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その次の日から噂のヤンキーの調査は始まった。
やつが派手な動きをしてくれているお陰で一日でも大まかな情報は集まった。
手元にあるメモノートを開く。
名前:ドット・バレット
生年月日:2009年 4月1日(牡羊座)
血液型:B型
身長:178cm
部活動:無所属
見た目:赤い髪をバンダナで上にあげている。シャツのボタンを上から2つ開けていてガラが悪い。
交友関係:“フィン・エイムズ”、“マッシュ・バーンデッド”の二人と話している姿が度々見られた。
意外だった。交友関係が。
ああいうタイプ、いわゆる“陽キャ”と呼ばれるやつはヤンキー仲間と騒ぎ散らかしていると思っていたのだが…
マッシュ・バーンデッドというやつは幾度か学校の設備を壊して教師に呼びだしを食らうような、ヤンキーほどではないが問題児ではあるだろう。
しかし、フィン・エイムズ。この男は成績はギリギリだと聞いたが、それ以外に目立ったことはない。強いて言うなら優秀な兄がいることくらいだが、それがヤンキーと絡む理由にはならない。
ヤンキーとマッシュ・バーンデッドが絡むのは分かる。が、フィン・エイムズ。お前はどうしてそのメンツの中にいるんだ?
悶々としているとふと“ある物”がない事に気がつく。
ない、ない…?
俺のロケットペンダントがない!?
どこに落とした?肌身離さず持っていたのに。まさか放課後まで気づかなかったのか…?この俺が。
意味はないだろうが窓の外を見る。ここからはウサギ小屋しか見られない。はずだ、が。
「…ドット・バレット?と、フィン・エイムズ?」
ウサギ小屋の前にいる人影に見覚えがあった。
先程考えていた二人だ。
何故ウサギ小屋なんかに…?
よくよく見てみるとフィン・エイムズの手の中に俺が探し求めていたものがあるではないか。
「っおい!!そこを動くなっ!!」
窓の外から大声を出しすぐウサギ小屋へ向かった。