TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ゴジラ   ~Stage Series~

一覧ページ

「ゴジラ   ~Stage Series~」のメインビジュアル

ゴジラ ~Stage Series~

5 - 第3話 「ゴジラ Last Stage ~受け継ぐ者たち~」

♥

101

2022年04月04日

シェアするシェアする
報告する

白い壁に覆われた研究所、沢山の機器に囲まれた大きな円柱のカプセル。その中には黒い爬虫類のようなトカゲのような生物が眠っていた。。ただ、まだ子供のようだ。その背中には特徴的な背びれがある。すると、一人の男性が近付いて来た。

「………誰も、、居ないな、?…よし、今、出してやるからな、早く、あの人たちの所へ、、。」

カプセルが開き、背びれの生物が男性に支えながら降ろされる。後からもう一人男性が来て生物を運ぶのを手伝う。生物は目を閉じたままだ。そして、トラックの中に入れられた。

「後はあの人たちの元へ頼む、、。」

「…ああ、任せてくれ、。」

そう言い終えて男性がトラックを発進させた。トラックは海沿いの崖道を走って行った。






2076年 8月3日 ━━━ デストロイアとの戦いから2年が経ち、東京の復旧作業が終わり掛けていた。

「はあぁ〜、、暑いぃ〜っ!!」

「あ”あ”ぁぁ〜、!」

「マイク先輩がゾンビみたいになっちゃった。」

保護団体の会社では、社員たちが保護活動の資料を整理をしていたりと、パソコンと向き合っていた。

「みーさんは〜、?」

乙津が涼に聞く。

「先輩は、寝坊ですっ!!」

「まあたかぁ?」

涼が答え、佐藤 和哉(佐藤さん)が反応した。三里は遅刻常習犯だ。扉の向こうからドタドタと走って来る音がする。三里が20分遅れ、出社した。

「…はぁっ、はぁっ!!遅れたぁっ!!!!」

「お疲れサマンサ。」

「懐いすね。」

「まーた、遅刻ね、三里さん?」

「あい、すいませんっ。社長、歯磨きしてくるの忘れたんでここで磨いていいですか?」

「いいわよぉ。」

「よしっ!!」

エレベーターが開き、二人の配達員が大きなダンボールを運んで来た。その後ろから受付に居た社員もやって来る。

「あっ、すいません、動物用の餌を持って来てくれました!何処に置けばいいですかね?」

「あっ、は〜い!今、行きまぁす。」

涼が出て来て、配達員を動物たちが居る部屋へ招いた。

「はんは、ほおふない(なんか、多くない)?」

「…なんてぇ?」

三里は歯磨きしながら話しかけて来るので何言ってるか全く分からない。

動物たちの部屋に運ばれ、置かれたダンボール。ガタリと動いた。それに反応した白猫の大福が、恐る恐る近寄る。ゲージの中で犬たちが見守っている。すると、ダンボールの蓋が開く。ビクリと飛び退いた。中から出て来たのは黒く歪な背びれの付いたトカゲみたいな二足歩行の生物。不思議そうに大福たちを見下ろていた生物が近付いて来た。生物が手を大福に近付ける。ゲージから出て来た犬も近付く。大福はその生物の手を匂ったそして、手に頭を擦り付ける。

ガタンと動物の部屋の方から物音がし、三里が反応した。

「ふふはん、おほ。」

「音ですか?」

「何故、分かった?」

涼が席を立ち、動物部屋へ向かう。そしてドアを開けると涼は直ぐに戻って来た。

「あ”ぎゃああぁあっっ!!!!」

「なんちゅう声だぁっ!!??」

「はにはにっ!?」

騒ぎを聞き付けた社員と美津子がやって来る。

「どうしたのっ!?涼さんっ!!」

「あ、あのっ、、なんか、スピノサウルスとティラノサウルスを掛けて二で割ったようなのが居るんですよっ!!」

「何、その例え。」

すると、涼たちの前に背びれの生物が大福を両手で抱えながら覗いて来た。

「ぶう”ぅっ!!!!…ゲホッ、ゲホッ、、ほんまやん。」

「三里さんっ!!? 吹かんといてぇやっ!!!!」

うがいを終えて三里が屈んで、背びれの生物に近付いた。生物も、至って怯える様子も無く興味深々だったのか三里に近寄る。

「おお、可愛い。」

「子供よな、?ちんちくりんやし。」

「ちんちくりんっ、ww」

佐藤さんも生物を撫でる。ゴロゴロと喉が鳴った。

「猫やんっ!めっちゃ気持ち良さそうっ!!」

「かやんとこ、行ったら分かるかな?行ったことないけんど、。」

「『あぁ〜。』」

皆が納得する。ということで後日、三里と涼と背びれの生物(ギャラクシア)と命名し、この三人で船に乗り、双子とモスラが居る孤島へ向かった。

「…あの、先輩。この子なんですけど、。」

「おん?なんぞやほい?」

「なんで、『ギャラクシア』って名前なんですかか?」

「ギャラクシアって、日本語に直すと『銀河』って意味あるんよ。銀河ってさ、果てしないじゃない?言わば『無限大』よ!! この子はまだ、子供やから、夢が無限大なんよ!希望に満ち溢れた子って意味を込めてギャラクシアって名前にしたんよ。イケてるでしょ?」

