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…あれはどういうことだったんだろう…。
ゆうさんに手を握られてから、ずっと考えていた。
…俺を好き…??
いや、そんなことあるだろうか。あんな綺麗な人が、自分なんかを。
でもやっぱ普通手なんてなんとも思ってなかったら握らないよな…?
と期待しては打ち消してを繰り返していた。
正直、あの時キスしようと思っていた。これはもうしてもいいだろって思った。めちゃくちゃ強く抱き締めたかった。
だけど、
…やっぱりやめた。
怖かった。
会えなくなるのが。
ほんとにただの勘違いだったら大変なことになる。「こんなことされました!」と本社に電話入れられて仕事クビになるのはいい。だけど会えなくなるのが嫌だ。
コース外されて会えなくなるのが嫌だ。
配達先で色んな人にこうしてるとか勘違いされるのも嫌だ。
すごくもどかしかった。
連絡先も知らない。
自分からは仕事上聞いてはいけない。ゆうさん…連絡先聞いてくれないかなあ…と思っても全然そんな気配がない。
どうやって距離を縮めればいいのかわからなかった。
せっかくお菓子もらったけど、感想言えないまんましばらく別のコースが続く。なんとか伝えたい…。
でも連絡先を知らない…。
すごくもどかしかった。
俺が別のコースに入ってる間、ゆうさんのコースはほとんど手越さんが入っていた。
なんか方法ないかな…と思った時に配達料金表が目についた。配送料金変更に伴い、会社さんには料金表を渡して説明していた。
…これだ!
ゆうさん、荷物出したりもするから最もらしい理由で渡せる!別のコースをしばらく廻ることをその紙の隅に書き、見られないように折りたたんだ。
手越さんに料金表渡し忘れたから荷物がある時にゆうさんに渡してほしいと伝えた。
手越さんは快くオッケーをしてくれた。
絶対他の人ならめんどくさがるのに。「寺田次行ったときでいいんじゃん?」とかいうに決まってるのに。
手越さんがゆうさんを気に入ってるのは知っている。
というか、悔しいけど元々は手越さんがお気に入りだった人だから…。俺より先にゆうさんを見つけて出会ってるから…。
悔しかった。
ほんとはメモを書いた料金表を授けるのも嫌だった。接触してほしくなかった。
でも、せっかく手作りお菓子もらったのにそのあと音信不通みたいのは嫌だった。
だからお願いすることにした。
そこから少しして、やっとゆうさんのコースに入った。丁度荷物もあり、久しぶりに会えるのがうれしかった!!
メモの話になり、流れで連絡先の話になった。
「配達員さんってお客さんと連絡先交換とか問題なんだっけ?そんなようなのなんかで見た気が…」
『いや!!!!!!!』めっちゃ食い気味に被せてしまった。
『自分から聞くのはだめなんですけど、聞かれる分には大丈夫です!!!』
覚えてないけどこんなようなことを答えた。
…連絡先聞いてくれるかもしれない…!!!!
俺がすごい食い気味に…しかもでけー声で喋ったからゆうさんがきょとんとした顔をしている。
…今回もだめか…?
と思った時に
「…連絡先とか…いる…??」
きたーーーーーーーー!!!!!!
やばい!!めっちゃうれしい!!!!どうしよう!!!!
とか思いながらダッシュでトラックに行った。全然近くに停めてるトラックに。
ゆうさんの連絡先教えてもらえた…!!
やった!!!
やった…!!!!!!
めちゃくちゃうれしかった。
自分のプライベートにゆうさんがいる。
ゆうさんのプライベートにも俺がいる。
連絡先交換くらいですごく浮かれてる自分がおかしかった。
しかし、一向に連絡がこない。
その日も次の日も次の次の日もほんとにばかみたいに携帯をチェックしまくっていた。
全然こない…。
連絡先交換出来ただけでとんでもなく嬉しかったのに、今度は知ってるのに連絡がこないからすごく落ち込んだ…。
いいや!!
送っちゃえ!!
勢いでそっちのコース入りますってことを送ってみた。
言われたところで荷物あるかもわからないし返事困るかなとも思ったけど、まぁいいや。とりあえずなんか返事きたら嬉しいし…!
でも、待てど暮らせど返事がこない。それどころか既読もつかない。やめよ、やっぱ消そう。
送信取消しをした10分後くらいに携帯が鳴った。
携帯を手に出る。
画面には《ゆう》と表示されている…!!
ゆうさんだ…!!!!
俺が送ったのを気づかなかったらしく、送信取消しをみて連絡くれたようだ。
よかった、嫌われてたんじゃなかった…!!
たかがそれだけで凄く安堵したし嬉しかった!
今何してるとか他愛ないやり取りをした。
それだけのことなのにそれがすごく嬉しくて、ばかみたいに何回も何回もそのやり取りを見直していた。