テラーノベル
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こういうところに惹かれたんだよな。
普段はオドオドしてるくせに、肝心な時には人の気持ちに敏感で。
……
何度も口を開きかけては、言葉が喉の奥に引っかかる。
今の関係を壊したくない。
(宇佐美は大事にしたい、ならアイツらには本当のことを言って、関わるのもやめた方が、宇佐美のためだ……)
昼間のアイツらの言葉は……うさちゃんには絶対話せない。
「なんでもないよ。ちょっと考え事してただけ」
「そうですか……?ならいいですけど、何かあったらいつでも話してくださいね!」
その気遣いが嬉しくて切ない。
本当のこと言えたらどんなに楽だろう。
そんなことを考えていたとき
「あ!」と、宇佐美が声を上げた。
顔を上げ、宇佐美が指を指す方向に目線を向けると
そこにはキッチンカーで移動販売をしているクレープ屋があった。
「あれ、こんなとこにクレープ屋…うさちゃん食べたいの?」
宇佐美に確認するように聞くと、首を縦にブンブンと振って、隣の俺に顔だけで振り向く。
そして目をキラキラと輝かせて
「あのイチゴのやつとかすっごく美味しそうじゃないですか?!ちょっとだけ、寄ってもいいですか?」
と食い入るように聞いてくる。
その様子がたまらなく可愛くて、財布の紐が一瞬にして緩んだ。
「じゃ、俺が奢ったげる。一緒に選ぼっか」
言いながら俺がズボンのポケットからGUCCIの長財布を取り出す。
それを見た宇佐美は慌てたように財布を取り出すと
「え!悪いですよ…!先輩甘いのあまり好きじゃないって聞いたんですけど…僕が食べたいだけなのに、いいんですか…?」
不安そうに眉を下げる。
これまでの女なら「ここは彼氏が奢るのが当たり前でしょ~」とか
「は?女の子は大変なんだけど?頑張ってヒール履いて、メイクもオシャレもネイルも拓海くんのために頑張ってきたんだよ?」
「アクセサリー付けてるのだって動きにくいんだから、デート代くらい拓海くんが持つのが礼儀ってものじゃない?!」
とか、当然みたいに言ってきたってのに。
「うさちゃんは優しいんだね」
「え?何がですか……?」
「ううん、こっちの話。…それより、ここは俺に出させて?俺でもシンプルなやつなら食えるし」
「えっ、で、でも…」
俺は宇佐美の唇の前に人指し指を立てる
「いいから。うさちゃんが美味しそうにクレープ食べてるところ見たいの。それならいいでしょ?」
「…!は、はい!それじゃあ先輩…っ、お言葉に甘えてごちそうになります…!!」
そうして俺は「きなこ餅クレープ」を
宇佐美は「たっぷり苺とチョコのクレープ」を購入した。
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み お .
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