言っていた。それに今までずっと身体を売って稼いできたんだ。今更誰と寝ようが何も感じないし、私にできることは何でもいいからやりたかった。
『…私にできることは何かありますか?殴られるのも抱かれるのも慣れているので、ストレスの発散くらいの役には立てるかもしれませんけど…』
私がそう言うと、ベリアンがにこやかにそれを肯定する。
「えぇ、主様としての仕事ができないのであれば慰み者にでもなっていただくしかありません。皆さん過酷な天使狩りと無理難題な依頼で疲れ切ってストレスも溜まっていますからね。私達に癒しを提供するのもある意味主様の仕事なので、その点だけは評価できますね。どうですか?最低限の衣食住は補償いたしますから「執事達を癒す」お仕事をしていただけますか?」
天使狩りや依頼で心が荒んでいる執事達を癒す、それはすなわち「何をしても構わないお人形」になるということ。私はきっとこれから毎日毎日暴力に耐えながら痛くて苦しいだけの性行為を執事達が満足するまでされることになる。そう思った私は少しでも自分の価値を上げるために何か言わなくてはいけないのではないかと焦る。返答に迷っている風を装いながら、私が執事達の癒しに関わるメリットは何かないだろうか?と考える。そこで思い出したのは父親に毎日のように殴られ蹴られて生理が始まる前に子宮がダメになったこと。それを伝えれば避妊の手間も省けていいのではないかと思った。
『…分かりました。私にできることなら何でもやります』
「そうですか。ではルールを決めましょう。好き放題使ってすぐに壊れてしまったら癒しも何もありませんからね」
ベリアンの意見に室長達は全員同意して、黒妓を使うときのルールを考え始めた。
「一日七時間は寝かせてあげたい。毎日睡眠が満足にとれなかったらすぐにガタがくるよ」
最初に私の身体を気遣っての提案をしたのはミヤジだった。優しい言葉の裏には私を長期間使用するための合理性しかないのは伝わってきた。
「媚薬を使うことと命の危険のあるほどの暴力も禁止しないと、すぐに死んじゃうんじゃないかな?」
ベレンは私の命を守るように言っているが、それは「死ねない」という地獄を味わわせるためのスパイスにしかならない。
「とても個人的な意見なのですが、私はココ様を主様とは呼びたくありません。力の開放も以来の遂行にも役に立たないでろう無能は主様ではありません。ですから、もう使っていない拘束室に閉じ込めてしまいませんか?万が一自殺しようとしたり屋敷から逃げ出そうとしたりする前に、その手段は潰しておくべきかと」
ベリアンは出会った時からずっと不機嫌で辛辣だ。それだけ新しい主様に期待して、執事達のことを考えていたのだろう。でも選ばれたのがこんな私で、きっと絶望に近い感情が渦巻いているのは目を見たら明らかだった。
「そんじゃ、キメセクと命の危険があるプレイはNGってことでいいんだな?で、この子は拘束室に閉じ込める、と。ちょっと可哀想だが逃げ出したりしたら後が怖いだろうからな。いい案だと思うぞ~。あと、俺的には可愛い服…つーか下着?を着せたいところだな。ほら、服を破いて犯すとか背徳感あっていいだろ?フルーレに言えば喜んで作ってくれるだろ」
ハナマルは今までの室長達の意見に同意して、追加で私により効率よくストレスと性欲をぶつけられる方法を提案した。私が持っている着替えは寒かったら羽織ろうと思って持ってきた制服のジャケットしかない。パーカーとジーンズのままでは興奮も誘えないだろうし、破かれたらもう着る物がない。どんなに恥ずかしい服装をさせられようと、着替えがあるのはありがたい。
「それと、入浴補助は必要ないということをフェネスに伝えてもよろしいですか?性行為の後始末をさせたらフェネスが風呂場でこの子を独占して犯す口実を与えてしまいますから」
あぁ、あの優しかったフェネスにも会えなくなるのか。ヘッドスパをしてくれた、天国にいるような時間は夢のように消え去ってしまったのだと実感する。
「それじゃあ私は生理を止める薬を調達してくるよ。毎日セックスできないと不満に思う執事も出てくるだろうし」
ルカスがそう言った時、私はそんな薬などなくても妊娠することはできないと伝えたくて、おずおずと手を挙げて意見を聞いてほしいという意を示した。
「ん?生理を止めるのは嫌でしたか?」
ルカスがそう聞いてくるが、私は首を横に振った。
「私、毎日のようにお腹を殴られていたので生理が来たことなくて…多分子宮がダメになってるんだと思います。だから妊娠の心配はしなくて大丈夫だと思います」
そう言うと室長達は中出しセックスがタダでできることに嬉しそうに笑う。
「あ、食事まだ食べてないでしょ?冷めちゃったかもしれないけど食べないと持たないよ?」
『…はい…』
正直食事などできる気分ではなかったが、せっかく作ってもらった料理を残すのは申し訳ない。私は冷たくなったスープを口に運んだ。いい香りのスパイスが入っているはずのスープは何の味もしなかった。
コメント
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うわ…これは辛い回だったね。自分から「慣れてるから慰み者になれる」って言っちゃうところがもう、胸が締め付けられたよ。ベリアンの辛辣さと、ルカスが「♡♡♡止める薬」ってサラッと言う温度差も怖い。でもミヤジだけは睡眠時間確保しようとしてたのが気になるな…表面的な合理性の裏に何か隠してるのかな。冷たくなったスープを口にするラスト、現実感あって余韻が重い。続きが気になるけど、読むのに覚悟がいる話になりそうだね。
#ベリアン・クライアン
ぷち
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澄
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