コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜のロビーは人影も少なく、照明が柔らかく床を照らしていた。
華はしばらく立ち止まり、胸の奥に残る鼓動を確かめる。
(律さんの言葉は厳しいけど……それ以上に、私を見てくれてる)
そう思うと、不思議と涙の跡も誇らしく思えた。
――もうただのお嬢様でいるわけにはいかない。
――ここで働く一人の人間として、律さんの隣に立ちたい。
新しい決意を胸に、華は再びカウンターへ歩き出した。
その瞳に宿る光は、昼間よりもずっと強かった。