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仁人side
「ん?じんちゃんどしたん?」
「その、いい加減、ちゃんと向き合った方がいい気がして」
今日は舜太に真面目な話をすると決めて家に来た。俺が舜太に告白されてそういう関係になって、キスをするようになって…それから一週間。
俺の気まずそうなそぶりを見てか、舜太も真面目な顔で俺の顔を覗き込む
「うん、ちゃんと話聞くよ。何?」
舜太はこういう時はちゃんと俺の言葉を聞いてくれる。普段天然でバカだけど意外と察しがいい。
というより、この関係になった事で俺のことをよくわかるようになったのだろう。
言葉に出すのを躊躇うが思い切って口にだす。
「……その、せ…セックスとか、のことをだな……」
言った途端、舜太が目を丸くする。しかしその後すぐにやわらかな表情になって笑う。
「じんちゃんも考えてくれてたんや」
「だってそれは、俺も男だし…… 」
「嬉しいわぁ、じんちゃん嫌がるかなと思ててん。積極的なんやね」
その言葉に耳が赤くなる。恥ずかしい。でもしょうがない。
「積極的も何も年上なんだからリードするのは当然だろ」
「え?」
「…え?」
時が、止まった。
舜太が怪訝な顔で俺の顔を見つめてくる。
「リード……、ってさ、どういう意味で考えてる?」
「え?だからその、男側だろ」
目を見て言えない。舜太が俺の肩に手を回してくる。
「何それ、じんちゃんがタチって言うこと?」
「そ、そりゃそうだろ。年上なんだから」
「年齢なんて関係あらへんよ?じんちゃん自分がタチだと思ってたん?」
ふ、と笑った舜太がそんなことを言ってくる。思わずその顔を見た。目を細めて妖艶に笑っていて、すこしドキッとする。
「なんだよ、それ」
「こーんなに可愛くて、俺のキスにいつも溺れそうになってゼェハァ言ってとろーんって顔して、女の子みたいにえっちな顔で「もっとしたい」なんて抱きついてくる子がタチなんてできるの?」
「なっ…!」
自分たちの今まで行為が一気に頭をよぎる。実際そうだった。舜太にリードされていいようにされてばかりだった。
だからこの時は年上として威厳を見せる、そう思っていた。
「そんな可愛い子がタチなんて出来ると思うん?」
「できる、し」
舜太に至近距離で言われて上手く言葉が出ない。年上の威厳はどこにいった。
これじゃいつも通りじゃないか。
「大体何で俺が下なんだよ、一番ないだろ…!」
「上とか下って言い方やめようや〜俺が愛でる方で、じんちゃんが愛られる方な?」
「もっと嫌だわその言い方…」
頭を抱える。何でこいつは変に楽天的なのだ。
「えーじゃあ…」
「言葉の問題じゃなくて!」
きりがないので話題を断ち切って、舜太に体ごと向き直る。
「それって俺が…その、女役ってことだろ…絶対無理だって…」
「何で?こーんなにかわええのに」
「かわいくねえよ!」
「かわええよ、すっごく」
うっとりした顔で頬を撫でられる。まずい。これではいつも通りだ。
咄嗟に俺は舜太を精一杯の力で押し倒した。
俺だって経験がない訳ではない。でも状況が違いすぎる。だって相手男だし、舜太だし…。
ドラマでこういう役を演じたことはあったがあれは演技で、素の俺がどうすればいいのか…。
「ふうん、ええで」
悩んでいると舜太からそんな言葉が飛んでくる。
「俺の事攻めてみてよ、じんちゃん。俺がテストしたる」
余裕な笑みを浮かべる舜太を見て、見下ろしてるはずなのに見下ろされてるような気分になる。
挑発的な表情に怒りを覚えると同時に興奮する。自分の中のいやらしい感情が熱くなるのを感じる。
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舜太side
当たり前のようにじんちゃんを抱くつもりでいたので突然の告白にはびっくりした。
でもそれよりじんちゃんが”そういうこと”をしたがってるのが分かってすごくすごく嬉しくて興奮した。
でもな、これだけは譲れへんで?
とにかく意地を張るように言うじんちゃんが可愛くてたまらなかった。
「何生意気なことを……」
挑戦的な顔で見つめるとじんちゃんはムキになった様な顔をする。分かりやすい。
しばらくウジウジしていたが覚悟を決めたように目を閉じて、俺の唇に自分の唇を重ねる。
軽いキス。ちゅ、ちゅと啄むようにキスをする。
その後一瞬下を向く。意を決したのかもう一度キスしてきた。今度は深く。じんちゃんのキスはとても不器用だ。
おそるおそる、でも必死で舌を絡ませてくるが苦しそうで、それがまた愛おしい。目を開けたままその表情を見つめる 。
じんちゃんは見られてるなんて思わず必死な顔をしていてとてもかわいい。
口を離すと唾液の糸がつうとつたる。自分からしたのに息切れするじんちゃんを見て自分の理性がきれるのがわかった。
「どうだ、俺だってちゃんと…んっ」
苦しそうな表情を隠して自慢げに言うじんちゃんの唇に激しく口付ける。
びっくりしたじんちゃんの表情を見てさらにたまらない気持ちになる。さらに舌を絡ませて蹂躙する。
もっともっといじめたくなる。何でそんなに可愛いん?俺をこんなにさせるん?
我慢してるのに爆発しそうになるやん。無意識に誘うの、本当に悪い子や…。
じんちゃんがギブアップを訴えるように背中をどんどんと叩いてくる。名残惜しいが唇を離した。
「おま……はなしが、…ちが………」
息が切れてまともに話せないじんちゃんを押し倒す。
「そんなに可愛い態度とられたら我慢できひんわ」
上半身をゆっくりと撫でると声を抑えるようにビクビクを体を反応させる。
「あ、まって、しゅん、た」
怯えるような声で言うじんちゃんに余計欲情を掻き立てられる。本当に止めようとしてるん?それ
じんちゃんの顔を見るとちょっと泣きそうになっていた。きゅるきゅるした瞳で見つめられて、その姿に自分の欲望を抑え込む。
「ちゃんと分かった?自分が”どっち側”か」
「っ……う」
「分からへんならもっと教えたげるで、体の方に」
じんちゃんの下半身に手を移動させて太ももを撫でる。
「わっ分かったから!」
じんちゃんは手を振り払って俺の下から抜け出し、小動物のように隅っこに逃げる。
本当にかわええなぁ…。
「ひどいなぁ、俺は教えてあげただけやのに」
そう言うと抗議の目線を向けられる。こういうことをしても強気なのがまた愛おしくなってしまう。
「もうせんから、こっちおいで」
「………」
おそるおそる近づいて隣に座るじんちゃんの頭を撫でるとイラッとしたようで手を振り払われる。
これはしばらく怒られてお預けされてまうかなぁ。
「…ほんと、バカじゃねえの。お前の趣味意味わかんねえ」
「バカでもええよ、じんちゃんといられるなら」
そう言うとじんちゃんの横顔が赤くなる。可愛くてついキスしたくなるが我慢して優しく抱きしめる。
そうすると安心したのかじんちゃんはおとなしく頭を俺に預けた。
「…本番は今度、な」
「っ………」
体が固まるが反論はしない。これが精一杯のじんちゃんの素直さなのだ。
いつ仕掛けるか考えてじんちゃんに見えないようにほくそえんだ。