まずは唇ひとつ、触れる程度のキスをした。
今日は後ろを弄ってみようとぐち逸に提案し、数秒硬直した後了承されたのが数十分前のこと。
早速今、服を脱がされたぐち逸が俺の上で向き合って座っている。ん~~悪くない眺め。
「まあいつも通り抜き合う中で指も挿れてみよっかーって感じだから」
「はい」
「いつも通りに」
「はい」
と、一応返事はしつつ彼はガチガチである。
とりあえずリラックスさせる為に身体中にちゅ、ちゅ、と口付けをした。
一周して最後にもう一度唇するため眼鏡を外してやると、ぐち逸と目が合う。俺が笑うより先に、ぐち逸が俺の頬を手のひらで包んで、唇にキスをしてきた。
はじめてキスしたとき以来無かった、ぐち逸からのキス。
「え~~?ぐちいつぅ~~??♡」
「……続けてください」
素直じゃないなと微笑んだ。ぐち逸にとってはこれが、”今からやることは享受できるから来い”という意思表示なのだろう。
続けて啄むようなキスをしながら、ぐち逸の向こうにあるローションを右手に出して体温で温める。
ぐち逸の様子を見ながら、とりあえず今日は指1本入れることを目標にしよう。
今は無理させちゃいけない。信用がなくなると、慣れてきた頃にめちゃくちゃにさせてくれないから。
「触ってみるよ?」
「っ……はい」
ぐち逸の腰に腕を回す。左手は尻に添え、ローションの絡まった右手の中指で周辺を円を描いてなぞった。馴染んできたところで狭く締まるそこをグッと指で押してみる。
「痛い?」
「痛くはありません。異物感は、ありますが」
「そう。……口開けて?」
素直に開いたその口にそのまま舌を入れて深くキスをした。ぐち逸にはそっちに集中させておいて、右手も少しずつ動かす。
元々、男のナカってのは入るように、気持ちよく感じられるように出来てない。だからこうやってキスをして、今感じてる快楽が上か下か、どちらによって与えられるのかわからなくさせて、後ろが気持ち良いんじゃないかって思わせる。
この前ローションガーゼをやってみた時もこっそり少し彼の後ろを弄ってみたけど、その時はどうやら本当に気づいてなさそうだった。
何かに夢中になるって恐ろしいことだ。まあ大丈夫、俺には夢中になっても安心だから。
ディープキスで息が切れてきたら次は頬に、耳に、首に軽いキスをしたり舐めたりして、快楽が絶えないようにする。
そもそもキスに慣れていないぐち逸はディープキスに精一杯で、良い感じに後ろを意識しすぎていないようだった。
「んくっ……はぁっ、レダーさん」
「はいー?」
「……前も、さわっていいですか」
……お前、今日ノリノリじゃん。
「いーよ。俺手空いてないから、ぐち逸がやってみて?」
口の端から涎垂らして目溶かしてるお前が、まともにできるか知んないけど。
ぐち逸は自分のものを手のひらで包んでゆっくり動かす。指を中に挿れてる状態ではあるけど、自慰を見てるみたいですごくかわいい。
「ふ、んっ……ゔ♡」
「ねえ、おれのも」
「っあ……は、い」
そうねだると、ぐち逸は両手で2人のを一緒に包んで擦る。モノ同士ざ触れたところが熱くて溶けてしまいそうだった。それ俺がやってやったことあるけど、気に入ってたんだろうか。
ぐち逸の動きに合わせて、後ろに挿れた指も窮屈なナカを広げるように動かす。割ともう指1本は馴染んできて、ぐち逸の内側の体温や呼吸にともなう筋肉の動きを感じ取れた。
「は、ふっ♡れださ……出し、たい」
「んっ……イく?いいよ。ほら、擦りな」
「できませっ……最後は貴方に、してほしい」
限界を感じているのか、稀に見ないかわいいことを言ってくる。まあ後ろもいい感じに弄れたし十分か。というか俺自身が、唾液と汗まみれで真っ赤になってるぐち逸を見てると……まあ、流石に堪えるものがある。
「っ、一緒にイっちゃおうねえ?」
後ろに挿れた指を抜いて、十分勃った2人のものの先端を、まとめて手のひらでぐりぐりと潰した。
「はっ、ひ、~~~~っ!!?♡」
「っくあ、俺もっ……」
2人分の液が溢れ出した。それぞれの手、腹、胸を、どちらのものか分からないそれが汚した。
果てた余韻でぐち逸がふらっと後ろに倒れ込んで、ベッドに沈んだ。はあ、はあと天井を見て息を整えている。
気分的にはもう1回抜きたかったけど、まあ進捗としては上々だろう。俺たちが繋がれる日も遠くは無い。
「お疲れ。ぐち逸」
晒されたその喉に口付けた。
ぐち逸は俺を見てゆっくりと、可愛げなく笑った。
次回同時に数話更新で最終話になりそうです。
その後数日経過したらフォロワー限定公開、さらに経過でタグを編集する予定です。
コメント
2件
こちらの作品きっかけにTERROR入れました。 終わってしまうのは悲しいですが、最終回も楽しみです!
了解です! このシリーズ好き過ぎて終わってしまうの寂しいですが、最終話も楽しみにしてます( *´꒳`* )