『ねぇ、母さん?母さんの顔ってーーーー』
『ねぇ、母さん?僕の顔ってーーーー』
!!!
深夜2時半、汗だくで目を覚ました高校二年生、金田 光(かなた こう)
またあの夢か…..
突然だが、僕は母さんの顔が見えない、見たことがない
それは、生まれつき目が見えないとか、生まれてすぐ母さんが死んじゃったとか、そんなんじゃない。僕の目はバッチリ見えるし、母さんもちゃんと生きてる。じゃあ何故見えないのか、僕にもちゃんとした理由は分からないんだけど、僕の母さんの顔にはもやがかかっている。いや、僕が見る母さんの顔にはモヤがかかっているの方が正しいかな。皆にはちゃんと見えてるらしい。そして、このことを知っているのは僕だけ、母さんや他の人には言ったことがない。母さんにそんなこと言ったら大パニックだし、そもそも誰にも信じて貰えないだろう。母親の顔を見た事がないなんて大変なことが沢山あるだろうと思った?そうだよね。だけど、そんな経験1回もしたことない、不思議なことにね。学校で、母さんの似顔絵を描くっていう授業があったんだ、もちろん僕は母さんの顔を見たことないわけだからそんなの描けるわけない。でも、その授業の日、僕はちょうどインフルエンザになって、1週間学校を休んだんだ、学校に戻った時にはもう似顔絵の授業は終わってた。
こんなふうに、仕組まれたかのように僕は困り事を回避してきた。だから僕はこのことを結構受け入れている。
とはいえ、この夢はもう嫌だよ、良くよく考えると悪夢のようには思えないけど、起きた時は心臓がバクバク、汗もすごいんだ。
それにしても、『ねぇ、母さん?母さんの顔ってーーーー』は母さんの顔が見えないってことが言いたいんだろう?だけどさ、『ねぇ、母さん?僕の顔ってーーーー』って何なんだろ?まあ、ただの夢だし、深い意味なんてないのかな?
あ、そうだ、僕にはもうひとつ不思議なことがあるんだ、僕はここ1年より前の記憶が曖昧なんだ、小学校を卒業して、中学校を卒業して、順調に志望校に受かって高校に入学したはずなんだけど….細かい記憶があんまり無いんだよね、これも何か関係あるのかな?とりあえずこれも誰にも言わないことにしている。大きな病気かもしれないって騒がれて、病院に連れてかれたくないしね。僕は穏便に、平和に、平凡でいたいんだ。
コメント
4件
気づいてくれー!!!!
タブレット没収された!!!!
えす!!!!なるだよ!!聞いてくれ!!!親が来て強制的に部屋戻りした!!