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誰も知らない、高嶺の花の裏側4
第10話 〚動き出す“守るための作戦”〛
澪視点。
保健室の空気は、いつもよりずっと張りつめていた。
海翔がそばの椅子に座って、澪の手をそっと握ってくれていた。澪は少し震えていたけれど、海翔の温かさで落ち着いてきた。
そこへ、担任・学年主任・給食センターの担当者が次々に保健室へ集まってきた。
「澪さん、さっきの“見えたもの”を、もう一度だけ確認させてほしいんだ。」
担任が優しい声で言った。
澪はゆっくり深呼吸して、スープの異変と、みんなが体調を崩しそうになった映像を、丁寧に説明した。
内容を聞いた瞬間、先生たちは真剣な顔つきになった。
「すぐに給食センターに連絡する。今日のスープは全て提供中止だ。」
「他のメニューも念のため検査します。」
その言葉で、澪は少し安心した。
⸻
その頃、廊下では…
怜央・湊・瑠斗・悠真・陽翔・えま・しおり・みさと・りあが固まって待っていた。
そこに、西園寺恒一と真壁恒一も駆けつけてきて、瑠斗が二人に状況を説明した。
恒一たちは驚きつつも真剣に頷いた。
「澪さん、大丈夫なのか…?」
「海翔がいるから安心…か。」
2人は複雑な表情をしながらも、心配が勝っていた。
⸻
保健室に戻ると
先生たちは動き回っており、海翔は澪のそばから一歩も離れない。
「澪、大丈夫だから。もうスープは出ないって。守るから。」
海翔の言葉に、澪の胸の痛みは少し和らいだ。
その時、校内放送が流れた。
『本日の給食は、急遽メニュー変更となります。スープは提供しません。生徒の皆さんはそのまま教室で待機してください。』
廊下から、生徒たちのざわめきが聞こえてくる。
海翔は澪の手をさらに強く握った。
「澪が教えてくれたから、みんな助かったんだよ。」
澪は驚いた顔で海翔を見つめる。
心臓の痛みはまだ残っていたが、その言葉で澪の表情は少しだけ柔らかくなった。
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