花には想いを。君には愛を___。
-黄赤-
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僕には幼稚園の頃からの明るくて元気で大好きな友達がいる。
「♪~」
公園で遊ぶ約束をしたから、僕が先についてベンチで待っていた。
「早く来ないかな~」
足をバタバタさせて鼻歌を歌いながら赤を待った。
その時、急に前が暗くなった。
「だーれだ!!」
目を隠しながら後ろの子がそう言った。
「んふふ笑、赤!!」
「せーかい!!」
嬉しそうに笑顔を見せる赤。
「あ、そうだ!」
「?」
「はいこれ!お誕生日おめでとう!!」
「わあぁ!四つ葉のクローバーだ!」
「ありがと!」
「これからは毎年お誕生日にお花あげるね!!」
「ほんと?じゃ僕もお花__。」
「黄ちゃんはだめ!」
「え?なんで?」
「お花は僕があげるって決めたから!」
「じゃあ..お手紙書く!赤の誕生日にお手紙書くね!!」
「それならいい..?」
「いいよ!」
“約束ね!”
指切りをして幼い頃に約束をした。
それから毎年赤は花、僕は手紙を送るようになった。
喧嘩していても必ず送ってたし、なんならそれのおかげで仲直りできた時もあった。
そんな幼い約束にいろいろ助けられた。
そして今高校3年生。
今日は僕の誕生日
赤の方が誕生日が早くてもちろん今年も手紙を送った。
この歳になって手紙ってちょっと照れくさいけど笑
約束だから。
「黄ちゃ~ん!!」
朝から元気のいい声がした。
「赤~!おはよう~」
「んふふ笑お誕生日おめでとう!!」
「ありがと!」
「お花帰ったら届けるね!」
「ほんと?嬉しい!!待ってるね」
「うん!」
今年はなんのお花かな。
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学校も終わり家に帰って勉強をしていた。
「黄~、お友達よ~」
下からお母さんの声がした。
「はーい」
赤かな..?
少し急ぎ足で玄関に向かった。
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扉の先には僕の思った通り、赤がいた。
「赤~!」
「やっほ~!」
「はい!改めて誕生日おめでとう!」
「わぁ!ありがと~!!」
「いいえ~」
そこには、赤色の薔薇を中心に周りにかすみ草が散りばめられた花束だった。
「凄い綺麗..」
2種類は今回が初めてかな..?
「黄ちゃん今へーき?いつもの公園で話そ?」
「いいよ~お花汚れちゃったらやだから置いてくるね」
そう言って部屋に戻り貰った花を静かにおいてまた玄関に向かった。
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「ふぅ~夕方だとやっぱ涼しいね~」
「そうだね~」
公園のベンチに座り赤と話し始めた。
「そういえばさ~」
赤が少し呆れてる..?ようにして話し始めた。
「昔の人とか外国の人って大切な人の誕生日とか特別な日にお花を送るんだって~」
「へ~素敵だね~」
「お花に想いをのせて送るの」
「想い?」
「花言葉ってあるでしょ?自分の気持ちに合わせてお花を送る…。」
花言葉の話…。
赤もいつも考えて送ってくれてるのかな?
じゃあ今年の花の意味って…。
去年の花は…?
「…もぉ~黄ちゃんほんとやんなっちゃう!」
「えぇ..!?」
僕なんかした..!?
色々考えてると赤が話し始めた。
そしてら座っている僕の前に来て僕の顔に手を立てて顔をあげさせた。
「赤…?」
「___きづ..てよ..」
「え…?」
すごく小さい声だったから聞き取れなかった。
「去年は“変わらぬ気持ち”、一昨年は“幸せ”…。」
「今年はどうだろうね…」
「赤..?」
幸せ?気持ち?花言葉のこと..?
「来年は“コリウス”かな..」
「コリウス..?」
花の名前かな..
「もう知らないもんね!気づいてくれるまで!」
「ちょ..!赤!」
「ばいばい!!」
そう言って走って帰ってしまった。
「…花言葉..」
今回の花にも意味があるなら…!
気になってすぐ家に向かった。
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「ただいま~!!」
玄関をあけてすぐ部屋に入って机の上にあるタブレットの前に座った。
「かすみ草の花言葉…」
「..!」
「ば、薔薇は…」
かすみ草:永遠の愛
赤い薔薇:あなたを愛しています
「あい…/」
調べた記事を下にスクロールすると書き込みがあった。
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大切な人に気持ちを伝えるのに最近は花言葉を送る人が増えています。外国人だけでなく___。
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「じゃあ赤は../」
本当かも分からないのにひとりで照れている自分がいる。
「来年はコリウスかな」
「コリウス…」
僕は急いでまた調べ始めた。
「っ…」
コリウス:叶わぬ恋
「赤…/」
いつからだろう…。
こんな素敵な伝え方もあるんだな。
「…よし」
引き出しを開いて手紙を書く紙と封筒を用意した。
そして1文字1文字丁寧に書き出した。
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黄ちゃんに酷いこと..?しちゃったけど大丈夫かな…?
でも黄ちゃんが悪いんだからねっ!
…知られちゃった…
さすがにビックリするよね…
やっぱりいやだって思われるか..な..
ベッドに寝転がって考えているうちに眠りについた。
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「赤..起きなさい..」
「ん~..お母さん..」
「こんな時間に寝たら夜寝れないわよ~」
「それとこれ…」
「..手紙..?」
「さっき黄くんが来てね。これ渡してくださいって」
「…?」
「じゃあもう少ししたらご飯だから。寝ちゃだめよ?」
「はいはい」笑
そう言って部屋から出ていった。
「…」
何が書いてあるんだろう…
ベッドに座りながら手紙を開けた。
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赤へ
誕生日以外でお手紙を書くのは初めてだな~笑
お花ありがとう。
気づけなくてごめんね。
コリウスを送ることは一生ないかな。
僕もお花を送りたいけどいつの日か赤に
「お花はだめ!」って言われちゃったから僕はお手紙を書きます。
もしお花を送るとしたら、今の僕は君に
四つ葉のクローバーを送ります。
赤なら気づいてくれるよね?
また明日。
黄より
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「よつば…//」
今日の手紙は今までで1番大切なもの。
四つ葉のクローバー:私のものになって。
その後2人は手を繋いで楽しそうに帰っていたとか…。
この先は2人の秘密。
花には想いを。君には愛を___。
𝑒𝑛𝑑___
コメント
1件
お話素敵すぎました🥲💕︎