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2 - 二 . 停戦交渉

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555

2025年12月21日

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敵国の城は、祈りを拒むようにそびえ立っていた 。

石と鉄で組まれた城壁は武骨で、装飾らしい装飾はない 。

そこにあるのは、勝つための合理と踏み潰された歴史の重みだった 。


琥珀の王子は馬から降り、城門を見上げた 。

胸の奥で、微かなざわめきが生まれる 。


____ 引き返すなら、今だ 。


しかし、琥珀の王子の足は止まらなかった 。

堂々とした態度で、敵国の地を踏みしめていく 。

自分がここに立つ意味を、誰よりも理解しているからだ 。


城内を案内され、長い廊下を進んでいく 。

護衛の数は、いつの間にか減っていた 。

気づいてはいたが、琥珀の王子は何も言わなかった 。


謁見の間は広く、天井が高い 。

だが光は少なく、冷たい空気で満ちている 。


玉座の前に立つ人物を見た瞬間、琥珀の王子は息を呑んだ 。


____ あの人が 。


軍事大国の第1王子 。

戦場の英雄 。

数え切れないほどの死の上に立つ、敵国の象徴 。


噂通り、感情を読めない顔をしていた 。

鎧ではなく、簡素な正装 。

それがかえって、剣より鋭く見える 。


「… よく来たな」


低く、ブレの無い声 。

歓迎とも威圧ともつかない 。


琥珀の王子は1歩前に出て、深く礼をした 。


「魔法・信仰国家の王子として参りました 。」

「… 停戦の可能性を話し合うために 。」


一瞬、視線が絡む 。

その目は、まるで人を敵か道具かでしか見ていないようだった 。


それに反抗するように、琥珀の王子は視線を逸らさなかった 。


数十秒間の沈黙が続く 。

その沈黙を割いたのは翡翠の王子だった 。


「… まぁ、座れ」

「立って話をするような場ではあらへんからな 。」


「… 失礼致します 。」


琥珀の王子は、言われた通りに翡翠の王子の目の前の椅子に腰を掛ける 。


「要件は?」


翡翠の王子の低い声に少し怯えつつ、琥珀の王子は口を開く 。


「これ以上、命が失われる必要はありません」

「どうか、戦を終わらせる選択を 。」


静寂 。

そして、翡翠の王子はわずかに目を細めた 。


「… 美辞麗句だな 。」

「だが、御前が来たという事実は評価する」


その言葉に、琥珀の王子は胸の奥で安堵する 。

____ 話は、通じる

そう思ってしまった 。




交渉の話は淡々と進んだ 。

条件、譲歩、互いの損失 。

琥珀の王子は誠実に言葉を重ね、魔法による支援まで含めた提案をした 。


だが、空気はどこか歪んでいた 。


____ 視線が多すぎる 。

兵の配置が不自然だ 。


琥珀の王子がそれに気付いたところでは、もう遅かった 。


「… 王子陛下 。」


背後から声を掛けられる 。

振り返った瞬間、魔法陣が足元に展開される 。


封印魔法だ 。

それも、信仰国家の術式を研究し尽くしたもの 。


「ッ … “!!」


体から力が抜け、膝をつく 。

護衛たちの叫び声が聞こえるが、次々に取り押さえられていく 。


「な … んで ッ 、」


琥珀の王子の視線が、翡翠の王子を捉える 。


翡翠の王子は動かなかった 。

驚きも、戸惑いも見せず、ただ静かに告げる 。


「… 停戦交渉は、成立しない」

「御前が此処に来た時点でな 。」


その言葉で、全てを悟った 。


____ 最初から、捉えるつもりだった 。


兵士たちに腕を取られ、立たされる 。

鎖を巻かれ、冷たい感触が肌に食い込んでくる 。


それでも、琥珀の王子は声を荒らげることはなかった 。


「… 俺のことを捕らえたとしても、」

「戦争は終わりません 。」


翡翠の王子は、ほんの一瞬だけ視線を逸らす 。

そして、感情抑えたような低い声で言う 。


「… それでもええ 。」

「御前が居れば、勝てる 。」


その言葉は、王子のしても判断だった 。

人としての感情を、切り捨てたような低音 。


琥珀の王子は微かに笑って見せた 。


「… そうですか 、」


それが、

王子のしても最後の自由の言葉だった 。


連行される途中、琥珀の王子はふと振り返る 。

翡翠の王子は、まだその場に立っていた 。


その瞳が、一瞬だけ揺らいだように見えたのは ____

きっと、気の所為だ 。





この日から 、

琥珀の王子の生活は、「捕虜」としてのものに変わる 。


そして 、

彼を監視する役目を与えられるのが、

他ならぬ ____ あの、翡翠の王子なのだ 。




✄────────────✄



頑張りました…!

言葉の意味とか調べながら書いてます!

ハート指定させていただきます。


𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ 150♡

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