テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#水赤
ぁぉ 。 @ 気分投稿
1,169
甘星 とわ
65
35
ガラガラガラ
紫父「お、戻ってきたな。」
紫母「或間、七二。お話はできた?」
紫「おう。」
赤「はい。」
桃「お久しぶりです。若旦那様。」
紫「お久しぶりです、蘭さん。そちらも、お元気そうでなによりです。」
紫父「全く。お前たちは…昔のように、呼べばいいんだぞ?」
紫母「そうですよ。蘭さんも、御家族と縁をお切りになられたのならば、もう立場は関係ありませんからね。」
桃「えぇ…じゃあ、改めて。久しぶりだね、或間。」
紫「蘭兄さん、今まで何してたんだよ。いきなり屋敷来なくなるし…」
桃「奥様が言われた通り、家族と縁切っただけ。それより、今はこの子のことでしょ?」
赤「蘭さん、面倒見てくれてありがとうございます…」
桃「別にいいよw一希君、やっとお父さんに会えるねー!」
そう言いながら蘭は七二に一希を渡した。そして、七二は或間の傍に戻り、或間に一希を見せる。
赤「若…一希です。数字の一に希望の希で、一希。」
紫「一希…フフッ顔はまんまなつなのに、髪とか目は俺なんだなw」
赤「はいw」
一「キャッキャッ!」
紫「かわい…なつ、俺も抱っこしてもいい?」
赤「はい。是非、してやってください。」
七二はゆっくりと一希を或間に渡す。
赤「この頭のところを特に支えてあげてください。まだ頭が座ってないので…」
紫「おう…こんな感じ?」
赤「はい!」
紫「へぇ…こんなにちっこいのに、ちゃんと重いんだな。あと、暖かい。」
赤「はい…」
紫父「…或間。お前に命令がある。」
紫「なんだ?」
紫父「蒼乃さんとの婚約を解消し、これからは七二だけに好意を向ける事を許す。良いな?」
紫「…!いいのか?親父…」
紫母「勿論よ。むしろ、ちゃんと七二を支えてあげなさい。母親ってあなたが思ってるよりもずっと大変なんだからね。」
紫「…はい。」
赤「若…」
紫「フフッこれで堂々とイチャイチャ出来るな。」
赤「もう、若ってば…///」
紫「分かってるよ。大丈夫。俺はお前を離したりなんてしないから。」
赤「!!…ありがとうございます、若。」
その日、蘭含む音奏家は近くのホテルに、そして七二と一希はそのまま紫苑家に泊まることになった。
紫「七二、今日俺の部屋で寝るか?」
赤「えッ…///」
紫「あ、そういう意味じゃなくて…w」
赤「あ、そうですよねwではなぜ…?」
紫「一希、夜泣きすんだろ?二人でいた方が対応できるからな。それに、もう堂々と一緒に寝ててもいい事になったし?」
赤「い、良いですけど…組の人には、旦那様が言うまで黙っていてくださいね…?」
紫「分かってる。親父に怒られたら面倒だしな。ま、そういうわけで、夜一希連れて俺の部屋来いよ。」
赤「はい…!」
夜
コンコン
赤「若、七二でございます。」
紫「入れ。」
赤「失礼致します。」
ガラガラガラ…
紫「ん。いらっしゃい。と言ってもさっきもきたけどなw」
赤「はいw」
紫「んじゃ、一希寝かせるか…」
赤「はい。」
七二の腕の中ですやすやと眠る一希を、ひとまず2人の布団の真ん中に敷いた小さい布団に置き、その両サイドの布団に或間と七二が寝転び、電気を落とした。
赤「あの…若。」
紫「ん?」
赤「…少し、この半年のお話してもいいですか?」
紫「いいぞ。俺も気になる。」
赤「ありがとうございます。じゃあまず…俺が、一希を妊娠したってわかった時から。」
紫「うん。」
或間は、七二の手を握りながら頷いた。
赤「…俺がこの子を妊娠したのは、11月ぐらい。最初は、体調崩したのかなって思ったんです。でも段々、それが酷くなっていって…目眩や頭痛…吐き気酷いし、ずっと眠いし、ご飯…特に、米の匂いを嗅いだらめっちゃ気持ち悪くなるし…それが続いてて、他の皆に心配かけたくないって思って、1人で隠してたんです。」
赤(まさか、若にバレてるとは思わなかったけど…)
紫「おい、ちゃんと言えや…」
赤「すみませんw…それで、スマホで調べて、症状にドンピシャだったのが、妊娠の初期症状…俗に言う、悪阻ってやつで…まさかと思って、妊娠検査薬を試したら、陽性で…ッ…」
ギュッ…
