【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
桃視点
閉じた瞼の向こうで、もぞりと何かが動く気配を感じた。
「ん…もう朝…?」
まだ眠っていたい…そんな欲求には打ち勝てず、胸の辺りまで下がっていた羽毛布団を手繰り寄せる。
その柔らかさに身を包むと、暖かさと共にじわりと胸に幸せが広がる感覚が好きだ。
そのまま、布団の中で手を伸ばした。
目は閉じたままで、隣の気配に引きつけられるようにぴとりとくっつく。
だけどその瞬間、記憶とは異なる感覚にぱちりと目を見開いた。
「……!?」
それまで覚醒しきらなかったはずの頭が、急に明度を増していく。
それを実感しながらも、バッと飛び起きるようにして身を起こした。
…違う。抱き寄せた感触が「あいつ」じゃなかった。
…そうだ、そもそも今日は昼前に外で待ち合わせをして出かける約束をしていたから、今まろがここにいるはずがないのに。
「誰…っ」
声を上げかけた俺は、目の前の人影に視線を落として思わず息を飲んだ。
相手は相手で、この上なく目を見開ききって驚いたように俺を見つめ返している。
暗め紺色のさらさらの髪。
それと同じ瞳の色が、茫然といった感じに俺の視線と交差した。
「……まろ…?」
違うと思ったはずなのに、俺は思わずその名を呼んでいた。
だけどさっきも思った通り、引き寄せたときの体がいつもよりとても薄く感じてしまった。
腕も足も、いつもより少し細く感じる。
…そう言えば顔立ちも少しだけ幼い。
「ない……と?」
目の前の男が呼んだ名は、俺のものじゃなかった。
…いや、最初は噛んだのかと思った。
だけど違う。その名を、俺は「知っている」。
「ちょっとごめん…!」
相手のシャツを掴み、袖を勢いよくまくり上げた。
露わになったその腕にはやっぱりハート模様のタトゥー…。
そう言えばこいつが着ているワイシャツは、サラリーマンのものよりはいかにも「学生」っぽい。
「何す…」
抗議しかけて腕を引き戻そうとした相手の顔を、勢いよく両手で包みこんだ。
その目を覗き込むようにして俺が先に口を開く。
「猫宮…威風!?」
一瞬だけ躊躇したけれどはっきりとその名を口にした俺の声に、目の前の男は見開いたままの瞳を戸惑うように揺らした。
「えーすげぇ。こんなことあるんだ」
正体が分かれば怯える必要もない。
数分でいつも通りに立ち直った俺の前で、猫宮威風は未だ釈然としない顔のまま勧められたソファに座っていた。
身長は…多分まろとさほど変わらない。
そりゃそうか。活動初期に作った設定なんだから、本物のまろとそう差異があるわけがない。
「いや全然意味が分からん…ないんですけど」
敬語で言い直した猫宮に、さてどこから説明したものかと首を捻る。
こいつを作り出したのは俺達だけど、こいつからしたら俺たちの存在なんて理解できないんだろうな。
「うーん」と口元に手を当てて思案している間も、猫宮は大人しく…ただ瞳から完全に警戒心は消えないまま、立っている俺を見上げていた。
…待てよ。彼がここにいる、ということは…もしかしたらもう一つの可能性もあるんじゃないか。
そんな考えが頭をよぎった瞬間、玄関のドアが断りもなく勢いよく開かれた。
バン!と豪快な音を立てたそれに、俺と猫宮は同時に振り返る。
「ないこ! おる!?」
まだ早朝だぞ、いるに決まってんだろ…なんてのんびり返しかけたけれど、声の主がこのリビングまで到達する方が早かった。
どすどすと勢いよく立てた足音が、廊下の向こうから近づいてくる。
リビングへ入ってきたまろは、「大変なことになった!」と珍しく慌てた様子だ。
そしてその小脇には、俺にそっくりなピンク色の髪の少年を抱えていた。
コメント
2件
おぉ〜!初めて読んだ! 続きが気になるwゆっくりでいいので更新頑張ってください!
この話大好きなんです…、!!!ウェブから何度も愛読させて頂いてます…💞💞 大好きな作品がここで見られるとは幸せすぎますね…😣💘 触った感じで桃さんじゃないと気づく青さんが流石としか言えません✨✨ 青桃さんと猫乾さん達でお話を書こうと考えるその思考が天才なのですよ…1度頭の中を覗いてみたいものですꉂ🤭︎💕 青さんの方には乾さんがいらっしゃるのでは…、!続きも楽しみですっ🙌🏻︎💕