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#スクラッチャーズ
K-Takasaka
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K-Takasaka
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第二ゲームのステージへ続く扉が開いた。
その先に広がっていたのは、無人の都市だった。
高層ビル、信号機、道路、地下鉄の入口。街の形は普通だが、人の姿はどこにもない。
そして、地面には赤いマス目が浮かんでいた。
『歩行を検知した地点は、三秒後に爆発します』
アナウンスが流れる。
「歩くだけで爆発するの!?」
メバルが叫んだ。
『走行、跳躍、転倒など、足裏の接地を伴う移動も判定対象です』
「走っても跳んでも駄目じゃない!」
マサカゲが周囲を確認した。
「地面に触れた場所が危険になる。移動方法を考えないと、数分も持たないな」
アオノが赤いマスを分析する。
「爆発までの時間は、場所によって異なる。色の濃い地点ほど早い」
「薄い場所なら安全なのね?」
「安全ではない。単に爆発まで少し時間があるだけ」
「それを安全じゃないって言うのよ!」
カキが街の中央にある塔を見た。
「目標はあそこだな。よし、走るぞ!」
「走ったら爆発するって説明を聞いたばかりでしょ!」
メバルが止めた。
そのとき、五人の足元から、低い金属音が響いた。
アオノが地面を見る。
「地下から振動。何かが上昇している」
「敵か?」
マサカゲが構える。
道路の中央が盛り上がった。
アスファルトが大きく割れ、地下から黒い金属板が押し上がってくる。続いて、硬いガラケーのアンテナが地面から突き出した。
「この形……」
メバルが目を見開く。
黒いガラケーを握った手が、地面を押しのけた。
地下からK-Tが現れた。
防弾チョッキは少し汚れていたが、立ち上がる動きに乱れはない。トンファーを手に、周囲を見回す。
「地上だ」
「Kさ〜ん!!」
メバルが叫んだ。
「K-T!」
ミステーも両手を広げた。
二人は、K-Tに向かって走り出した。
マサカゲが気づく。
「待て! 足元の判定が――」
メバルとミステーの足元が赤く光った。
K-Tが二人を見る。
「問題ない」
「Kさん、無事だったのね!」
「地下王国から帰還した」
メバルとミステーがK-Tへ駆け寄る。
メバルがK-Tの腕に抱きつき、ミステーが反対側から近づいた。
その瞬間、アオノの端末が短い警告音を発した。
「爆発まで、ゼロ・五秒」
「えっ?」
メバルが振り返る。
「メバル、離れろ!」
マサカゲが叫ぶ。
間に合わなかった。
地面が大きく弾けた。
爆発はゲーム用に調整されており、五人を傷つけるほどではなかった。しかし、吹き飛ばす力は十分だった。
メバルとミステーが宙へ舞い、K-Tは二人に巻き込まれる形でさらに高く飛んだ。
「きゃあああああっ!」
「地面から解放された!」
ミステーが叫ぶ。
「問題ない」
K-Tは空中でも冷静だった。
「Kさん、今は言ってる場合じゃない!」
メバルの声が遠ざかる。
三人はそれぞれ別方向へ吹き飛ばされた。
メバルは近くの建物の屋上へ落ち、ミステーは信号機の上に引っかかった。
そしてK-Tは、二人よりもはるか遠くへ飛んでいった。
黒い影がビルの間を越え、さらに奥の建物の向こうへ消える。
「Kさーん!」
メバルが屋上から叫んだ。
返事はない。
「K-Tは?」
マサカゲがアオノに尋ねる。
アオノは端末を確認した。
「位置情報、消失」
「えっ、また?」
「現在地は不明。通信も切断された」
メバルが屋上の端から身を乗り出す。
「Kさん! 聞こえる!?」
遠くで、小さな爆発音が一度だけ響いた。
「今の、Kさんじゃないよね?」
「爆発音だけでは判別できない」
アオノが答える。
「判別できないの!?」
マサカゲが頭を抱えた。
ミステーは信号機の上から街を見下ろしている。
「Kさんは、空の向こうへ旅立った」
「旅立ってない! 吹き飛ばされたの!」
メバルが叫んだ。
すると、街中のスピーカーからアナウンスが流れた。
『参加者K-Tの地上復帰を確認』
「確認したなら、どこにいるかも確認してよ!」
『現在位置は不明』
「役に立たない!」
『なお、K-Tが最初に着地した地点では、爆発判定が発生します』
アオノが顔を上げた。
「K-Tの着地点が、新たな危険区域になる」
「Kさん、着地するだけで迷惑を増やしてる!」
メバルが叫んだ。
「本人に悪気はないだろ」
マサカゲが言う。
「分かってるけど、今はツッコむしかないの!」
街の奥で、爆発が連続して起きた。
ドン、ドン、ドン。
爆発の煙がビルの隙間から上がる。
カキが目を輝かせた。
「K-Tが進んだ道が分かるぞ!」
「進んだんじゃなくて飛んだのよ!」
「でも、爆発の場所をたどれば会えるかもしれない!」
「そのたどり方、危険すぎない?」
マサカゲが地図を広げる。
「まずはKさんの捜索より、現在位置を安定させる。移動しなければ、ここもいずれ爆発する」
アオノが赤いマス目を確認する。
「残り時間は二十九分。ここも約四十秒後に爆発する」
「早く言って!」
メバルが叫んだ。
五人は、それぞれの足場から動き出した。
メバルは屋上の端を進み、ミステーは信号機から標識へ移る。カキは地面に触れないよう、落ちていた看板を足場にしようとした。
「カキ、そんなものを使うな!」
マサカゲが止める。
「でも、歩かずに進めるぞ!」
「看板が倒れたらどうする!」
「そのときは飛ぶ!」
「さらに危険になる!」
遠くの爆発が、もう一度響いた。
だが、K-Tの姿は見えない。
アオノの端末にも、反応は表示されない。
『参加者K-T、所在不明』
アナウンスだけが、無機質に街へ響いた。
メバルは遠くのビル群を見つめる。
「Kさん……しばらく戻ってこない気がする」
マサカゲが頷いた。
「今はゲームを攻略するしかない」
「分かってる。でも、戻ってきた瞬間にまた吹き飛ばされないように、今度は絶対に走って近づかないからね!」
その決意の直後、五人の足元が一斉に赤く光った。
爆発まで、残り三秒。
メバルが叫ぶ。
「まずは自分たちが飛ばされないようにしてー!」
都市のあちこちで、次の爆発が始まった。
コメント
1件
うわあ、第二ゲーム始まって早々の爆発祭り(笑)!「歩くだけで爆発」ってルールだけでも頭使うのに、K-Tが戻ってきたと思ったら駆け寄った二人ごと吹き飛ばされて「現在地不明」って…もう笑うしかない。メバルの「着地するだけで迷惑を増やしてる!」ってツッコミが最高にツボでした。でもみんなK-Tのこと気にかけてて、仲間感がじんわり伝わってくる。次どう動くのか続きが気になります!