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『非常に打ち上げずらいのですが
厳密な検査の結果、余命わずか2週間程です。』
そう言われて周りがグンッと重くなった様に感じたのは勘違いでは無いはずだ。
不安で押し潰されそうにこちらを見た君を
僕は忘れない。
「嘘…、でしょ?嘘って、嘘って言って…、」
2人で病院を出る足音は妙に響く。
「…へへっ、迷惑かけちゃうね…笑」
そう言って僕は笑いかけてみる。
「…無理して笑わないでよ。」
どうやら君には無理して笑っているのが
バレてしまっているようだ。
本当に本当に怖いのは僕じゃない。
本当の本当に怖いのは彼のはずだ。
「残りの日数はさ…僕と、生きてね。」
ああ、絶対に最期まで君を守り抜くって
あの日に決めたじゃないか。
結局僕は口だけのダメダメ人間。
あの時、確かに君は言ったはずだ。
『絶対に最期まで、僕と居てね。』
そう言われた。そう言った。
君とのマンションのドアノブに手をかけると僕の手に重なる体温。
「あのさ、…寂しくないの?」
重なった手は確かに震えていた。
「俺は寂しいよ、怖いよ、出来ることなら
死にたくないよ。」
死にたくもないし、苦しみたくもない。
部屋に入るも
空気が重くて怠くてたまらない。
沈黙が流れるも何も感じない。
「とりあえず…、シャワー浴びてくる。」
何故かこの空間を離れたく、
シャワーを浴びるというテイで逃げる。
水を浴びて、頭を冷やす。
なんで僕がこんな目に…。
僕が何をしたっていうの?
なんで余命宣告されないといけないの?
そうだ、心臓病だ。
僕は過度なストレスで、
心臓病になったんだ。
やだよ、怖いよ。
明日が来るかも、僕は分からないのに。
明日が来ることがどれだけ幸せなのか。
僕は1分1秒大切に生きていこうと思います。