「イカしてますっ!!」

名前の由来を話し合っていたら、船を操縦していた船長さんが、

「もう、そろそろ着きますよ!」

「『はあーいっ!!』」

三里と涼は船の先で海を見渡す。そう遠くない場所に一つぽつんと、島があった。島の近くまで船で行き浜辺に気の橋を立てた。周りが砂浜で囲まれており、真ん中には洞窟がある。少なからず森もあった。洞窟の天井は大きな穴があり、モスラは主にそこから出ているようだ。

「過去さーん、未来さーんっ!!」

直ぐに過去と未来が三里たちの前にやって来た。

「『こんにちは、三里さん、涼さん。お二人がお元気で何よりです。』」

「過去さんたちもお元気で良かったですっ!!」

涼の後ろにしがみついて四人の会話を聞いていたギャラクシア。ふと。未来と目が合った。

「その子は、何でしょうか?」

「ああ、この子ね、ギャラクシアって言うんよ。怪獣なんだろうけど、私たちじゃなんも分からんけん、モスラなら分かるかなぁって思って、。」

「『なるほど、、。』」

すると、奥の洞窟の入口から大きな鎌が覗いた。娘モスラが姿を現し、三里の元へやって来る。

「『モスラ。』」

「かやーっ!! この子ね、突然うちの会社に居たのよ。何か、分かるぅ?!」

娘モスラは顔をずいっと前へ出す。まじまじとギャラクシアを見詰めた。ギャラクシアも娘モスラを見詰める。そして一旦、顔を離し三里たちに向き直った。

『”きゅうぅううぅっ、”』

「モスラは、こう言っています。”この子にはゴジラの血が流れている。恐らく、5年前の戦いでゴジラが負傷し流した、血液から採取されたもの。この子は人間が作ったゴジラのコピーとも言えますし、新しい個体とも言えます。”」

「新しい!?この子が?」

「はい。ゴジラの子供ようなものですね。」

「なるほど。でもなんで、そんな子がうちの会社に来たんやろ?」

「なんででしょう、。」

涼たちは娘モスラの釜で遊ぶギャラクシアを見ながら考える。

「………これから、どうしようかね〜、。」

「……ね〜、、。それにしてもかやさん、よく分かりますね!?」

「ゴジラとこの子の雰囲気が一緒なのです。モスラにはその怪獣のオーラなどが分かるのです。」

「ほ〜ん。守り神って、凄いなぁ!」

ふと、ギャラクシアが戻って来て三里のズボンを掴んだ。

「おん?どした、ギャラクシア?」

「み”ゃぁっ。」

「ぐはぁっ!?」

突然、猫みたいに鳴くギャラクシアに三里は胸打たれ、膝から崩れ落ちた。涼が素早く、「尊みの塊。」と付け加える。

「まさか、大福の真似?! ぐあ”わい”ぃ”っ!!!!」

「『あらら、、。』」

双子の後ろに居る娘モスラは瞳を細め笑っていた。すると、娘モスラが三里の元にやって来る。

「『モスラはこの子を預かろうかと言っています。其方の方は忙しいとの事ですので。』」

「忙しい事を知ってたんか?!流石だな!!」

そして二人が会話をし、時々ギャラクシアを見遣った。

「そうだな、私たちで何とかしたいけど、もし、頼るような事があったら、また来るわっ!!」

「『はいっ、いつでも来て下さい。』」

『”……っ!? ぎゅあ”ぁっ!!!!“』

「え”っ?!うわわっ!!?」

突然、地鳴りがする。娘モスラは三里たちを羽根で覆い、身を屈める。物凄い振動が辺りに響き渡り、娘モスラが海を睨み付けた。

「『モスラ、、。』」

『”きゅうぅぅう、、。”』




北海道 陸別市 地下奥深く ━━━ 洞窟を掘り進めるドリルの音が辺りに響き渡った。科学者のような人が開けた場所に台を出し、資料と向き合い、周りの人と言い合っている。開けた場所の中心には巨大な白い結晶。その中で眠る赤い緑龍型の怪獣。すると、奥の方から二人の男性がやって来た。黒いコートに身を包んだ白髪で60代ほどの外国人男性 アルバート・レイド、科学者でメガネを掛けた外国人男性 リチャード。

