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「ほら、気にせず触ってみなよ」
「気にせずって… 」
孝介は動かない。
あたしは立ち上がり孝介に向かって屈むと、その手を取り、胸に当てる。
「あっ、なに…を」
動かない。あたしは孝介の手のひらごと胸を揉む。
「どう?」
「どうって…や、柔らかい…」
「強く触っちゃいけないって…わかる?」
孝介はこくこくと頷く。
「ん。わかればよし」
手を離す。孝介の手はそのまま残る。あっ…
「孝介?」
「あっ、あぁ…」
ぼーっとしている。
「どうかした?」
「うん、予想以上に柔らかくて…」
ようやく手を離すと自分の手をまじまじと見ている。
「興味、出てきた?」
「う、うん…僕とは、男とは全然違うんだ…」
「そうよ。じゃあサービスでもうちょっと教えてあげようかな?」
まだまだ。本当の狙いはこんなもんじゃないからね。でも少しずつ少しずつ…
「えっ?」
「立ってみて」
あたしが一歩下がると孝介は素直に立ち上がる。
「ほら抱き締めてみなよ?」
「抱き締めるの?」
手を広げてみせるとおずおずと抱きついてくる。
「あやのちゃん…小さくなった?」
「何言ってるの?孝介が大きくなったんでしょ?」
本当に大きくなった。昔は鼻を垂らしながらあたしの後を追い掛けてきてた時もあったのに。
まぁ、小学生の時だけど。
あたしと結婚するんだって、言ってた時もあったのに。まぁ、幼稚園の時だけど。
ぎゅうっと抱き締める。
「あやのちゃん?痛いよ?」
「そうね。あんたでも痛いんだから女の子は優しく包み込むように抱き締めなさいよ」
「うん、わかった」
「ふふっ、あの孝介と抱き合う日が来るなんてね」
「あのって…ほとんど毎日会ってるじゃん?」
「いいから。あ〜ぁ、あんたに彼女が出来るなんてね。なつきもお姉ちゃんも驚くと思うよ」
「え?そうかな?」
孝介は頭をかいている。
二人ともあたしにいつ付き合うのかって聞いてくるくらいだもん。
「それにしても…ちょっと汗臭いんじゃない?これからは制汗剤とかも考えた方がいいかもね」
「あっ、うん、気を付けるよ。ありがとう」
あたしは孝介なら全然いいけどね。
「でもやっぱりっていうか…あんたって女の子のことわかってないんだ」
「ふ、普通でしょ?そんなの…」
うん、きっと普通だわ。でも…
「そう?でも座間さんと触れ合うかもしれないのにそれじゃだめよ」
「だめ…?」
「うん、だめ。だからあたしが幼馴染のよしみで出来るだけ教えといてあげるから。今後に役立ててよね?」
「あやのちゃん、そんなに僕のこと、親身になって考えてくれるなんて」
「長い付き合いだからね!」
もっと長く一緒にいられると思っていたけど…それはもう叶わないから…
「えっと、あれでしょ?胸とか体とかを触り合うのはさっきみたいに柔らかい、繊細に、って考えてやればいいから大丈夫よね?」
「え?あ、うん。大丈夫と思う。優しく、ね」
「うん。だから男には無い、特別なとこだけ教えとくから」
「え?それって…」
「そう、ここよ」
あたしは恥ずかしさが表情に出ないように、努めて平然と自分の股を指差した。
コメント
1件
第4話、読んだわ。あやのちゃんが孝介に女の子の扱いを教えるっていう設定、めっちゃリアルでドキドキした。幼馴染の距離感って難しいよね。「僕とは全然違う」って孝介が言うシーン、なんか分かるなあって思った。最後の股を指差すところ、あやのちゃんの覚悟というか…切なさも感じた。この二人、今後どうなるんだろう。続きが気になるわ🔥