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「顔しか取り柄のないどうしようも無い奴がさ、俺の命令聞けないとかないよな?」
痛い所を突かれる。
「…わ、わかった……」
俺は深呼吸し、一拍置いて続ける。
「あ、あんな奴…ただの玩具だし、そろそろ飽きてきて捨てようと思ってたとこだから……ホテルで適当にヤるわ」
心にもない言葉を吐いて、こんなに胸が痛くなるのは生まれて初めてだ。
ズキズキと心が痛む。
こんなこと、宇佐美の前で言えるわけが無い。
「っしゃ決まり!じゃ明日報告よろ~!!」
肩をポンポンと雑に叩かれて、1人取り残された俺は、その場で肩を落とし、深く溜息を吐いた。
(…俺が変わんないと、だよな。宇佐美のためにも)
◆◇◆◇
宇佐美の教室まで迎えに行くと
教室の前で財布を両手で握りしめてソワソワとしている宇佐美の姿があった。
その姿を見るだけでぱあっと気持ちが明るくなる。
「うさちゃん!お昼行こ?」
「あ、先輩…!は、はい……!」
しかし、その返事がいつもより歯切れが悪いことに気づいた。
(…?…なんか、いつもと違う……?)
よく見たら、目の下が赤くなっている。
「うさちゃん、なんか元気ない?また誰かになんかされた、とか…?」
恐る恐る尋ねると、宇佐美は「えっ」と声を漏らし目を泳がせた。
「な、なんでもないですよ!ちょっと、お腹すいちゃっただけだと思います…!」
「…そう?なら、いいけど……」
その日の放課後────
宇佐美と二人で帰路に着いた。
昼休みに茅野たちに言われたセリフを思い出すが
宇佐美に対して本気で恋心を抱いている今は
そんなことを言うわけにはいかない。
(にしても俺、最悪だよな……)
昼休みの教室での出来事がフラッシュバックする。
〝じゃあ、宇佐美に嘘コクして、ついでにヤってこいよ〟
ニヤニヤしたアイツの顔。
〝あ、あんな奴…ただの玩具だし、そろそろ飽きてきて捨てようと思ってたとこだから……ホテルで適当にヤるわ〟
俺が言った心にもない言葉を思い出す。
あの時は完全に空気に飲まれていた。
自分の口から出たセリフが鼓膜を叩くたび、胃が締め付けられるような感覚がする。
最低すぎるだろ、俺。
宇佐美を道具みたいに扱うなんて。
冗談でも許されない。
「ねえ一ノ瀬先輩」
ふと、隣を歩く宇佐美が俺の顔を覗き込む。
大きな目に心配そうな色が浮かんでいて、罪悪感でさらに胸が痛んだ。
「ん?どうかした?」
精一杯の平静を装って尋ねると、うさちゃんは小さく首を横に振った。
「いえ…なんだか今日の先輩、元気がないみたいだったので……心配になっちゃって」
鋭いな。
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み お .