「さあ、もうすぐだ。爆弾の設置は完璧なんだな?」

「はい、設置は完了しました。あとは、これだけです。」

そう言うとリチャードはポケットから小さなカプセルを取り出す。カプセルの中には紫色の液体が入っている。

「これがあれば、『ラバドン』は我々の意のままです。」

「なるほど?では早速、取り掛かるとしよう。やる事はまだまだ山積みだ。」

「かしこまりました。」

リチャードは走り科学者たちを集めた。アルバートらが来た方向から武装した連中も入って来た。

「外は問題ないな?」

「あぁ、いつでもいいぞ。」

アルバートは怪獣に続く階段を上がり、結晶の中で眠る怪獣に触れる。

「もうすぐで、お前は我々の配下として目覚めるのだ。」

そう囁くと、アルバートは怪獣から離れた。武装した男性が、怪獣の近くに誰も居ない事を確認すると起爆装置のスイッチを押し、走って離れる。すると、結晶に取り付けていた爆弾が轟音と共に爆発し、結晶がバラバラと崩れ落ちた。爆発した瞬間カプセルに入った液体と同じ色の粉が爆散する。そして、眠っていた怪獣が瞳を開け、くるめていた鳥のような翼を広げる。その怪獣の水色の目がカプセルに入った液体と同じ紫色に変わった。アルバートがスタスタと怪獣に近付く。

「さあ、我々に従え。紅き守護神よ。」

アルバートは手を向ける。怪獣は跪くように止まり、自身の嘴をアルバートの手に当てた。アルバートは口角を上げる。

「ラバドンよ!さあ、行けっ!!各地に眠る怪獣共を目覚めさせるのだっ!!!!」

すると、怪獣は翼を広げ勢い良く飛び立った。

「我々も行くぞ。次の準備が待っている。」

笑みを浮かべたアルバートは科学者と武装集団を連れ、外へ出た。陸別市の地面から勢い良く怪獣が飛び出した。これはたちまちにニュースとなった。それをユーチューブで見た三里は、

「また、新しい怪獣が出て来たな、、。」

不意に過去と未来がユーチューブの映像に映る怪獣を見て絶句した。

「そんなっ、、!?」

「モスラっ!! ラバドンがっ、、!!!!」

『っ?!』

こんなに声を荒らげる二人を見たのは初めてで、不味い状況になっているのが分かった。

「二人共っ、?!取り敢えず、落ち着いてっ!!!!」

「あの怪獣について、出来れば何か、教えて欲しいんですが、。」

「『………ごめんなさい。…それでは、この怪獣についてお話します。』」

「怪獣の名は、『ラバドン』。彼女はモスラと同じ、守り神です。彼女が住処にしている、北海道では『紅き守護神』として称えられ、祀られています。」

三里と涼は顔を見合わせ、「守護神っ?!」と言った。ニュースに映っている怪獣は北海道を破壊しながら飛び、咆哮を上げている。

「はい、そうなのです。何故、そんな彼女がこんな事をしているのか私たちも分かりません、。」

「そう、か、、。」

また、地鳴りがした。娘モスラがまた海を睨む。

「かやさん、どうしたんですか?」

「『この地鳴りは、海から放たれているものです。』」

「…えっ?!」

三里は真っ先にゴジラが心配になった。娘モスラが空に飛び立つ。三里は美津子に電話をかける。

「うちらも、モスラを追おっ!!」

「あっ、はいっ!!了解ですっ!!!!」

直ぐに美津子が乗った軍のヘリがやって来る。二人は急いでヘリに乗り、娘モスラの後を追った。





地鳴りが鳴る数分前 ━━━ 海の奥深くでゴジラは眠りから覚めた。その頃、近くで海の地面が地割れし、新たな怪獣が出て来る。水の中を発達した自身のヒレを使いスイスイと泳いで行く。そう、ゴジラのところに。ゴジラもその怪獣に向け、泳ぎ出す。間もなくして怪獣と鉢合わせした。すると、怪獣が周りに二つの巨大な竜巻を発生させた。渦潮のような感じ。しかもその渦潮は自我があるかのようにゴジラを襲う。そして、怪獣はゴジラに向け、水鉄砲を撃った(威力は桁違い)。ゴジラはスラスラと避け、怪獣に突進する。怪獣と揉み合いになったその時、突然、ゴジラは上からの水圧により海の地面に叩き付けられた。その衝撃は横や下からも来る。怪獣がゴジラに突進し、首元に噛み付いた。またしても、揉み合いになる。すると、外から違う怪獣の鳴き声がした。海の外ではラバドンが上空を飛んでいた。海の中に怪獣が居る事が分かったラバドンは一気に急降下し、海に潜って行った。怪獣は背中を突然掴まれた。ラバドンが勢い良く引っ張り、海を出た。そのまま空を飛んで行く。呆気にとられたゴジラは我に返り、ラバドンを追う。その後を着けるように一つの飛行機が飛んでいた。なかではアルバートや武装集団がゴジラ、ラバドン、怪獣を観察していた。

