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第10話 騎士団
それぞれ制服を身にまとった騎士団長が入場する。白いマントを身につけている者がリデルテ騎士団、そして黒いマントを身につけているのがミール騎士団だ。
みな、席へと着席する。そして席に着席した騎士団長の席の後ろには同じ騎士服を纏った者が着いた、それは副団長だ。
隊長の席の前には名前のプレートのようなものが表示される、アグランはリデルテ騎士団から順に見た
第1階級 ラベリー団長
第2階級 レーラ団長
第3階級 イェザン団長
第4階級 ギース団長
第5階級 ゲヘナ団長
第6階級 ガイアム団長
第7階級 サリム団長
そして名前を一通り見終えればミール騎士団の方へ視線を向ける。するとそこには見覚えのある人物がいた。
第2階級 ルナーテス団長
「あ、そういやこの人あの時の…」そう、1か月前学校に天使が居ないかって調査しに来たひとだ。
ルナーテスはじっと回りを見渡し、アグランを見つければ小さく手を振る。そして正面に戻り、他の騎士たちと同様にじっとしている。その姿は誰が見ても威厳的でかっこいい。こりゃファンが着くのも納得だな
「ではこれより、開始致します」そう言えば、会場の隅にいた複数人の魔法使い達が手の平を会場の中心に向け術を展開させる。床に大きな魔法陣が出来れば一発目から出場するメンバー以外は間空間へと飛ばされる。
間空間とは外からの干渉を可能としない空間転移魔法。世界から一時的に追い出されている状態らしい。
「こんな空間を瞬時に作り上げる魔道士ってすげぇな」そして間空間に飛ばされると同時に、正面にはモニターが3つ程表示される。そこには得点と試験場、そして次の戦闘メンバーの番号が見える。
「俺は11番目みたいだ。アグランは?」画面に手をかざせば縦に画面が伸び、番号が等間隔で並んでいる。「俺は120番」まだまだ先の話だ。だが、正直120番目なんてすぐだと思う。この試験は途中で各部隊長が試合を止めることがある。止められた場合の理由として大半は才能がない、見ていられない、など否定的な意見が多数寄せられること。他にも、珍しい事だが逆に才能がある、戦闘をしなくともわかる。と言った意見もあるそうだ。まぁ、基本的にはしっかりと今までの勉学を駆使して戦闘をしていれば止められることなぞほとんどないが。
ーー
「なァ、2番隊長さん」試験場に向けた視線を隣にいる2番隊長に向けた。2番隊長である、レーラ・フレーリンは声をかけてきたイェザンに視線は返さず、「なに」と一言。
「普段部屋から出ない君がわざわざこうしてこの場に顔を出すはずがない。君はレーラの人工人間だろう?」突然出たその言葉に対して、軽くため息を落とす。そして正体を現すかのように瞳を閉じ__開く。すると先程まで人間味のあった瞳は歯車が一定間隔で回り、魔力の糸が目の中で複雑に交わっているのが見える、そんな瞳が開いた瞼から顔を出すだろう。「やはりな」
本物は自身の部屋で椅子に腰をかけながら宙に表示された無数の画面を見つめていた「私がしっかり判断出来ればいいでしょ、わざわざそんな大勢人がいる中に顔を出す必要は無い。」と、仮装キーボードと言われる【別名PERSONA PURSIBL(ペルソナ プレッシブル)】形のないキーボードで、画面に人工人間を動かす式を打ち込みながらマイクに向けてそう告げる。
「だが隊長は皆、この日は必ず出席しなきゃいけないだろう?なのに出席していないは問題じゃないかな?」
レーラはイェザンとはそれほど仲が良いわけでないそうで嫌そうに表情を顰めれば「あんたと顔を合わせたくないのもひとつね」と後に付け加える。
「なんだと…?貴様のような表に出て活動しない根暗な隊長風情が俺に歯向かうなぞ…!!」イェザンは頭にきたのか舌打ちを行い、一度椅子の肘置きを叩く、それに対して表情を変えず虫を相手するかのように反論を始め
「貴方、他の隊長の中でも結構足引っ張ってるくせによく言うわね。私は貴方たちのサポート役よ、つまり表立ったことは元々しないわ。でもあなたは何かしら?表でも裏でも活躍する場のない可哀想な子?」と鼻で笑う、今にも喧嘩が起こりそうな空気だ。
そこに試験会場に居た1番隊長であるラベリー隊長が口を挟んだ。
「静かにしなさい、偽物でも本物でも本人がいるなら構わない。今は次に我々の下に着く新人を見極めなければならない、集中しなさい。」指摘を受ける。それに対しイェザンは大きくため息を落とし、それと共にドサッと席に座り直す。そしてレーラは「わかってるわよ」と一言呟き、人工人間を向き直らせる。
ーーそしてそれから試合は続いていく、次々と落とされていくものや高評価を付けられるもの、評価は善し悪ししか存在しない為、キッパリと判別を付けられる。そして後に、アグランの順番が回ってきて、、。