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「ケホッケホッ……。はぁ…寒くなって来たな…。」
普段のヘッドホンを耳あてに変え、普段のパーカーの上からマフラーを巻く。それでも隠せていない顔に風が吹き付け、かなり寒く感じる。
ついこの前まであんなにもあたりは騒がしかったのに、冬の寒さで動物達も殆ど居ないようだ。
「早くお店の中行こ…。」
センサーに感知され、自動ドアが一人でに動く。こんぐらい動いてたら寒くないだろうな。と、思いつつ足を中に踏み入れる。
暖房の効いた店の中では、マフラーを邪魔に感じるほど暖かく、いつもより人が密集しているように見える。外が静かだったのはきっと中に多くの人が集まったからだろう。人の集団を横目に、二階の目的地へと向かう。
欲しかったものも買い終わり、丁度近くにあったイートインスペースでさっきついでに買ったいつも飲まないようなコーヒーに砂糖を入れかき混ぜる。
「あつっ…!」
カップを持とうとし、側面を触ったときそこまで熱くなかったが普段実況でオーバーリアクションをするからか、少し大きめな反応をしてしまう。幸いにも周りの人達は気付いて居ないようで、連れと話したり、スマホをいじったりしている。
落ち着いてもう一度カップを持つ。一度触れば大した事ない熱さだ。ただ飲むとき猫舌の僕じゃ火傷するかもと思い、ふー…ふー…と中のコーヒーを冷ます。その間も手に熱が伝わり、この状態なら外も寒くなさそうと思ってしまう。
ある程度冷ましたコーヒーを一口飲む。体の芯から温まる様な気がしてとても気分が良い。ふと顔を上げると、既に数時間が経過してしまっていた。残ってるコーヒーを一気に飲み、買ったものを手に持つ。
「こんな気分を味わえるならコーヒーも悪くないかな。」
この日以降彼がコーヒーを飲む回数は増えた。ただブラックは飲めないと嘆いているが。