「もうすぐだ、、、。」

アルバートはラバドンを追うゴジラを見ながら、笑みを浮かべる。

ラバドンは怪獣を脚で掴んだまま、千葉に向かった。千葉の街中に爆弾が設置している場所があるのを確認するとラバドンはその真上から怪獣を落とした。怪獣が起爆装置に当たった瞬間、爆発した。そしてラバドンと同じように紫の粉が爆散する。怪獣の黄色の瞳が紫に変わる。静まり返った怪獣はアルバートに反応した。いつの間にか飛行機から降りており、怪獣に近付く。怪獣はアルバートの前で止まり跪いた。

「…よくやった、ラバドン。これで、『レビス』は我の支配下だ。」

ラバドンはビルの上に止まった。すると、海の方からゴジラがやって来る。アルバートは武装集団を呼び、破壊された都内にある機械を設置させた。そしてラバドンがその機械を覆うように結晶を作り始めた。ゴジラはレビスを睨む。しかし、ゴジラの挙動が可笑しくなってた。苦しそうにもがき、色々な建物に自身を叩き付ける。しばらくすると、娘モスラが猛スピードで飛んで来た。ゴジラは娘モスラを睨み付けた。娘モスラに続き軍のヘリや戦車も来る。困惑する娘モスラや軍に向け、ゴジラは背びれを光らせ、熱線を吐いた。勢い良く地面に当たり、周りに止めた軍の戦車を無差別に熱線で薙ぎ払う。それを見ていた司令塔、生放送で見ていた国民や三里たち。

「………マグロっ、、!?」

「マグロ君っ?!どうしたのっ、、。」

三里はゴジラたちが居る千葉に辿り着くとヘリを出てゴジラの元へ走り出そうとした。慌てて涼が三里の腰にしがみつき、

「先輩っ!!!! ダメですってっ!!!!」

「待ってっ!?涼ちゃんっ!!マグロが、マグロが、大変だからっ!!!!」

すると、遠くから違うヘリがやって来た。そこからマイク、乙津が降りて来た。

「みーさんっ!!落ち着けっ!!!!」

ゴジラは娘モスラに向け、熱線を吐き続けている。ラバドンは辺りに結晶を発生させ軍を攻撃した。レビスも桁違いな水鉄砲を撃っている。

「ゴジラがっ、、ゴジラがっ、攻撃を止めませんっ!!!!」

司令塔には轟音と軍人たちの叫びが響いていた。

「ゴジラっ?! どうしたんだっ!!!!」

「彼は一体、何故、!?」

つげるは戦闘機で千葉に到着しラバドン、レビスにミサイル攻撃をしていた。しかし、次々と他の戦闘機が墜落している。ラバドンが自身の翼でヘリを打ち落とす。レビスが大きく口を開け、巨大な水玉を何度も撃った。その水玉は空中を浮き続ける。

「なんだっ!?あれはっ!!!」

つげるや他の戦闘機も怪獣たちから距離をとる。すると、娘モスラはつげるたちを守るように前へ出た。そしてラバドンに突進して行く。ラバドンと揉み合いになり、ビルやら建物に突っ込んだり、ゴジラやレビスの攻撃を避けながら立ち回る。

「……やっぱり、行っていい?! かやが危ないやんかっ!!」

「ダメだよっ、!!危険だからっ!!!!」

「先輩っ!!??」

「マグロぉぉっ!!! こっち、こっちっ!!!!」

その声にゴジラが反応し、三里に追いついた乙津が絶句する。勢い良くゴジラがこちらにやって来る。苦しいのだろう身体を地面に叩き付けながら三里と乙津に近付く。乙津が三里を引っ張る。

「乙津先輩っ、三里先輩っ!! 早くっ、早く、逃げて下さいっ!!!!」

遠くで涼が叫ぶ。しかし、100mもある怪獣から逃げれる訳が無い。涼たちの方向に回り込まれ、ゴジラは三里と向き合う。


ぐるるるう”う”ぅっっ!!!!

「…マグロ、落ち着け。」

三里はゴジラに手を伸ばす。その状況を上空で飛行機から見ていた。アルバートは愉快そうに眺めていた。

「…やはり、面白いな。」

ゴジラは紫色の瞳には、三里が優しく微笑んだ顔が映り込む。乙津は一応、離れる。辺りから轟音と銃声、怪獣の咆哮が聞こえる中、三里は手を差し出したまま、ゴジラを見つめる。次第にゴジラの息が静かになり始め、瞳の色が普段の琥珀色に戻った。ゴジラは三里を見つめる。そして自分の鼻先をゆっくり三里の差し出した手に当てた。三里はニッコリ笑う。

「………偉い、。」

そう言うと乙津を連れ、涼たちのところに戻って来た。

「………。」

「………………。」

「……ん?どした?」

三里はキョトンとして、唖然としている涼たちを見遣った。

「三里さん、、。やめてーやっ、、?!」

「ビビった、、。」

「まあ、落ち着けって?ここからが、本題だから!!」

三里は今の状況を説明し始めた。

「怪獣の目を見てや。皆一緒の紫やろ、?あそこの結晶の中にある機械の中さ紫色やん?あれを止めればいいと思うけど、。」

「……そっか、、なるほど、。あの装置を壊せばいけるかっ、?」

「だ、そうですよ?司令塔。」

「”成程、了解した。が、ヘリや戦闘機では近付く事が出来ない。人が行くしかないだろうな。”」

「だ、そうよ。皆、分かったわね。という事で、この中から誰かがあそこまで行って起爆装置をあの機械に付ける。軍は援護という形で私たちを守ってくるわ。それに、マグロ君とかやさんも居るから安心なさいな。」

