テラーノベル
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ジリリリリリ!!!
いきなり凄まじい音が館内に響き渡る。
サイレンに驚いていると、メイク室の外から聞き慣れた声が聞こえた。
マネージャー「吉田さん!居たら返事してください!」
💛「!!」
サイレンの音に驚き腕の力が弱まっていた隙を逃さず、走ってメイク室の外に飛び出る。
💛「マネージャーさん……!!」
マ「吉田さん…!!ここに居たんですね!!!……あ」
自身の姿を見て、マネージャーが息を飲んだ。
マ「間に合わなかったんですね…本当に、申し訳なかったです…。」
💛「このサイレン、マネージャーさんがやってくれたんだよね…助かった。本当にありがとうございます…今回、マジで危なかったかもしれない…」
マ「……そのようですね。」
実は、メンバーの目を掻い潜り襲われそうになったことは、今回が初めてではない。
数年前、雑誌の撮影の後、カメラマンに無理やりキスされそうになっている現場を目撃して助けに入ってくれたのがマネージャーだった。
その後も何度か危うい場面を経験したため、今ではお守りとしてボタンを押すとマネージャーに通知が入る防犯グッズを携帯しているのだ。
今回も、2人の目を掻い潜ってボタンを押せたことで命拾いした。
GPSで自分の居場所は特定できても、助けに入れる状況か判断できなかったため、緊急ベルを鳴らしてくれたらしい。
💛「マジで…本当にありがとうございます」
マ「あなた方を守るのが私の役割ですから…さぁ、他の人がここを通るかもしれませんから…とりあえず、服、直せますか…?」
💛「あ…」
中途半端に外されたボタン。解かれたネクタイ。自身の肌に色濃く残る赤い痕を見て、改めて恐怖が込み上げてしまい、手が震える。
💛「むりッ……かも。ごめんなさい…」
マ「こんなことをされては誰でも怖いです。僕が直していいですか?」
優しく声をかけられ、こくんと頷く。
怖がらせないように、優しい動作で服を直してくれる。
何事も無かったかのようにみるみる元の姿に戻っていく。
ぱっと見はいつもの自分なのに、心はどこか遠くに置いてきてしまったように感じてしまう。
マ「とりあえず…衣装であればボタンとネクタイをしっかり締めれば大丈夫ですね。見えないです。安心してください。」
💛「良かった…」
マ「この後私服に着替えてもらいますが…首元隠れますか?」
💛「あ…いや。隠せないです。どうしよう…」
マ「僕、タートルネックのセーター持ってるんで。吉田さんが嫌でなければ使いますか?」
💛「助かります…ありがとうございます…」
先程まで状況整理で必死だった頭が、少しずつ冷静さを取り戻してきた。
自分がどれだけ危険な状況であったのかという恐怖と、マネージャーによって助けられ危機を脱した安堵とで脚が震えることに気付く。
情けなくて俯いていると、ふわっと温かな腕に抱かれた。
マ「遅くなってしまって…本当にすみませんでした。」
💛「……ッ」
マ「落ち着いたら楽屋に戻りましょう。吉田さんのタイミングで大丈夫ですから。」
💛「ん…ありがとうございます…」
この人ににまた迷惑を掛けてしまった…
罪悪感を感じながら、優しさに甘えて、心が落ち着くまで抱きしめてもらった。
この姿が、メンバーに目撃されていたとは知らずに。
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