テラーノベル
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社長一家の避難先――。
能力犯罪総合対策本部の隊員たちが建物の周囲を警戒していた。
御堂鷹臣は静かに腕時計へ目を落とす。
「社長はまだ到着しないのか。」
篠宮玲司が通信を確認する。
「社長は護衛車両でこちらへ向かっています。」
「到着まで約五分です。」
御堂は小さく息を吐いた。
「……嫌な予感がする。」
-–
その頃――。
社長は護衛車両の中で落ち着かない様子だった。
「本当に、この場所で家族は無事なんだろうな。」
護衛隊員が答える。
「ご安心ください。」
「御堂隊長が最も安全と判断した場所です。」
社長は険しい表情を浮かべる。
「本当に政府を信じていいのか……。」
「記者会見まで止められなかった。」
「今度も間に合わなかったらどうする。」
隊員は静かに答えた。
「必ず、お守りします。」
社長は首を横へ振る。
「私は待つだけの父親にはなれない。」
「家族は、この手で守る。」
-–
都内某所。
高層ビル屋上。
グラビティが通信機を耳に当てる。
『本物の位置を確認。』
ヴォイアントの声が響く。
『予定通り進める。』
『家族を傷つけるな。』
『目的は確保だ。』
「了解。」
ノイズが端末を操作する。
「監視カメラ停止。」
「周辺通信、妨害開始。」
ゲイルが笑う。
「じゃあ、一気に行くか。」
ブレイブが通信状況を確認する。
「全回線、良好です。」
グラビティは拳を握った。
「今日も力がみなぎる。」
ゲイルも笑う。
「身体が軽い。」
ノイズも小さく頷く。
「集中力も上がっている。」
ブレイブは嬉しそうに微笑んだ。
「皆さんのお役に立てているなら良かったです。」
ヴォイアントは静かに告げる。
『開始。』
-–
避難先周辺。
突風が吹き荒れる。
ヒュオォォォッ!!
「敵襲!」
隊員たちが一斉に構える。
ゲイルが建物の前へ降り立つ。
続いてグラビティがゆっくりと歩み出る。
御堂は静かに日本刀を抜いた。
キィン――。
御堂は目の前の男を見据える。
「……重力能力者、黒神零か。」
グラビティは静かに頷く。
「能力犯罪総合対策本部隊長、御堂鷹臣。」
「ようやく会えたな。」
御堂は刀を構えた。
「こちらも、お前を止めるために来た。」
グラビティは低く答える。
「お前を倒すことが目的ではない。」
「邪魔をするなら排除するだけだ。」
次の瞬間。
二人が同時に踏み込む。
ガキィィィン!!
日本刀と重力をまとった拳が激突する。
激しい衝撃が地面を砕いた。
互角――。
しかし御堂は違和感を覚える。
(強い……。)
(風能力者、疾風や鋼化能力者、鉄堂と戦った時とは明らかに違う。)
(能力が底上げされている……?)
グラビティは静かに口を開く。
「さすが隊長だ。」
「だが、今日は負けられない。」
-–
能力犯罪総合対策本部。
「電子妨害能力者・才賀響姫を逆探知!」
通信班が叫ぶ。
「追跡率三十五パーセント!」
篠宮がモニターを見つめる。
「少しずつ捕捉できています。」
ノイズは静かに笑った。
「政府も学習していますね。」
通信経路を切り替える。
「逃げられました!」
篠宮は落ち着いていた。
「構いません。」
「次は、もっと追い詰めます。」
-–
その頃。
社長は避難先へ到着していた。
玄関の扉が開く。
「パパ!」
娘が涙を流しながら駆け寄ってくる。
社長は娘を強く抱き締めた。
「もう大丈夫だ。」
「必ず守る。」
その瞬間――。
バキィィン!!
窓ガラスが砕け散る。
ゲイルが室内へ飛び込んだ。
護衛隊員が前へ出る。
「下がってください!」
社長は近くに落ちていた鉄製の消火器へ触れる。
黄金色の光が走る。
ギィィィン……
消火器は一瞬で純金へと変わった。
社長は黄金の盾を構える。
「この力は……。」
「家族を守るために使う!」
真空刃が盾へ激突する。
ガァァン!!
重い衝撃音が響く。
グラビティはその様子を見つめる。
「……守るための能力か。」
-–
その時だった。
煙幕が室内へ広がる。
ノイズが通信を遮断する。
ゲイルが突風を巻き起こす。
視界が真っ白になる。
「しまった!」
護衛隊員が叫ぶ。
煙が晴れた時――。
娘の姿だけが消えていた。
「パパ!!」
遠ざかる娘の声。
社長は必死に手を伸ばす。
「待てぇぇぇ!!」
外では御堂とグラビティが激突していた。
ガキィィィン!!
日本刀と拳が火花を散らす。
グラビティが一歩下がる。
通信機からヴォイアントの声が響く。
『第三段階、完了。』
グラビティは静かに頷く。
「撤退する。」
ゲイル、ノイズもすぐに離脱した。
社長はその場へ崩れ落ちる。
「……すまない。」
娘の名前を呼ぶ声だけが、夜の静寂へ響いていた。
第49話へ続く
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あまね🍡💠
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コメント
1件
いやあ、第48話、めっちゃ重くて熱かったわ……。 御堂隊長 vs グラビティの戦闘、冒頭から「互角」って書かれてて早くも緊張感やばいし、何より社長が能力者だったのにはマジで驚いた。消火器を黄金に変えて盾にするって、めっちゃ「守る」に特化した能力じゃん。でもその直後に娘さん攫われちゃうのは心臓に悪いよ……「パパ!!」の声が脳裏に残ってる。 グラビティ一味、全員が「能力が底上げされてる」感出してて、ヴォイアントが何やってるのかますます気になる。続き待ってる🔥