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今回見やすさ考慮で台詞前に

例(ショッピ→syp)

と書かせていただきました。











翌日、俺たちはあの桜の木の下に集まっていた。相変わらずクソ先輩の後に隠れたままのゾムさんは、目が合う度に照れていたが何度かそれを繰り返すうちに次第に緊張が解けてきたのか少し下を見ながらだが嬉しそうに微笑んでくれた。

syp「じゃあ、その日に俺の家集合で。」

kn「了解!」

zm「あ、えっ…了解…!」

kn「ゾムは人混みに弱いからな、酔わないように気を付けろよw」

zm「むぅ……。まぁでも気を付るわ。流石に楽しめないのは嫌だし…」

syp「…無理しなくてもいいですよ?」

zm「いや…折角予定してくれたのに勿体ないやん。」

syp「でも…」

zm「いいのいいの!」

そう言いながら肩をポンッと叩かれる。体勢は変わらずにクソ先輩の後だが、楽しみにしてくれてるならそれに越したことはない。

syp「じゃあ、また今度。」

そう言って教室に戻るために下駄箱の方を向く。ただ、本当だったら少し嬉しすぎる話だが、ゾムさんが小さく手を振って微笑んでいたような気がした。




















花火大会前日。俺はいつも以上にソワソワしていた。あの時見ていた顔が近くで見ることのできるチャンス。これはいつも以上に頑張らねばいけない。何を頑張るかはさておき、皆で浴衣を着るという約束をとりつけたコネシマさんは最近やけに冴えている。あのコネシマさんになにがあったと言うのかは知らないが、心から感謝していた。顔はいいのに…あの声量どうにかできたらモテるんだろうなぁ…なんて考えながらかれこれ三時間続く浴衣選び、流石の姉も苦笑していた。

姉「もうどれでもいいんじゃない?」

syp「そういうわけにはいかないでしょ。初めて先輩達と遊ぶんですから似合わないのは着たくないんです。」

姉「うーん。ショッピは顔がいいから何でも似合うんじゃない?」

syp「む、そんなのゾムさん見たら俺なんて虫ケラっすよ」

姉「そんなことないと思うけど?」

そう言うと、姉は俺の手から一着の薄紫の浴衣を取り上げ、俺に重ねる。

姉「ほらこれどう?ショッピの目の色と一緒。これが一番似合うと思うけど。」

そう笑う姉。俺自身これ以上迷うのもあれなので結局それを借りて家に帰った。



視点変更


花火大会前日。俺は兄に浴衣を借りることにした。コネシマに言われたときはどうしようかと悩んではいたものの、兄が使っていたお古があることを思いだしたのだ。

兄「おーw俺に似てイケメンだな」

zm「うるさい○ね」

兄「お前って本当外と内で性格変わるよな…」

zm「別にいいやん」

兄「いい…のか…?」

そんな会話をしながら鏡の中に映る自分を眺める。


“気持ち悪い”


男のくせに女みたいな顔つき。筋肉のつかない体。せいぜい言っても細マッチョだろう。白い肌と桜色の唇。男としてどうなのか心配である。

兄「俺は好きだけどなー」

そう何かを察したように抱きついてくる兄

zm「気持ち悪いホモ」

兄「酷ぃぃ…」

兄「……ねぇ、本当に気を付けてね。」ギュ…

zm「…大丈夫。花火大会終わったらちゃんと行くから。」

兄「無理はするな。しんどくなったら直ぐに帰ってこい。………ゴメンな。本当はお兄ちゃんが守ってやりたかった。」

zm「何泣いてんねん。年上やろ。俺より悲しんでどうする」

兄「だって…」ギュゥッ

zm「大丈ゲホッ、ゴホッ、グッ…」

兄「!?大丈夫か!?直ぐに救急車を…!!」バッ

zm「……お兄ちゃん…安心して。」

兄「っ…」

zm「とにかく、明日は楽しんでくるわ。初めて後輩と遊べる日やしな」

兄「っぐ…」ドサッ

泣き崩れる兄を今度はこちらから抱き締める。









残りの時間は…

『さいご』の三月。

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