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リリア💙🤍
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璃音
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#学園
大正
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休憩を終えて探索再開だ。俺も彩花もまだまだ元気。少し眠かったが、休憩している間に目をつぶっていたら、彩花に起こされてそれで目覚めて眠気が飛んだので、これで眠くて戦えない、ということはないだろう。
再びダンジョンに戻って十層へワープ。そこから先へ向かう。さて、このインスタンスダンジョンは何層まであるのかな。とりあえず奥へ奥へと向かっていくものの、モンスターがいない方向はすでに攻略済みのルートということで、そちらへ向かうほうが早く奥まで進めると予想をし、そのまま奥へと潜り込んでいく。
「そういえば、ケンタウロス装備の着心地はどうなの? 」
「なかなか悪くないぞ。不思議な力で体に合わせて服が伸び縮みするし、靴も蹄じゃなくてちゃんと人間の足の形になってくれる。ズボンも四本足用じゃなくて二本足用の防具だし、どこをどう考えたらケンタウロスの装備なのかがわからないぐらいだ」
「それは……不思議なことね。でも、男女子供大人全部が使えるフリーサイズの装備としては効果的ね。フリーサイズを作れるかどうかの研究にもなりそうだし、そっちの方面からの研究ってのもありなのかしら」
「どうだろうな、ダンジョン装備だからってのはあるんだろうし、そこはダンジョンの不思議ってことなんじゃないのか。あんまり細かく気にしてても仕方ないような気がするが」
「でも、一種類の服を作るだけでほかの種類の服を作らなくてもいいっていうのは縫製業界の革命よ。大き目サイズで一つ作れば後は勝手に服がサイズ調整してくれるんだから、一回作れば後は同じでいいなんて便利この上ないと思うわ」
俺は個人的にはゆったり目の服を着るのが好きなので、ぴっちり装備に近いこのケンタウロス防具はちょっと動きにくいものでもあるんだが……と、頭の中で考えていると、服の締め付けが少しだけ緩くなった。どうやら、俺の意思もある程度尊重してくれるらしいな。これは便利だ。
「どうやら、結構ファジーなサイズ補正をしてくれるらしい。ちょっと緩めに……とお願いしたら服の締まりが緩くなった。さて、動きやすくなったしここからしっかり稼ぐか」
「十層の様子はどうなの? 」
「そんなに、かなあ。ただ、インスタンスダンジョンなら一層から十層まで掃除すればそのあとはめったに階層深くから外に出てくることはあまりないため、十層までが掃除されているならまずは問題なし、というところだろう」
「じゃあ、時間が来るまではみんな十層から奥へ行くのを優先するってことでいいのかしら? 後ろの安心が担保されてるなら安心して奥へ行けるわね」
「さあ、稼ぎ時だ。朝日奈には悪いが、ここからは実力で奥へ向かわせてもらおう」
聞き耳で音を聞きながら、まずは十層から十一層へ抜ける。初めてのインスタンスダンジョンでの十一層だ。ホブゴブリンが出るのか他のモンスターが出るのか、まだわからない。とりあえず足音を聞いて、大型から中型のモンスターが出てくるのは間違いないので、出てくるならオークチーフかホブゴブリンか、それともそれ相応のモンスターが出てくるのか……出会ってみるかどうかわからない。
しばらく歩いて足音に近づくと……オークチーフが現れた。どうやらオークチーフは五層中ボスか、十一層の雑魚モンスターと同レベルの力を有していたらしい。
「ふむ……ホブゴブリンで一稼ぎすると考えていたら、それ以上に稼げるモンスターが出てきたらしいな。ただ、ボスじゃない分確定ドロップではなさそうだが」
「とりあえず戦ってみましょう。確定ドロップじゃないにせよ、お金になるには間違いないはずよ」
オークチーフに【威圧】。いつも通り威圧にかかって動けなくなっている間に彩花が倒し、ドロップを確認する。どうやら、通常階層で出会うオークチーフは魔石確定ドロップではないらしい。ドロップ率はふつう、ということだろう。
「確定ドロップじゃないのは残念だが、ドロップが同じならスキルスクロール狙いや肉塊狙いでつぶしていくのも悪くないかもしれないな。しばらく十一層をうろつくか? 」
「それも悪くないけど、個人的には何層までこのインスタンスダンジョンが続いているかも知りたいからな。ここはそこそこで進んでいこうか」
「普段ドロップボロボロ落ちてくれる分だけなんだか寂しい気はするわね」
「まあ、あそこが特別なだけともいうからな。まあ、あまり期待せずにいくことにしよう。うっかりでかいドロップ品が出てからでも遅くはない」
オークチーフが出てくるということは、そっちの道はハズレ。足音は【聞き耳】である程度判別できるのでしっかりと地図を頭の中に描きながら進んでいく。帰り道で迷う可能性もあるが、最悪インスタンスダンジョンの消滅の余波で押し出されて帰る、ということも可能なのでそれを頭に入れていくことにしよう。
十一層を20分ほどで歩き抜けて、十二層へ。こっちは完全に足音も骨のこすれるような音も聞こえないので、十二層はきれいに掃除されているらしい。まいったな、掃除が完ぺきなおかげで逆に進みづらくなっている。
