ゆあです。
乱モブ♀︎、まだ出ません!!!すみません!
でも少しだけ乱太の恋人時代のことが明かされます。
お楽しみ頂けると幸いです!
それではどうぞ。
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洗い終わって、軽く体を拭き、温泉を出た。
今は脱衣場で再度体を拭いているところなのだが⋯⋯
何故か先刻から乱歩さんが此方をじろじろ見てくる。落ち着かない。
「⋯⋯あの、先刻から此方を見られていますが、何か、その、変な所でもありますかね、私」
痺れを切らして聞いてしまった。まだ裸なのだし(私の場合包帯があるが)、ずっと見られていると恥ずかしい。誰だってそうだろう。ましてや相手は乱歩さんだ。
「否、何も変じゃないけど⋯⋯なんというかさ、湯上り美人?だよね」
「はぁ!?」
思わず大きな声が出た。本当に何故こんなにすらすらと口説いて来るのだろう。此の人は私の自己肯定感を上げる天才なのだろうか。
「肌が白くて、でもちょっと火照ってて。汗が首筋を伝ってて、髪も体もしっとり濡れてて、綺麗⋯⋯エロい?」
「えろ、、そんな言葉使わないでください⋯⋯それに湯上り美人と言うのは、女性にかける言葉でしょう」
「その考え方はもう古いよ!」
そう言うと乱歩さんはけらけら笑いながら髪をがしがしと拭きだした。
口には出さないが、彼も随分色っぽい。所詮、湯上り美人というやつだ。
でも、矢張り病的なまでの細さがかなり、見ていて辛い。
私も乱歩さんと付き合っていた頃、少しの期間だけ食事が全く取れなくなったことがあった。
理由は味覚障害だ。何を食べても、全く味がしなかった。
味覚障害になった理由は恐らく、環境の変化だろう。
ポートマフィアを抜け探偵社に入る、という闇から光への激しい移動に心が追いつかなかったのかもしれない。
乱歩さんと付き合い出したのは探偵社に入って割とすぐだったので、彼は私の味覚障害を恋人としてかなり心配してくれていた。
我ながら偽るのは得意な方なので他の社員には気づかれなかったが、名探偵の乱歩さんには、恋人の乱歩さんには、判ってしまったらしい。
私の不安定な時期を支えてくれたのは紛れも無く彼だ。あの時の私が唯一味を感じたのは、彼の作ってくれた不器用であたたかい雑炊だけだった。
あれが無ければ確実に体が弱っていたと思う。
当たり前だが、何も食べないと人は死ぬ。だが味がしないものを食べるというのは、かなり、否、とても気持ちの悪いことで、私はどうしてもそれが出来なかったのだ。
無理やり食べ物を口に入れて、何度も吐き出したことは今でも忘れない。
だから乱歩さんの作ってくれる雑炊は本当に有難かった。
料理なんてしないであろう彼が与謝野女医からそれとなく作り方を聞き出して(私が他の社員には不調を知られたくないと言ったので)、失敗しながら何度も何度も作ってくれたのだ。
あの雑炊を初めて食べた時、味があるという喜びと乱歩さんの優しさを酷く実感し直したのを覚えている。
でもあの時、もしかしたら、
もしかしたら、彼も、こんな気持ちだったのだろうか。
痩せ細っていく私を見ているだけで、何度も嘔吐する私を見ているだけで、乱歩さんまで苦しくなっていたのだろうか。辛くなっていたのだろうか。
私の不調が、彼を苦しめていたのだろうか。
どうか、どうかこの考えが、自意識過剰であってくれと願う。
私が彼を苦しめていたなんて考えたくない。
だって、だって私は、精一杯だったのだ。
探偵社で普段通りの笑顔を作るだけで、人と会話をするだけで、倒れ込まないようにするだけで、
彼の優しさを、享受するだけで。
だから、いつでも私を救う側でいてくれる彼の気持ちを、考える余裕なんて、なかったのだ。
だって、乱歩さんは強い人だから、彼の辛さなんて考えたこともなかった。
圧倒的な善と強さを持つ彼が、いつも元気で笑顔な彼が、傷ついているかもしれないなんて考えもしなかった。
考える気力など、その時の私にはなかった。
⋯⋯⋯⋯否、違う。
本当は気づいていたのかもしれない。私の不調に伴って彼も疲弊していっていることを、この無駄に出来のいい頭は勘づいていたのかもしれない。
ただ、気づきたくなかった、だけだったのかもしれな、
「太宰?」
痛いくらい優しく私の名前を呼ぶ声が、暗い思考を遮るように、少し下から聞こえてきた。
「大丈夫?顔色悪いよ。のぼせたのかな?あんまり長くは入ってないけど⋯⋯」
嗚呼、本当に、優しい。
乱歩さんには心配と迷惑をかけてばかりだと、つくづく思う。
でも優しくされたら、甘えてしまうのだ。
彼の辛さを、疲れを、弱さを、考えることを拒否して。
「⋯⋯はい、少しのぼせたかもしれません。ふふ、お恥ずかしい。髪を乾かして、早く部屋に戻りましょうか」
「ん。そうしよう」
こうして髪を乾かして、私達は温泉を後にした__。
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ここまで。誤字脱字等ありましたらすみません。
いや、私、区切るのへったくそですねぇ⋯しかも 乱モブ♀︎、出てこず、江戸川の違和感の正体も、明かされず⋯
焦らしまくっていて申し訳ないです(待って貰えている前提で話しているのも烏滸がましい⋯すみません)🙇♀️
まだ続きます!しばらく!! お付き合い頂けると幸いです、!
それではまた次の話で。
コメント
4件
まえもコメントで書いたけどやっぱり乱歩さんが太宰さん以外の人と付き合ったとこ読んだら絶対死ぬ!!臓器全部吐く!!まあ展開が気になるから次も読むけどね〜
この後どうなるんだろ…、凄い気になります…‼もやっとするなぁ…、区切り良いですよ⁉僕壊滅的にヤバイですからね⁉(マジ)、次回が楽しみです‼今回も神作有難う御座います‼