「何故、そこまで、話が進んでるんだ、、!?」

「それと、私は行かないわよ。」

「『あっ、ゆうまでもなかった。』」

社員全員が、声を揃える。美津子がため息をついた。すると、双子が三里たちの前に現れる。

「『お願いします、モスラを助けて下さい。モスラがとても、危ないですっ!!』」

娘モスラはラバドンによって何度も地面に叩き付けられていた。どんなに素早く立ち回っても中々ラバドンに攻撃が当たらない。

「…どうしようっ、かやさんがっ?!」

「なんか、かやの行動が読まれてるような動きだなっ?!」

「……はい、そうです。」

「…ん?」

「ラバドンは見ての通り、結晶を創り、炎をも操り、そして生物の『心』を読むこと、心に直接語りかける事が出来ます。」

「…………はっ?」

美津子の持つ無線機からも、「はっ?」という声が聞こえる。

「だから、軍の方々の攻撃も当たらないのです。」

「………どうする?早く、あれを何とかしなぁ、?」

「『えぇ、、。』」

その時だった。モスラがラバドンに掴まれる。そしてレビスの放った水玉の中に押し込められた。

「かやっ、マグロっ!! さっきの聞いてたねっ?!聞いてなくてもいいから、かやの手助けをして来てっ!!!! GOッ!!!!」

ごおおぉおぉおぉぉんっ!!!!!!

ゴジラが背びれを白く発光させ、ラバドンに氷のブレスを吐いた。ラバドンは素早く避け、レビスがゴジラに水鉄砲を撃った。美津子は娘モスラを見た。しかし、娘モスラは微動だにしない。口に泡を吹き、動かない。

「あのシャボン玉みたいなのっ?!カヤさんが危ないですっ!!司令塔っ、あの青い怪獣を攻撃して下さいっ!!!!」

「”了解した。”」

たちまちにレビスに一斉射撃を行った。軍のヘリを出て戦闘機がレビスを狙おうとミサイルをうつも、レビスが空中に浮いた水玉をスイスイと飛び移るので中々当たらない。

「くそっ!!!!モスラっ、!!」

つげるは娘モスラを見る。そしてふと、一つの考えに至った。つげるは司令塔に無線を回す。

「司令塔、ミサイルでは一直線に向かう為、怪獣には当たりません。そこで、戦闘機で直接突撃した方が奴に当たる確率が上がります。」

「”馬鹿な事を言うなっ?! まだ、他の作戦がある筈だっ!!“」

「いえ、時間がありません。私は行きます。………………今までありがとうございました。」

そう言うと無線を切り、レビスに向かい戦闘機を操縦する。レビスはつげるの乗った戦闘機に水鉄砲を撃つ。

「ちょっとっ、、?!あの戦闘機、『雨』に突っ込んでないっ?!」

「はっ?!何やってるのっ?!!」

美津子がそう言い終える間につげるの操縦する戦闘機は空中を水玉を使って移動するレビスに衝突した。つげるは衝突する瞬間、娘モスラと目が合ったように思えた、つげるは笑う。レビスは衝突によって、体勢を崩し地面に落ちた。それによって宙に浮かんでいた水玉も解け、娘モスラは解放される。口から水を吐き、地面に墜落した戦闘機の残骸を見る。そして、立ち上がる。そのモスラの瞳は美しい水色から滲むように紅色へ変わった。モスラは力強く咆哮を上げた。


『きゅうぅ、、ごおおぉぉあ”あ”ぁぁあ”あぁぁあぁあっっ!!!!』


「美津子さんっ!! これをっ!!」

すると、軍人が起爆装置を運んで来た。

「三里さんっ!!どうせ、貴方が行きたいって言うだろうから先に言うわっ!!気を付けるのよっ!!此処が貴方の見せ所っ!!!!」

「はいっ!行ってきますっ!!」

「三里さんっ!!ぼくも、行くっ!!!!」

「おんっ?! 何故に来たし?!」

「三里さん、言ったやんっ!!無理しないでって!!!!だから、僕が付き添うんだ、君が無理しないようっ!!」

「いいね〜!」

二人は急いで結晶に覆われた機械に向かって走っていった。

「マグロっ!!かやっ!!援護っ!!!!!!」

その大声にしっかり反応したゴジラは三里たちに攻撃しようとするレビスにかぶりついた。モスラも一瞬にして空に飛び上がり、三里の元へ向かう。しかし、レビスが連続で水玉を放つ。勢い良くモスラに向かって来たが、モスラは全てを素早く避ける。そして前に立ちはばかったラバドンにモスラは紅い目を細め、今までにない速さで斬りかかった。ラバドンの頭上を通ったと思うと、ラバドンの両翼は根元から斬られてしまった。それに追い打ちをかけるよう後ろからバク転でラバドンの頭上に戻るとそのまま、自身の釜で勢い良く叩き付けた。

