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『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第3鎖 『お肉は元気の源』
翌朝――。
『朝…?』
(分かるわけないじゃん。窓は鉄鋼を張られてるんだから。)
私は目を閉じる。
(このまま息が止まって…死ねたらいいのに。)
と、その時――。
ガチャ
『おはよう、主様。今日は主様に食べて欲しいものがあって持ってきた。』
『食べて欲しいもの…?』
『あぁ。俺が今裏山で狩ってきた肉だ。』
『お肉…?』
(食べれる訳ない……。食欲がない…。)
『朝からそんな重いもの食べれない…。』
『…主様。何か勘違いしてないか?』
『え…?』
コツコツ……。
『今の主様に拒否権はない。』
『っ…!』
バスティンは私を見下ろす。
『これを食べて俺と運動しよう。』
『運動…?』
『ああ。言わなくても分かるだろう? 』
『っ、嫌…。こんな状況で何言ってんの……?』
『…もう一度身体に教え込む必要があるな。』
俺は主様をベットに押し倒す。
『きゃぁ!』
『スタミナがつくように肉を持ってきたんだが……それを食べる前に教えとおかないといけないな。』
シュル…っ。
バスティンはネクタイを外す。
『嫌、やめて、来ないで…っ!』
逃げ場なんてないのに、助けを縋る。
足枷に手枷をされた私はただされるがまま――。
『お仕置きだ。主様。』
『い、いや、いやぁぁぁっ!!』
『ん、く……っ。』
私はギュッと唇を噛み締める。
『…ダメだろう、主様。血が出てしまう。』
俺は主様の唇に触れる。
『触らないで…。』
『…はぁ。』
『あ…っ!!』
身体に甘い痺れが襲う。
『っ、好きだ…主様。』
『ん…っ。』
舌を絡めてキスをされる。呼吸さえ縛ろうとするその甘いキスに抗えない。
『ご馳走様でした。主様。綺麗に食べてくれてありがとう。』
『……。』
『また来る。』
バタンっ。
『……うっ…!』
私はゴミ箱に向かって嘔吐する。
『はぁ、はぁ……っ。』
(胃が苦しい。気持ち悪い…っ。)
ジャラ…っ。手と足に付いた鎖を眺める。
『ホント…趣味悪い。』
(足枷はこの部屋を出てすぐのところで引っかかって止まってしまう。)
『残酷だよね…出れたって少しの希望を抱かせて後から絶望させるなんてさ。』
(私はみんなの思い通りになんてならない。
必ずここから逃げ出すんだから。)
一方その頃――。
『さて…次は俺の番か。主様に何しようか…。』
『ハウレス、やり過ぎないでね。主様はみんなのものなんだから。』
『そういうお前が1番独占欲強いの知ってんだからな。』
『可愛い後輩に譲ってくださいっすよ。3人とも。』
次回
第4鎖 『新しい鎖』