何の物音もしない……とまではいわないが、かすかな空気の流れとまだかろうじて生き残っていたスケルトンを相手にしつつ歩みを進める。やはり、このインスタンスダンジョンは大学ダンジョンに比べて狭い。その分モンスターが多いのか少ないのかはわからないが、モンスターが多いならそれだけ討ち漏らしも多いはずなのでその分時間がかかっていてもおかしくない。
ダンジョンが発生したであろう時間とここに来るまでの時間、それから探索にかかった時間を考えると、やはりモンスター密度は高めであったであろうことは考えられる。狭くて密度が高く、稼げるダンジョンだったんだろうな。まあ、稼ぎの面で言えば専用ダンジョンを上回ることはないのだろうが……な。
十二層を歩き抜けて十三層にまもなく到着するらしい。十三層もそのまま綺麗にしてくれてあればいいんだが、ゲコゲコがうるさすぎて一番迷いそうなところでもある。静かな道を探して十四層にたどり着くことができるだろうか。あんまりうるさいと相変わらず耳をふさいで通り抜けなければならないのだろう。
そして十三層に入るが、思ったよりゲコゲコ音は小さかった。どうやら俺と同じことを考えたやつが倒して回った結果なのだろう。ありがたいことだが手持無沙汰の現状にとっては少々面倒くさい、いや逆に面倒がなさ過ぎて歩き通しになっている。
時々残っているバブルフロッグを倒すと、たまたまだろうが魔石が出た。これで……うーん、稼ぎとしては程遠いものになるな。時計を確認して金額を計算する。
「ダンジョンに入り始めて5時間……その間に入手したのは魔石合計2個か。このままだとジリ貧だな」
「ジリ貧というよりはくたびれもうけね。金額的に言うと時給500円ぐらいになるのかしら。ここまで安いとちょっと嫌になるわね」
「まあ、義務を遂行してて稼げるんだと考えればいい。今日参加しておけば次回さぼったりしても怒られたり咎められたりはしないだろう。学業の隙間でできる限り参加してますよ、というポーズはできているわけだからな」
「普段充分稼いでる分、周りの人に力を貸す義務がある? 」
「まあ、近いものだな。ダンジョンというシステムがどういう理由でこの世界に誕生して、それにどんな意味があるかどうかもわからないが、とりあえず、今の自分にはダンジョンを潜り続けるだけの力がある。それだけでも充分に力を貸す理由になるんだ、できる限りの力を出そうじゃないの」
十三層でゲコゲコ言ってるモンスターを時々倒していると、魔石をまたぽろっと落としてくれた。これで……時給がちょっと上がったな。十四層、十五層と潜っていくうちに討ち漏らしは増えてくるはずだ。その討ち漏らしで稼いで小遣いを増やしていこう。
十三層を抜けて十四層に到着。どうやらまだ深くまでダンジョンは続いているらしい。このぐらいの階層のダンジョンが大学のすぐ近くに発生するのは珍しいんじゃないかな。確か講義で習った範囲では、インスタンスダンジョンはノーマライズダンジョンの近くに出来上がる時は浅いか狭いかという法則があるというのが現在のダンジョン学では基礎ではある。
もしかしたら、やたら狭くて深いダンジョン、ということでここにダンジョンが発生しているのだろうとは思うが、それにしても極端なダンジョンができたものだな。
おっと、トレントだ。マジックミサイルで蔓をバキバキに折った後、本体にも攻撃。マジックミサイルの四連攻撃で一気にトレントの体力を削り切った。どうやらスキルレベルも20を超えると相当のダメージ量になるらしいな。
「楽そうでいいわね。私の火魔法でも同じことできるのかしら」
「火力が足りれば、かなあ。あとはトレントがどれだけ燃えやすいかにもよる。生木だったら燃えないし、枯れ木だったら簡単に燃えてくれるんじゃないか? そういう仕組みまで考えられているかどうかはダンジョンに聞かないとわからないところだけどな」
次のトレントが出ていたので、彩花が前に出て、トレントの蔓が届く前に火魔法をしっかり撃ち放ってトレントを燃やし始める。どうやら蔓の先端は枯れ木設定になっているらしく、すぐに燃えて崩れていっているが、本体はそうではなく、徐々に燃えていく、というような仕組みになっているらしい。
トレントはそのまましばらく燃え続ければ倒せるだろうが、それでは時間がかかりすぎると判断したのか、彩花は火魔法を途中で止めてトレント本体を攻撃し始めた。
数回切りつけた後、焦げた表皮を削り落とすようにして内側の皮層部分を露出させると、そこに向かって追撃の攻撃と、剣にまとわせた火魔法で焼き切るようにしてトレントを倒していく。もともと火力過剰であった彩花の攻撃でトレントをすっぱり切り倒すと、トレントは黒い霧になって消滅した。
「うーん、もっとスマートに戦いたいところね。やっぱり火魔法を剣にまとわせて電熱線カッターみたいにして倒していくほうが効率いいのかしら? 」
「とりあえず最小手数で倒すのか、それとも遠距離だけで倒すのか、最短時間で戦うのか。それぞれで考えてみればいいんじゃないかな。その中で自分に合ったスタイルを見つけていくといい。まだどの攻撃方法が合ってるかはわからないんだし、しっかり戦っていけばそのうち正解が分かるようになるさ」
コメント
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第265話、読み終わりました!いつも通りのんびりした探索かと思いきや、オークチーフが出てきたり、トレントの燃え方の差に彩花さんが悩んだりと、会話に深みが出てきましたね。特に「自分に合ったスタイルを見つける」という台詞が染みました。あと、ケンタウロス装備が意思でサイズ調整してくれるのは便利すぎますね…!今日もお疲れさまでした🌷