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色々短編しゅー

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色々短編しゅー

4 - 💣️✕🦋:人喰い狼と兎の彼。

2025年07月05日

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⚠獣人、流血表現等あります




「この森には人喰い狼が出るらしい」

「あの森に近づいたら帰ってこれない」




そう散々言われている森に巣を構え暮らしているのだが


人喰い狼どころか狼すら中々見かけない


こんな平和な森のどこに狼が……







「あ、兎かァ……まあ、人型やから…食えるわ、よし」


前言撤回

ゴリゴリ狼いた。


「ひぇ…命だけはお助けを」


耳を立てながらそう言い命乞いをする


死ぬのは嫌だ、まだ番も出来たこと無いのに。


「そう言っても、俺も腹減ってんねんけど、?」


「そ、そこをなんとか…」


「ん〜…じゃあ、なんか食いもんくれ」


「食べ物ですか…、?」


「おん、頼むわ」


にぱっと笑ってそう言う

この人本当に悪い人なのだろうか


干し肉を差し出しながらそう考えて頭を悩ませた。


「うさぎって草食ちゃうんけ、肉とか置いてあるんやな」


干し肉を食いちぎりながらそう呟いて


「ああ、親切な方に食材を頂いて。肉だけ持て余していたので干してたんです」

「貴方が来てくれて丁度良かった」


そう返事をして微笑んだ。


「また来てもええ、?」


「ええ、勿論。私も一人で退屈なので」


頷いて、ちらりとそちらを見やった


ペリドットのような淡い緑の瞳。睫毛も他の獣人よりも長い

光が反射して宝石のような輝きを放っている。

けして華奢というわけでもないが筋骨隆々というわけでもない

なんら他の獣人と変わらない落ち着いた人だ。


この人が人食い、?…まさか、きっと他の兎たちの見間違いだったのだろう。


さっきの食べるという発言もただの威嚇だったのではないのだろうか。


そんな思考を巡らせながら自分も果物を食べて。


「それ、美味しいん、?」


そんな声が聞こえた

頷きながら


「私にとっては美味しいものですよ、狼さんも食べます、?」


差し出しながらそう言い微笑んでみせた


「…ゾム」


ふと狼さんが口を開いた


「俺の名前、ゾムっていう」


果物を受け取りながらそう言い


「ゾムさんですか、覚えておきますね」


耳を倒してそう言う

名前を教えてくれるとは思わなかった


自分も名乗るべきだろうかとか考えていると

彼は外に出ようとしていた。


「ぞ、ゾムさん、?何処へ行くんです、?」


「自分の家帰るわ…またな能天気ウサギ」


振り返りもせず彼はそう言って去っていった



能天気じゃないとか考えながらも


「(またな、か…)」


なんてまた狼さんが来るのを楽しみにしている自分がいたことに

少々驚いてしまった。

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