七二が自分の手に、少し力を込めた。
赤「俺、パニックみたいなのになって…俺男なのにとか、若との赤ちゃんが嬉しいとか、でも若には蒼乃様がいるのにとか、色々考えちゃって…ッ…」
赤「堕ろすにもお金かかるし…でも、この家で育てるのもバレるし、親のいない俺が1人で親なんてできる気がしなくて…何より、若に嫌われたくなくて…ッどうしようって思った時、俺、いっその事、この子と一緒に死んじゃおうって思って…ッ」
紫「ッえ…?」
赤「死ぬなら、せめて、若にとびきり愛撫して貰いたいって思って…」
紫「ッ!だからあの日…」
赤「…コクン…あの後、トんだフリして、夜に抜け出して、夜のバスで行ける所まで行って…近くにあった橋から、落ちようとしたんです…」
紫「ッ…」
赤「でも、蘭さんに見つかって…暫くは、蘭さんのおうちでお世話になってたんです。」
紫「…そうか。明日蘭兄さんには、改めてお礼を言わないとなw」
赤「はい!…あ、で…1ヶ月ぐらい前に…その…不良集団に絡まれて…」
紫「あ”?」
赤「ッ…その時、もうだいぶお腹大きくて…何とかお腹だけは庇ってたんですけど、ずっと蹴られてて…」
紫「…」
紫(そいつらぶっ殺す…)
赤「自分も、記憶曖昧なんですけど、蘭さんと…蘭さんの同居人の翠智さんって人が止めに入ってくれて、救急車呼んでくれて…」
赤「肋骨にヒビ入ったんすけど、なんとか帝王切開で赤ちゃん取り出してもらって…何とか無事だった…みたいな?」
紫「そうか…色々と、頑張ったな、なつ。ナデナデ」
赤「…///」
紫「なつ、明日でいいから、そのちょっかいかけてきたやつがどんな奴らだったか教えてくれないか?」
赤「あ、はい…」
赤(やべ、あいつら死んだw)
紫「よし、じゃあもう寝るか。お前、クマ酷いし…」
赤「あぁ…まぁ、仕方ないですよ。」
紫「ほんと、1人で頑張らせてごめん。これからは、ずっと一緒だ。」
赤「ッ…!…はい。」
或間と七二はそのまま、お互いの方を向いて眠った。
紫「ん…朝、か…?」
一足先に起きた或間は上半身だけを起こし、隣で眠るふたりを見つめた。
一「(*˘꒳˘*)スヤスヤ𓈒 𓂂𓏸」
赤「(*˘꒳˘*)スヤスヤ𓈒 𓂂𓏸」
紫「w同じ顔して寝てやがる…可愛いなぁ…」
紫(そういや俺、夜中1回も起きてなくね?)
紫(え、もしかしてなつだけ起きてたりしたんかな?💦)
赤「んんッ…い…つき…?」
赤(なんか、久しぶりにいっぱい寝れたな…)
紫「おはよ、なつ。」
赤「ッ!?ぁ、わ、若!おはようございます…」
紫「wwびっくりした?」
赤「あぁ、まぁ…」
紫「www…あ、そうだ。」
赤「?」
七二も上半身を起こそうとしているところに、或間が何かを思い出したかのように声を上げた。
紫「ごめんな、俺、夜1回も起きれてないだろ?その為に一緒に寝る筈だったのに…」
赤「え…若も起きてないんですか…?」
紫「?お、おう…」
赤「俺も起きてないんですけど…」
紫「…てことは…」
赤「…一希、夜泣きしてない…?」
そう。一希は昨晩、1度も夜泣きをしていなかったのだ。
紫「そういう事だろうな…」
赤「!!…そっか…ニコ」
紫「不思議なもんだな…」
赤「きっと、若がいてくださったおかげです。」
紫「え?」
赤「子供って、親が考えてることとか、なんとなく感じとるみたいで…」
赤「多分俺、ずっと余裕なくて切羽詰まってたから、不安にさせてたのかもな…って。ナデナデ」
一希の頭を撫でながら、七二はそう答えた。
紫「そうか…でも、これからは…」
赤「はい。これからは、若がいてくれる。それなら、もう安心できます。」
紫「…もう居なくなるんじゃねぇぞ?」
赤「クスッ…勿論です。」
チュッ…
コメント
2件
第7話、読み終えました…! 七二が「この子と一緒に死のうと思った」って打ち明けるところ、胸がぎゅっと詰まりました。一人で悪阻を隠して、橋から落ちようとするまで追い詰められてたんだなって。でも蘭さんに助けられて、一希が無事に生まれて…或間が「もう離さない」って言ってくれて、本当によかった。 最後の「これからは若がいてくれる」という七二の言葉と、朝まで一希が泣かなかったエピソードが温かくて、涙が出そうになりました。一希の存在が二人を繋いだんですね。素敵なエピソードをありがとうございます🌷