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「でも僕に害意も何も無いことは分って頂けたでしょうか」
「まあ……、」
不意に彼と一瞬だけ視線が交わり、あ、と思った時には既に彼の視界に僕は映っていなかった。
それに一抹の寂しさとぼんやりした物足りなさを感じながら、何か言葉を紡ごうとしている彼の唇へと大人しく視線を置いた。
次第に彼の唇が開き、淡々と言葉を紡ぎだす。
「意識のない生き物なんか無防備そのものだ。どっかに売り付けるだかなんだかするにしてはそんな素振りも気配もなさ過ぎるし、正直俺でもその時を狙われりゃとっくに死んでると思う。なにより対人外を理解してる奴が下心持って近寄って来る時にあんな警戒解いた状態で話しかけてくるワケがない。よって?一応お前は俺の中では無罪にはなったってとこかな。オメデト」
なんとか僕の諸々の疑いは晴れたらしい。
その事にひとまず、今度こそ安堵に胸を落ち着かせた。
そんな僕の様子など一切意に介さない彼は、先程までの鋭い眼光やヒリついた空気は今は面影すら残さず霧散してさせ、髪を弄り飽きたのか今は力の抜けた表情で部屋の中を眺めていた。
彼が座る席は今の時間帯に一番光が差す位置にあるので、白い肌や白銀の髪に直接光がのっかりまるで彼自身が発光しているようにも見えた。
__日光と吸血鬼………
ふと、いつか見た書物に記されていた吸血鬼の弱点についての内容を思い出す。
その内容と彼の状態に疑問を持ちつつ、吸血鬼に問うてみる。
「その、ラグーザは日光とか大丈夫…なんですか?」
「まぁそうね。雑魚吸血鬼がどうかは知らんけど、俺ほどの吸血鬼だとそのくらいは余裕」
「その様子だとそりゃそうか……。じゃあ、大蒜や十字架や聖水は?」
「全然。てか十字架とか駄目だったら教会なんつぅ場所にいる時点で既にアウトだろ」
「……それもそうだな。ラグーザって本当に吸血鬼なんですか?」
そう言うと彼はぽかん、と呆けた顔をした。
__その顔、少し可愛いかも
「んふ、あっはっはっは!!!」
瞬きを数度したかと思えば、今度は上品な見た目からは考えられない大きな笑い声を上げる。そして何故かその笑い声に釣られてしまい、僕も笑った。
到底初対面の相手に思うような事ではないのだろうが、彼らしい笑い方だと思った。
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何度も見直して添削しまくってなんとかこの長さになりました。それでも尚って感じですね。
駄文はどう足掻いても駄文……頑張ります。
ようやっとここまで持ってきました。思う存分ダラダラしましたね。ですがご安心下さい、絶対またグダグダ致します。(((
次は少しだけ動…………くかもしれません。
動くといいな(?)