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狭い部屋にやらしい水音と声が響く。
彩月と樹月はずっと耐えていたのだろうか?
なんで、逃げ出さなかった?二人の身体能力ならすぐ逃げれただろ。
「い…や//やめろ//ぁ…ぅ//」
聖はもう大パニックだ。痛みと羞恥と快楽でもうわけわからん事になってる。
俺はずっと拘束されていて、動けないし、口枷で声も出せない。
『聖、わかるか?これが立場だ。権力だ。これが“契り”だ。』
「〜ぅぁ//やら//!がぁ…//」
聞こえていないだろうな。
俺っていつも無力だ。あの日も守られてばっか。何もできない。
心友のこんな姿、見たくないし、させたくなかった。
結局、聖は意識を失って倒れた。
『次は君だよ、仁』
ああ、俺もあの“地獄”をみるのか…。
聖、仁…。
なんでこうなった?なんで、此処に来た?
あの手紙でさよならを告げた。此処は地獄。だから来るな。そう言ったよな。
お前らが襲われないように私たちは此処から逃げなかった。
なのに、なのに、どうして…
「彩月、この部屋から脱出しよう。たぶん、全力で蹴れば扉は壊れる。」
「止めよう。絶対。私たちと同じ思いはさせたく無い。」
私は知らず知らずのうちに泣き声だった。
彩月は泣き声だった。
きっと、守れなかった事に対する悔しさと辛さと痛さでぐちゃぐちゃになってるんだろう。
彩月は人一倍優しく、慈愛に満ちている人だ。
責任感も強い。だから、辛いんだろう。
「大丈夫。一緒に背負うから、一緒に戦うから。」
無責任かもしれない。でも、一緒に運命を共にしたい。
「…うん…/ありがと…」
少し照れくさそうに笑う彩月は儚く、綺麗でそんな君が愛しい。そう思った。
鈍い音がして起き上がる。
全身が痛い。そっか…僕、襲われたんだ…。涙が止まらない。なんで…?
鈍い音が聞こえた方を向くと、扉が吹っ飛んだ。
『…抵抗しても意味はないんだ。現に一人は契りを結んだからな。』
「…間に合わなかったか…。」
「仁を離せ。」
彩月の後ろに誰かいる。
「…っき…うし…ゲホ」
声が…出ない…
「あら♡誰にそんな口聞いてるの?妖尾ちゃん♡」
「…チッ。女装野郎が。あの日、私を襲ったくせに。何いいやがんだクズ。」
彩月はもうブチ切れている。
ってか、女じゃないのか、猫又。
「…猫又は、“猫を被る”のよ。」
「…知るかよ。」
樹月は?樹月は何処?
「じゃあ、いい事教えてあげるわ。猫又、“狐はね、人を、化かすんだよ”。知っていた?」
そう、彩月が言った瞬間、樹月が猫又を峰打ちした。
『やはり、甘いな、君らは。』
「…痛っ…くは…」
「フッぅ…」
『その首輪には電流が流れると言ったが、もう一つ機能がある。それは…“薬品注入”』
薬品注入?なんだそれ?
「十中八九、毒針が入ってるって事だろ。」
「それが私たちの首に刺さって発動する。違うか?」
『確かにその通りだ。間違ってないよ。でも…“毒”ではないから…w』
笑ってる。あいつ、散々やっておいて…
『それに…』
「…うぁ///は…?なんだ//これ…?」
仁、なんか顔赤い…?まさか
「鬼神、テメェ媚薬盛りやがったな!まさか、あの香炉か…?」
『正解。というわけで、眠ってくれるかな?』
やべぇ、い、しき…
聖が眠った。
たぶん、睡眠薬を盛られていたのだろう。
俺たちに刺さって発動する針もおそらく睡眠薬。
次期に眠る事になる。そしたら、仁が…
「樹月、動けるか?」
「…とーぜん」
「じゃあ、3,2,1で行く。」
「3、2、1」
彩月が煙幕を出した。
『…見えない。』
その隙に聖と仁を抱えて逃げた。