レビスがゴジラに水鉄砲を撃つが何楽かわし、背びれを赤黒く発光させる。レビスに向かって紅い結晶を放つ。レビスは突然の出来事に困惑する。

ゴジラは三里とマイクを気にしながら立ち回る。その様子をヘリからギャラクシアが見ていた。その手にはデストロイアとの戦いの時に撮られた三里とゴジラの写真が大事そうに握られていた。



三里たちが戦場となる千葉へ向かう中、ギャラクシアは危険だと会社に帰されていた。会社に帰されると佐藤が近寄って来た。ギャラクシアもトコトコ歩いて佐藤さんに両手を挙げる。

「オラも歳だからなぁ、抱っこは出来ねぇよ、。」

会社の中では社長や三里、マイクたちの心配で皆がそわそわしていた。すると、社員の一人が

「あっ、こらぁっ! 大福〜?!」

動物部屋から大福が出て来てギャラクシアに頭を擦り付けた。ギャラクシアも屈んで大福を撫でる。少し会社の空気が和んだ。すると、ギャラクシアが三里のデスクに向かい、写真を手に取る。

「ああこれはなぁ、お前の父ちゃんだぞぉ。そう言えば、会った事ねえだろ、お前?」

ギャラクシアはコクコクと頷いた。そして写真を持ったまま佐藤さんの袖を引っ張り、屋上に続く階段を上がった。屋上まで来るとヘリの止まる場所まで行き、自分の足元を指差した。

「………あぁ、なるほどなぁ、、。ちょっと待ってや、。」

すると、佐藤さんは美津子に電話し色々、言い合っていたもののギャラクシアの方を見てOKサインを送る。



そして今に至る。レビスと戦うゴジラにモスラも加勢しする。モスラはレビスに向かって自身の羽根を叩き付ける。レビスが避け、二匹に水鉄砲をはなつ。その間を潜り抜け、三里とマイクは遂に機械の元へ辿り着く。

「三里さんっ!!GO、GOっ!!!!」

三里は機械を覆う結晶に起爆装置を取り付けた。そして、急いで離れる。

「二人が離れましたっ!!!いつでもいけますっ!!!!」

「よしっ!! 押すぞっ!!!!」

古世谷が爆破ボタンを押す。すると、結晶に取り付けた起爆装置は機械と共に勢い良く爆発した。三里とマイクは爆風に飛ばされそうになるも、そこら辺に崩れ落ちた、瓦礫に隠れる。

「……あっっぶなっ?! 鼓膜が死ぬやんっ?!!」

「…マジでビビったっ、?!」

レビスは操りから解放されるも満身創痍。ゴジラは攻撃をやめ、疲れの為かその場にへたりこんだ。モスラがビルの上に止まる。ふと、上空を見たモスラ。元の水色の瞳には空高くに映る飛行機(飛行機と言っても、見た目はブーメランみたいな感じ)。

アルバートは歓喜する者たちを見て笑った。

「面白い。…だが、ゴジラよ、お前の時代はもう、終わったのだ。…核爆弾の準備を。」

「了解。」

操縦していた人が機械をつつき、「完了です。」その言葉に、アルバートは笑みを浮かべる。

「さあ、ゴジラ、お前の舞台に幕を閉じる時だ。………旧いゴジラは要らない、やれ。」

「核爆弾、投下まで3、、2、、1、、投下っ!」

すると、操縦席の真下にあるハッチが開き、核爆弾が投下された。地面まではまだある。モスラがそれに気付き、ヘリに乗って三里の元へ向かっていた美津子も叫んだ。


きゅうぅあぁぁぁああぁぁあぁっ!!!!!!

「三里っ、マイクっ!!!! そこから逃げてぇっ!!!!!!」

しかし、今、ヘリで迎えに行っても間に合わない。ゴジラは逃げるマイクと三里を後ろから追いかけ、この先に棄てられた戦車を見る。ビルの上に居るモスラもそれを見て何をするか分かったようだ。ヘリや戦闘機が離れて行く。三里は本心、もう、ダメだと思った。すると、ゴジラが三里たちの前を行き、戦車を小突く、尻尾で三里たちを引き寄せ、戦車の中に入れようとする。爆弾が地面に当たるのは時間の問題だ。モスラがビルを飛び立った。何が何だか分からないまま戦車に入れらされた三里とマイク。

「マグロっ?どうしたん?!」

「えっ、えっ、?大丈夫なん?!」

ゴジラは三里を見た。不安そうな顔を浮かべ、此方を見ている。そして器用に蓋を閉めた。その時だった。等々、核爆弾が地面に当たり、爆発した。ゴジラは三里たちが入った戦車を覆うように被さった。それにモスラも降り立ち、被さる。涼はモスラが水色の結界のようなものを張るのを見る。しかし、直ぐにモスラとゴジラは爆発に呑み込まれた。

