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ある夏のこと。蒸し暑くて、セミがうるさくて、でも風が心地よくて。
そんなある夏のこと。
この物語の主人公、杏は明日から始まる夏祭りに心を躍らせながら親友で幼なじみの瑞華と談笑をしていた。「はぁ~みんな、彼氏と夏祭り行くんだろーなー」なんて瑞華はブツブツ呟いている。「ってゆーか瑞華彼氏いなかったっけ?あの二年の先輩」そう聞くと瑞華は当たり前のようにもう別れたと私に告げる。そんな話をしているうちにチャイムが鳴ってクラスメイトが自分の席に戻っていく。私も瑞華の机から離れて元の席に戻っていった。
六時間目が終わってホームルームが終わって、今日は掃除がない日だったので教室から人がだんだんい減っていく。すると後ろから「おーい、杏。あと瑞華。こっち来いよ」と、元気な声が聞こえてくる。振り向くとよく肌が焼けた短髪の青年が立っている。この青年の名前は俊介。俊介も私の幼なじみの一人だ。俊介の後ろには気だるけな虎太郎と眼鏡をかけている竜斗の姿も。「“あと”って何よ“あと”って私はおまけ?」と不貞腐れながら俊介の方に歩いていく瑞華の後を私は追っていった。すると虎太郎が口を開き「お前ら“ハナアソビ”って知ってるか?」と聞いてきた。
もう教室にはこの五人しか残っていない。短くて長い、そんな夏が始まろうとしている。