『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第4鎖 『新しい鎖』
ジャラジャラ……。
『ハウレス……?何、それ…っ。』
『あぁ。これですか?新しい鎖です。』
『なんで……っ?』
『今主様がつけてるのが脆くなってきたので新しいのにするんです。』
『っ……。』
(そんな…やっと脆くなって、少しずつ壊して逃げれるようにしてたのに……っ。)
『主様の考えることなんてお見通しなんですよ。』
ハウレスは私の頬に触れる。
『絶対に逃がしません。主様♡』
『っ…。』
ハウレスは首輪と足枷、手枷の鎖を外していく。
ジャラジャラ……。ガシャンっ。
古いのを外して床に置く。
『…大人しくしてて下さいね。主様に痛いことしたくないので。』
『……。』
(逃げられないってわかってるくせに。)
『……。』
ハウレスは新しい鎖を持ったまま立ち尽くす。
『…?』
『今主様は鎖をしてないんですよね…。』
『え…?』
『鎖をしてると色々と不便なんですよね。主様に触れる時とか…。ボソッ。今だけいいよな…。』
ハウレスは私の両手を自分のネクタイで縛る。
グイッ!
『痛……っ!』
『暴れるともっと痛いですよ。』
ヒョイッ
ハウレスは私をお姫様抱っこしてうつ伏せに私をベットに寝かせる。
バサッ…プチッ
燕尾服の羽織りを脱ぎ、シャツのボタンを外す。
『チュ…。』
『ひゃ…っ!』
首元にキスをされる。
『可愛いですね…主様。俺の痕でいっぱいにしてあげますね。』
ガブッ
『あぅ……っ!!』
力強く首に噛み付かれる。
(痛い、苦しい……っ。)
ツゥ……ポタ、ポタ…ッ。
鮮血が、背中を伝い、滴る。
『あぁ……綺麗ですね。もっと、もっと見せてください。主様の綺麗な所――。』
ガブッ
『い…っっ!!!』
気絶するような鋭い痛みに私は涙を流す。
(抵抗したいのに…っ。手が…っ。)
『大好きです…主様。』
後ろからぎゅっと抱きしめられる。
『……。』
スルっ。
『!』
(汗でネクタイが解けた…!)
私は起き上がり、ハウレスをベットから突き落とす。
ドンッ!
『っ…!』
『はぁ、はぁ…っ。』
『…痛いじゃないですか。主様。ふふ、初めての抵抗ですね。俺に対して。』
ハウレスはニヤリと笑う。
『っ、他の執事に伝えて…。私は必ずここから逃げ出してみせる。どんなことをされようとも。例えこの身が朽ちようともね…。』
『…かしこまりました。その威勢がいつまで持つか…楽しみですよ。』
ハウレスは新しい鎖を私につけてから部屋を出る。
ガチャガチャ…ガチャンッ。
『いった…。』
私は首を抑える。
(でも痛いってことはまだ生きてる。諦めないんだから。)
2階執事部屋――。
『へぇ…。主様がそんなこと言ってたんだ。夜が楽しみだね…。』
(主様のその希望。俺が壊してあげますよ♡)
次回
第5鎖 『唯一の希望』
コメント
2件
コメントありがとうございますっ!次回も楽しみに待っててください( ´›ω‹`)💕
今日も神回ありがとうござます😭 次回楽しみに待ってます♪