「先輩っ!!!!!!」

その一瞬の間に爆発は広がり千葉の都市を呑み込んで行った。とてつもない爆音と爆風。美津子や乙津たちもただただ、見ているしか無かった。そらにキノコ雲が出来た。司令塔からもっと離れるよう指示されたが、美津子は断った。

「……先輩っ、、ぃや、、ぃやだ、、。」

涼は膝から崩れ落ち、泣き叫んだ。辺りが静まり返り、キノコ雲が晴れ出す。しかし、放射能のせいで近付く事が出来ない。すると、司令塔の放射能センサーは放射能の急激に低下しているのを見る。古世谷は直ぐにそれを知らせ、三里たちが居るであろう場所に向かった。その一方で、三里たちも戦車を出ようとする。必死に蓋を押し開け、外へ出た。が、三里とマイクはその光景に絶句した。

「…マ、マグロ 、か、や、、。」

二人の目の前には、背びれが爆発したような形になり、背骨まで見えてしまっている血だらけのゴジラ。左の羽根、釜、脚を失い、身体中も焼け焦げたモスラの姿。どちらも瀕死だった、きっともう、助からないだろうと直ぐに分かった。

「……そ、そんなっ!嫌よっ!!!!二人共っ、早く治療しないとっ!!!!!!」

「そ、そうだよっ!!まだ、間に合うかもしれんしっ!!!!」

理解したくなかった。二人がボロボロと涙を流し二匹に寄り添った。直ぐに美津子たちも来たのだが、何も言えなかった。涼と乙津は走り、近寄って来る。大粒の涙を流しながら。

「マグロ君っ?! かやさんっ?! …そんなっ、、?!」

三里は泣きながら二匹を抱き寄せた。ゴジラが不意に三里に息を吹き掛けた。三里が顔を上げる。すると、後ろから過去と未来もやって来る。二人は涙を浮かべながらモスラを優しく抱き寄せる。そして、

「『……よく頑張りました。もう、休んで下さいモスラ。』」

三里はゴジラを泣きながら見た。ゴジラは虚ろな瞳で真っ直ぐ、三里を見る。

「……………マグロ、、?」

「『………ゴジラは、海に帰りたいと言っています。自分の育った場所に帰りたいと、。』」

過去と未来の言葉に、三里は静かに抱き付いた。そしてもう一度ゴジラを見る。ゴジラがグルルッと力無く発した。しかし、美里たちには分からない。双子は何も言わなかった。そしてあの時、初めて日本に上陸したあの時と同じようにゴジラはゆっくりと瞳を閉じた。その途端に三里は今までに無いくらい泣いた。涼もマイクも皆が泣き叫んだ。ヘリから降りた、ギャラクシアも静かに涙を流した。


時間が経ち、母船のような巨大な船が三台、やって来た。ゴジラは母船に運ばれ寝かされた。もう、ピクリとも動かない。あの時のように起き上がってはくれない。三里は眠っているゴジラの傍に座り、

「……マグロ、?うちね、もっと早くあんたと出会いたかったよ、、。それならさぁ、今以上にきっと、もっと分かち合えてたよねぇ、、、。」

隣の母船に乗っていたモスラは隣のギャラクシアを見る。ギャラクシアはゴジラと三里を見つめていた、写真を握り締めて。モスラは呼ぶ。ギャラクシアは此方に近寄って来た。そして、ギャラクシアを優しく抱き締めた、優しく。

それを見ていた美津子は一人静かに泣いていた。すると、母船が止まる。作業員や軍人がゴジラにワイヤーを巻く。元々、ゴジラの寝かした所には巨大なブルーシートが張られていた。ゴジラがクレーンより持ち上がる。三里たちはそれをしっかり見ていた。そしてゴジラの位置が海の上になった時、クレーンのワイヤーが外され、ゴジラは海の中に消えて行った。三里は四つん這いになり、母船から身を乗り出して叫んだ。

「マグロっ!!!! 今までっ、ありがとおぉっっ!!!!!! ゆっくりっ、休んでやあぁっっ!!!!!!!! ……う”、あ”、あ”あ”あ”ぁあぁぁああ”あぁぁああっ!!!!!!」

その声は辺りに響き渡った。ギャラクシアは写真を見つめ、海を見渡した。すると、モスラは話し掛けた。

『”きゅうぅぅっ、。”』

「……ギャラクシア君、行きたいのなら行きなさい。」

美津子も、ギャラクシアの心情を悟ったように、三里を見つめたまま、言った。

「くるるっ、。」

ギャラクシアは頷いた。写真をそっと置いて、海に飛び込んで行った。美津子はモスラと顔を見合せ、笑った。モスラも瞳を優しく細めた。やがて、モスラの孤島に着く。モスラは沢山の蛾に囲まれながら船を降りた。

