テラーノベル
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第1話:脱ぎ捨てた靴下と、深いソファ玄関のドアを閉めた瞬間、身体のスイッチが切れた。
鞄を床に落とし、靴を脱ぎ散らかし、吸い寄せられるようにリビングの深緑色のソファになだれ込む。沈み込むクッションが、重たくなった身体をまるごと受け止めてくれた。
「……つかれた」
声にすらならない溜め息が、暗い部屋の中に溶けていく。
今日はもう、何も頑張らない。お風呂に入るのも、ごはんを食べるのも、部屋の電気をつけることすら後回し。スマホの通知も見ない。
ただ目を閉じて、クッションに顔をうずめる。静かな部屋の匂いと、自分の呼吸の音だけがそこにあった。世界から切り離されたみたいで、それがすごく安心できた。
コメント
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読了しました。この「脱ぎ捨てた靴下と深いソファ」、めちゃくちゃ沁みました……。帰宅して玄関からリビングまで「全部後回し」で沈み込む動作だけで、今日一日の消耗が手に取るように伝わってきて、思わず「わかる…」と呟いてしまいました。クッションに顔をうずめて世界から切り離される感覚、あの安心感って、ある種の儀式みたいなものがありますよね。短いのに体温が宿っている、素敵なエピソードでした。