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「おはよう、そーちゃん」
そう言って笑ったのは紛れもない
あの時確かに命落としたはずの
「姉上…?」
沖田ミツバだった
「なんで…」
「なんでって、今日は稽古があるでしょう?早く行かないと怒られるわよ」
どうしてここにミツバが居て、どうして沖田は武州にいるのか、それを考えている間にも時間はすぎて道場の近藤さんがわざわざ家まで迎えに来た
そこでいつもの逞しい顔つきよりも少し若くなったかのような姿を見て沖田は自覚した。
沖田はタイムスリップでもしたということを
だがタイムスリップと言うにはあまりにも信じられない。
前までは手も豆だらけで背中に深い傷跡も残っていたのに今の姿を見ると綺麗さっぱりなくなっていて、それにいつも見る自分よりも若返った姿に混乱を隠せない
「あねう」
「おぉ総悟!遅刻だぞ」
「ちゃんと道場に来い!」
「近藤さん、」
その目には顔の傷跡もない若き日のゴリ…近藤が映っていた。
瞳を潤ませるのに耐えて道場への道を突き進む
「ああ、そうだ総悟」
「うちの道場に新しく門下生が入ることになった」
「道場破りに来たやつなんだがな。腕が立つ奴だったから道場に入ってもらった」
近藤がそういった途端に沖田の顔に焦りが見え始める。
「近藤さん!今日って何日ですかィ!」
「今日?6月6日だが…」
6月6日はあの土方が道場破りに来て門下生となる日。
土方をどうコテンパンにボコしてやろうか
そんなことを頭の中で色々考え続けるといつの間にか道場に着いていた。
道場の前にいた男は沖田なんて眼中に無いかのように近藤に話しかける
「近藤さん、稽古つけてください」
そういった男は紛れもない、長い髪を結っているその立ち姿は忘れもしない。土方十四郎であった
「ん?何だこのガキ」
「トシ、こいつは総悟だ。最年少だが道場一番の件の使い手だ」
「こんなガキが?嘘だろ」
ガキ、と沖田に言った土方に表情で怒りを表しながらも、力でねじ伏せるという考えに陥った
「そんなに言うなら試してみますかィ?受けて立ちますぜ」
「…沖田、手合わせ願う」
ムカついたからつい言ってしまった言葉で手合わせすることになってしまった。面倒くさい
などと言いながらも
沖田は土方に負けるとは思ってなかった。
「はぁ!!」
手合わせが終わり地に着いたのは土方ではなく、沖田だった。
まさかタイムスリップしたことでウデマエも前と同じになっている?だが、沖田は覚えているのだ。今までに切った攘夷志士を。
今までした鍛錬を。
土方に負けた沖田は自らに怒りながらも道場を走って出て行ってしまった。
近藤が何か言っているようだが無視して道のりを駆ける。
沖田がやっと足を止めたのは山奥の森の中だった。
「…どこでぃ、ここ」
どこか分からない、だがそんなこと気にしてる暇もない、土方に負けた己を咎めるように、道場から出る時もずっと握りしめていた竹刀で素振りを始めた。
そこにあった木を切りたおすつもりで切ってもビクともしないどころか傷すらつかない。
「どうしちまったんでぃ!」
この体じゃ近藤さんを守るどころか自分すら守れないと思った沖田は力いっぱい木を殴りつける。
木はそれもビクともせず沖田の手から少しの血が流れるだけだった。
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pixivでちょくちょく書いていたものなんですがなかなか筆が進まないということで逃げ道をなくすためにもテラーの方で途中までのものを挙げさせてもらいます。
文字数ほんとに少ない1500です
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