「かや、、。」

三里は船を降りて洞窟の中に戻って行くモスラを見守った。すると、過去と未来が話し掛けて来る。

「『三里さん。』」

「…ん?どした、、、?」

「『モスラは貴方に伝えるべきだと言っていたので、、ゴジラの最後に言った言葉を。』」

「…………、分かった。…なんて言ってたの、マグロは、?」

二人は一度顔を見合わせて、

「『ゴジラが貴方、そして保護団体の皆さんに伝えたい事は “ありがとう” それだけです。』」

三里は涙をを流し、微笑んだ。

「…それは、こっちのセリフだよ、、。過去さん、未来さん貴方たちも、ありがとうねっ!迷惑掛けたけど、…でも、いつかまた、会いましょうね、。」

「『はいっ!』」

二人は船が見えなくなるまで手を振っていた。

「……さあ、帰ろう、、。動物たちが待ってるからね、、。」

「そうだね、、。」

これからも怪獣は目覚めて来るだろうと涼は頭の中で考えた。

(でも、今は全部忘れて皆と居たい、、。)

夕日に当たりながら、三里たちは故郷に帰った。






あれから、13年 ━━━ 動物保護団体は今も健在です。涼もマイクらも元気にやっている。

「遅刻ばっかぁ〜。」

「もう、せんってぇ。」

「今日も遅刻した奴がなんか言いよう。」

遅刻常習犯も健在である。

「疲れたぁあ〜、。」

「仕事は後、2時間はあるで。」

メンバーはあまり変わってない、新人増えた。大学生 藤原 しのぶ(女性)、新田、遥輝(男性)の二人。

「涼さん、ここってどうするんですかぁ?!」

「ここはね〜、、」

「涼ちゃんも、ベテランなぁ。」

「時間って過ぎるの早いね〜。」

「ね〜。」

三里(42)、乙津(43)、マイク(42)。元新人の成長に自分の歳を感じる。

「はあ〜、。だれかぁ、テレビ、つけてぇ。」

「はあ〜い。」

遥輝がテレビに電源を入れた。

「…うー、なんかいいの無いですかね。」

「朝だからな、ニュースばっかか、。」

「ぴえん。」

「ふっる、。」

すると、それは突然来た。会社中に地鳴りが響いたのだ。

ニュースでは 海の沖合に黒い物体を発見 と記された。あの時と同じ、四国 大浜の沖合に黒く歪な背びれが見える。

「ねぇ、何やろあれ?」

「知らん。」

二人の子供が堤防に近寄った。背びれの進行が止まった。

「ああっ!! 怪獣やっ、怪獣っ!!!!」

「ほんまやっ!!!!かっけえーっ!!!!」

二人がはしゃいでいると背びれが動き、上がって行く。そしてその怪獣は姿を現した。スラッとした筋肉質の黒い怪獣。尻尾が長く、子供たちの傍に流れて来た。

「うわぁっ!!!!かっけえっ!!!!」

「すげぇーっ!!!!」

背びれの怪獣は住宅を壊さないように歩みを進めた。そのニュースは直ぐに話題となり、全国に放送されている。ニュースを見た遥輝と乙津、マイク、涼、しのぶ、他職員は目を見開き、口を開けている。三里がトイレから戻って来ても皆がテレビに釘付け。三里も直ぐに同じ顔になった。すると、美津子が急いで戻って来る。

「皆っ!!ニュースっ、見たわねっ!!?? さあ、外へ行くわよっ!!!!」

「『はいっ!!!!』」

新人二人はあまり、分からないまま他の社員について行く。連れて行かれたのは高知に続く高速道路だった。

「……あの、あの怪獣は一体、なんなんですか?なんで私たちは怪獣の来る方向に来てるんです?」

「ん?大丈夫、味方だよ。三里先輩を見てたらわかるから。」

二人は?マークを浮かべた。すると、遠くから咆哮が聞こえ、背びれの怪獣が姿を見せた。此方にやって来る。三里は怪獣の前に立ち手を差し出した。怪獣は三里たちの前で止まる。そして屈んで三里の手の平に自身の鼻先を当てた。ぐるぐると喉が鳴っているのが分かる。皆が微笑んだ。

「お帰り、ギャラクシア。」

そう、13年の月日を経てギャラクシアが三里たちに逢いに来たのだ。ギャラクシアは小さく鳴いて立ち上がる。そして元来た方向へ帰って行った。皆がギャラクシアを見送る。夕日に当たったゴジラのシルエットは段々、遠ざかって行き遂に見えなくなった。

「似てないようで似てたな」

「はいっ!見た目はあれとして、。目付きはお父さんと同じでした!! 後は尻尾の先とか、。」

「きっと、性格もだな。」

「そうだね〜。」


ごおぉおおぉぉぉおぉぉぉおおぉぉんっっ!!!!!!!!


ギャラクシアは咆哮した。父と同じ声で、力強く。




























END

ゴジラ ~Stage Series~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

101

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